見出し画像

『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』感想

『THE DESK リアルな「勉強机」から見えた大人の学び100のヒント』感想/日経BP

勉強をしている大人の人たちの勉強机を見るという企画の本。
この場合の大人とは仕事を持っている、もしくは仕事を持つための準備をしている人のこと。つまり、学生が本業ではない人。
とはいえ、学生で起業している人も中には含まれています。

私は子供のころから整理が下手で、机の上はいつも山積みでした。だから勉強机で勉強したことがあんまりない。
いま思い起こしてみれば私の子供のころの机はとてもクラシックな木製で、いまで言うところのライティングビューローになるのかな。下の部分は棚ではなく抽斗だったので、普通に服を入れていましたが。
あれってきちんと整理できる人にはとてもいいけれど、整理整頓の苦手な、そしてそれを習ってこなかった私には綺麗な勉強机なんて夢物語でした。

学生のころには普通の木製の机を使っていましたが、卒業後は弟に譲ったので、それから私には勉強するための机がありません。
けれど心の中には勉強机というものへの憧れが今もまだあるのです。
そういうわけで、この本を見つけた瞬間からわくわくが止まりませんでした。

先に書いたように、勉強している大人の人たちという括りの本ですが、その勉強の内容は様々です。
夜間コースの大学院に通っていたり資格の勉強をしていたり、現在進行形の仕事のために、あるいは将来を見据えて語学の勉強をしていたり、気になった資料の分析をしていたり。
そして勉強の方法も様々。
オンライン講座の受講やZOOMを利用したスクール形式、様々な文献を当たったりレポートを書いたり、単語を憶えたりグループ学習をしたりと本当に様々。

当然皆さんのデスクも本当に様々でした。
自分が昔から使っている勉強机を使い続けている方、新たに勉強机を準備している方、家族が出かけた後にダイニングテーブルを使っている方、ちゃぶ台を使っている方。

そんないろんな方の机、勉強に使っているそのほかの道具、本棚、勉強のときのお供の飲み物(やマグカップなど)、部屋の様子、そういったものを写真で見せてくれるので楽しくてしょうがなかったです。

キャンパスノートを使っている方もいれば、無印のノートの方もいる。モレスキンを使っている方もいる。
ペンやペンケースもいろいろで、ジェットストリームだったり万単位のお値段のボールペンの方、シャープペンシルの方がいらしたり、革製のペンケースを使っている方もいる。
筆記具以外の道具としては、単語帳を使っている方もいるし、通信教育のテキストを使っている方もいる。先に資格を取った友達に教えてもらったり譲ってもらったりしたテキストもあるし、ラジオの語学講座を利用されている方もいる。
かなり多くの方がタブレットを使っていらしたのは、コロナで学習環境が大きく変わったことの現れでしょう。
椅子はゲーミングチェアの方が多かった気がします。これはゲーミングチェアを使うと腰が痛くならないなんて情報が広がり、また手に入りやすくなったということでもあるんでしょうね。

そんないろんな方のいろんな勉強机を見ているとやっぱり楽しくてわくわくして、私も勉強がしたくなりました。
こんな資格があるんだとか、こんな職業の方はこんなことを勉強するのかとか、こんな勉強方法があるんだとか、勉強机の紹介というこの本から学ぶことはたくさん。
この本を手に取ったときには、ただ単に他の方の机を見るのって面白そうってだけだったのに、読み終わるころには読書好きが他の人の本棚を見たときのような高揚感わくわく感、そしてうまく説明はできないけれど不思議なやる気に満ち満ちていたのです。

思えば私はノート術の本が大好きです。それはもちろん、自分の仕事やそのほかのことに対しても役立てたいという気持ちからスタートしたものですが、読んでいるうちに実際にその手法を参考にするというより、そのノート術を使って何かをすることに対してわくわくしている気がします。
この『THE DESK』を読んでいてもそのときと同じようなわくわく感が湧き上がってきて、またいろいろ頑張ろうあんなこともこんなこともやりたいな、という気持ちになってとても楽しく面白かったです。

この記事が参加している募集

#読書感想文

191,457件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?