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ストリートダンスオブチャイナで学んだ事

2022年の半分は中国で過ごしました。『ストリートダンスオブチャイナ(以下:SDC)』というダンスのオーディション番組に出演するために中国に半年間滞在していたのです。間違いなく去年一のビッグイベントでした。帰国してからもう暫く経ってしまいましたが、ぼちぼち振り返っていきます。

中学生が5時間目くらいの道徳の授業で何者か定かではない地域のおじさんの環境にまつわるためになる話を聞いた後提出する感想文のような、非常に無個性なタイトルではありますが、今回はSDCを通じて学んだことについて書いていこうと思います。

SDCでの一番の学びといえば、間違いなく「睡眠の大切さ」に集約されるでしょう。練習はほぼ毎日昼から深夜まで。収録は毎回昼に始まり深夜に終わる。24時間で作品を完成させるチャレンジがあったりと、とにかく寝れない。「眠い」という中国語はかなり初期の頃に覚えましたね。
しかしこちらのトピックは思い出すだけで眠くなるので、今回は辞めておきます。


自分にしかできないことはなんだ

SDCは、まずダンサー200人ほどからスタートし、さまざまなバトルやコンテストを通じて毎回数名が脱落していく形のオーディション番組です。

もちろん各地のダンススターを夢見る若者が集まっているので、ダンスが上手い且つ華のある子が集まっているわけですが、最初の難関としてまず、200人という大きな母数の中でも存在感を示すということが必要になってきます。

この番組では、中国のアイドルがジャッジをします。一部、前シーズンにも参加したことがある為ジャッジに既に知られている人もいますが、基本的には私たちのことなんで知らないわけです。しかも彼らはアイドルであり、ダンスのプロではありません。(もちろんみんな踊れますが)
アンダーグラウンドのバトルイベントとは見られ方が違います。

やはりこの状況で一番大切なことは、「自分はどういう人間で、どういう踊りをするのか、何が得意なのか」を超強烈に伝えることだったと思いますね。

みんなデフォルトである程度の技術はあるわけなので、その中で選ばれる人にはプラスアルファの「何かしら」がある。それがダンススタイルなのか、ファッションなのか、キャラクターなのか、圧倒的な技術なのか、は人それぞれで。

なんかそれは付け焼き刃の、何かこんなことしたら目立つんじゃね?というようなものでは簡単に見抜かれてしまって、今まで積み上げてきた「自分」を曝け出すことができるかどうかやな〜と感じました。

そのためにはやはりこれまで積み上げてきたことへの信頼や自信がないとダメだし、そういう部分はダンスにも滲み出てくるし人にも伝わる。

そこには遠慮とか、マジで必要なくて、これでもか!とうっとおしいくらいに自分を出す力はやっぱり大切だと思いました。


いかに挑戦したか

SDCで収録に携わった期間は約4ヶ月間。最初は200人ほどいたダンサーも、収録を重ねるごとに減っていき、準決勝に行く頃にはダンサーは20人にまで絞られます。

収録が始まりたての初期の頃と、人数が絞られていく後半の頃では、やはりかなり雰囲気が違います。初期は、ワチャワチャとお祭り的な雰囲気がありましたが後半に行くにつれてシリアス感は増していきます。「人数がたくさんいる中での闘い方」と「人数が絞られた状況での闘い方」にはやはり違いがあるなということを感じました。

前述した人数がたくさんいる中での闘い方が、「今まで自分が積み上げたものをこれでもかというほど見せる!!」というものだったのに対し、人数が減った後半では「積み上げてきたものをいかに壊し、新しい側面を見せてくれるか」が重要だったなあと思います。

TOP20くらいまでいくと、もうみんな何度も収録をしているわけなので、当然何回も踊りを見られていてある程度どんなダンスをする人なのかわかられてる状態です。そういう状況では今まで通りのことだけやっていても、「もう君がそれできるの分かったから、他のこと見してくれる?」という感じになる。

私はこの状況で、心折れてしまい、自分の得意なことで勝負しようとしちゃったんですよね。
しかしもう既に得意なことはみんな見たことあるし知ってるので結果は散々でした。もっとチャレンジすればよかったな〜と終わってからかなり後悔しました。


積み上げては壊す、また積み上げる

何か、「いやそりゃ当たり前でしょ。」みたいなことしか書いてないかもしれませんが。。

私は前半の闘い方はとても意識していたので、自分的には上手い事いったかなという感じですが、後半は疲労も半端なかったこともあり、闘い方を見失ってる感じでした。

ダンスを探求することは積み上げては壊して、また積み上げる無限ジェンガのような道のりです。積み上げる時期と壊す時期どちらもあります。今回のSDCみたいに積み上げた方がいい状況と、壊した方がいい状況と、その時のタイミングやめざしてるものによっても変わると思います。

特に壊すのが難しい。自分のコンフォートゾーンから出ないといけないので、恐怖心とか不快感を伴います。しかし成長するには必ずこの不快感を乗り越えないといけない。

準決勝で負けたのは、シンプルに負けたことが悔しかったというより、コンフォートゾーンから抜け出す勇気を持てなかったことが悔しかったですね。今思い返しても苦い思い出ですが、こうしてあらためて挑戦の大切さを学べたので非常に素晴らしい経験でした。

(あとはやっぱり、睡眠も大事です。)


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