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なぜ会社を辞めて、岡山県高梁市で「教育DX × 移住したくなる地域づくり」に挑戦するのか?具体的に何をやるのか?

「備中の小京都」と呼ばれる
岡山県の小さなまち高梁(たかはし)。

江戸時代は備中松山藩の城下町として栄えた
歴史と自然の魅力があふれる町です。

2020年10月31日。新卒から13年勤めた東京のオンライン教育ベンチャーの取締役を退任しました。

そして、この人口3万人弱の高梁市に移住して、

「教育DX × 移住したくなる地域づくり」

に取り組み

「地方の人口減少の解決モデルの創出」

に挑戦していきます。

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※DX(デジタルトランスフォーメーション)は企業や社会をデジタル技術で変革する取り組みのことと。デラックスではありません(笑)。

また、オンラインとテクノロジーをフル活用して、

「地方でも、最先端の学びを受けられる」
「逆に、地方のイノベーティブな取り組みを発信する」
「都会と田舎の学校、日本と海外を繋ぎ、新たな驚き、学び、喜びを生み出していく」

そんな学びの環境を創出していきたいと企んでいます。

どうして岡山県高梁市に移住するのか?

少し長くなりますが、どうして会社を辞めて岡山県高梁市に移住するのか、その経緯をお話ししたいと思います。

自分はこの10年ほどずっと、

「オンラインによる教育の地方格差の解消」

にひたすら取り組んできました。

命懸けで、と言っても過言ではないほど、全身全霊で取り組んできました。

長く続いたオンライン教育、冬の時代・・・

今でこそコロナ禍でオンライン教育に注目が集まっていますが、なかなか陽の目をみない時代が続きました。

どんなに頑張っても思うように売れなったデジタル教材。
何千万もかけて開発して使い物にならなかった学習システム・・・。
本当にたくさんの失敗を重ねてきました。

そんな冬の時代を超え、コロナ禍もきっかけとなり、日本でもやっと本格的にオンライン教育が普及しはじめました。

3年前からスタートしたオンライン家庭教師事業は急拡大。
日本の遠隔教育で最大級のサービスに成長しています。

新たな課題意識の芽生え・・・

過疎地や離島、山奥の子どもたちにもハイクオリティな教育を届けられるようになった反面、新たな課題意識が自分のなかで芽生えてきました。

それは、

「このまま地方の人口が減り続けると、
 オンライン教育が当たり前になる頃には、
 届けたい地方の子どもたちそのものが
 いなくなってしまうのではないか」

という危機感です。
 
実際に、これから日本全体で人口が急激に減ります。ですが実は、東京など大都市は2050年頃までは、しばらくは減りません。

その代わり、地方で急激に人口が減ることが予想されています。
県によっては人口が半分以下にまで減少するところもあります。

「これを何とかしないといけないのでは・・・」

というモヤモヤが、頭の片隅に居座り続けていました。

そんなときに偶然、知人の紹介で繋がったのが岡山県高梁市だったのです。

岡山県高梁(たかはし)市とは?

高梁市(たかはし)は岡山県の西部、
倉敷の少し北に位置する人口3万人弱の小さなまちです。

「天空の城」で有名な備中松山城のお膝元として栄え、豊かな自然と文化を誇る歴史あるエリアです。

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「天空の城」で有名な備中松山城、雲海に浮かぶ姿が神々しいですね。

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日本遺産にも認定された「ジャパンレッド」発祥の地・吹屋。赤い弁柄(ベンガラ)染めの町並みが美しい。

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市街地から車で20分ほどでこの光景。日本の原風景が残る地域です。

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江戸幕府最後の老中・板倉勝静の備中松山藩の城下町として栄えた歴史があります。

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市の中心地を流れる高梁川。江戸期には高瀬舟による物流の要衝として栄えました(写真は明治期)。

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市街地にも歴史を感じさせる町並みが残っています。

豊かな自然と歴史や文化、魅力満載の地域です(^ ^)

「どうして高梁なんですか?」

と神奈川県横浜市(戸塚)育ちの自分は、
たくさんの方から質問されました(笑)。

直接のきっかけは、高梁でアドバイザーをする知り合いが繋いでくれたことです。が、日本史好き・城好き・石垣好きだったことも結構大きな要因です(笑)。

最初に足を運んだときに、自然豊かで歴史の趣を残す高梁の町並みをとても気に入ったことも大きかったと思います。

高梁市の課題、急激な人口減と若い世代の流出

さて、そんな高梁の最大の課題は、
急速に進む人口減少と若い世代の流出です。

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この10年で1万人近く人口が減り、現在の人口は約3万人弱。
2040 年に は 19,796 人まで減少し、
老年人口が生産年齢人口を上回ることが見込まれます。

実際に、備中高梁駅周辺の中心エリアは閑散としています。
この写真は、駅前の栄町商店街です。

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ご覧の通り、絵に描いたようなシャッター通り。

人が減るから店が減り、店が減るから人がもっと減る。
そんな負のスパイラルに陥ってしまっています・・・。

「地方創生」を日本で最初に始めた町!?

そんな高梁ですが、実は「なんだか凄い人たちがいる町」だ、ということも少しづつ分かってきました。

「地方創生を日本で最初にはじめた町」

といったら大げさかもしれませんが「地方創生」という言葉が生まれる遥か昔から、そうした活動を行ってきた地域なのです。

例えば、明治大学(理工学部 建築学科)の小林正美教授と地域の方が協働で進めてきた

「歴史的町並み再生保存するまちづくりワークショップ」

があります。

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明治大学の小林先生は知り合いから、

「岡山の山奥に、ドイツのハイデルベルグのような山と川の美しいまちがある」

と紹介され、30年前に高梁を訪れて以来、その魅力に魅了され、高梁のまちづくりに尽力されてきました。

高梁の中心街には築100年以上の町家がずらり。
なかには天保3年(1831年)築の古民家まであります。

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写真は明治45年ごろの高梁市本町通りです。

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こうした町並みが現在も残されているのは、30年前からの「元祖・地方創生」の取り組みのおかげなのです。

他にも挙げるとキリがないのですが、

「地域の魅力や資産を大切にしたい」

そんなDNAが息づいた地域なのではないか、と密かな期待と希望を感じているのです!(^ ^)

教育のまち高梁?!スポーツや自然教育にもピッタリ!

さらに、高梁を訪れてビックリしたのは「学校の多さ」です。
人口3万人弱の地方都市に、高校が5校、中学が8校、小学校15校、さらに大学(吉備国際大)まであります。(めちゃくちゃ多くないですか?!)

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地域に大学があるだけでも、
とても大きな意義のあることです。

山間の学年混合の小規模校から小中一貫校、
デザイン科を持つユニークな学校まである高梁。

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さらに、スポーツ施設も驚くほど充実(なぜか野球場は6個あります、サッカー場、テニスコート、陸上競技場、ゴルフ場、子供向けアスレチック施設、体育館・・・以下割愛)。

キャンプ場も数多くあり、自然教育・野外教育にはもってこいの環境です。

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充実したスポーツ施設、圧倒的に豊かな自然環境。
そんな高梁に、個人的には大きなポテンシャルを感じています。

リモートワーク時代に選ばれる「すごい教育」のまちを目指す!

このコロナ禍で、人々の働き方や生活は大きく変わりました。

オンラインやリモートが当たり前になり、
「都心のオフィスって必要なの??」
そんなことまで議論されるようになりました。

これまで、地方の人口流出の最大の原因は「仕事がない」ことだったと思います。

しかし「リモートでどこでも仕事できる人たち」が増える時代になり、
その問題は解決できるかも、という兆しが生まれています。

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では、どこでも仕事できるなら、どこを選ぶのか?
子育て世代にとっては「子どもの教育」は重要です。

「都会にはない自然や地域をフル活用した学び」
「オンラインやデジタル教材で地方の不利を解消」
「都会の先をいく最先端の学び」

ポストコロナのリモートワーク全盛時代に選ばれる「すごい教育のまち」。
それが、思い描いている青写真です。

具体的に何をやるのか?

「意気込みはわかったけど、いったい何をやるのよ?」そんな声が聞こえてきそうなので、高梁で取り組みたいことについて、構想をほんの一部ですがお話ししたいと思います。

【STEP1】 「学びと地域の交流拠点」を創出!

今、高梁の市街地には、カフェなどもほとんどなく、人が集まり、交流したり、自習したり、作業したり、仲良くなったり、何かを一緒にするようなスペースがほとんどありません。

せっかく外から高梁に人が来ても、地元の人と知り合ったり、繋がりを持つ機会もありませんん。

なので、まずは、町の賑わいと人の交流を生み出す「拠点」を創ろうと考えています。(空き家は山ほどあるので、それを活用しようと考えています。)

そして、この「拠点」には、大きく3つの機能を持たせようと考えています。

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(1)地域の学び舎(デジタル×寺子屋モデル)
(2)コワーキングスペース
(3)地域交流型ゲストハウス

この3つです。

具体的にはこんなことをイメージしています。

(1)地域の学び舎(デジタル×寺子屋モデル)
・STEAM教育や探究学習など
・地方でも最先端の教育を受けられる

(2)コワーキングスペース
・リモートワーク拠点
・イベント開催もできる
・地域の子どもと大人が繋がる

(3)地域交流型ゲストハウス
・初めて高梁にきた人も地域の人と繋がれる 
・関係人口を増やす拠点に

少し欲張りですよね(笑)

「学ぶ」「はたらく」「泊まる」

この3つを軸に、子供も大人も、混ざり合う。地元の人も高梁の外の人も、混ざり合う。出会いと協働のコラボレーションを巻き起こす。そんな「地域のサードプレイス」を、まずは用意しようと考えています。

【STEP2】
「高梁にしかない学び」をオンラインで全国に発信!

さらに「高梁だからこそできる学びのコンテンツ」をオンラインで発信、日本全国に届けていきたいと考えています。

・高梁の歴史と文化に学ぶオンライン講座
・吉備国際大の26か国の留学生と学ぶ「グローバル教育」
・地域の「尖った人」に学ぶオンライン講座


具体的にはこんなことを企画しています。

例) 『備中高梁まちの大学オンライン』

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この3年ほど、北は北海道の奥尻島から南は鹿児島県の長島まで、全国各地に足を運ぶ中で、

「地方にこそ、都会にはない尖った学びがある」

と強く感じるようになりました。

高梁にも、面白い学びのコンテンツが宝のように眠っています。

そのコンテンツを、

「オンラインで全国に発信し、地域の子どもも大人も一緒に学ぶ」

ということをしたいと考えています。

「”地域の外の人”と”地元の人”が共に学ぶことで「地元の価値」を再発見できる機会になる」

と考えているからです。

例) 吉備国際大の26カ国留学生と連携「CQ異文化適応力」プログラム

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高梁にある吉備国際大には世界26ヵ国から300名以上の留学生がきています。それを生かさない手はない、と勝手に張り切っています(笑)。

『CQ(カルチュラル・インテリジェンス  Cultural Intelligence)』

とは、文化の違いを超えて円滑にコミュニケーションを図る能力「異文化適応力」のことです。

IQ(知能指数)、EQ(心の知能指数)に加えて、グローバルに活躍するリーダーに求められるスキルとされています。そのCQを専門家の方とコラボして、高梁にいる留学生と一緒に学ぶオンライン&教室ミックスの講座を考えています。

これはほんの一部ですが「地域のリソースを生かした学びコンテンツ」をもっとたくさん開発していきたいと考えています。

【STEP3】 
高梁市の小・中・高校・大学、地域の大人も巻き込んだ教育の魅力化

ステップ3としては、高梁市の小・中・高校・大学、さらに地域の大人も巻き込んで、高梁という地域全体が学びのフィールドとして魅力を放っている、それが理想的な姿だと考えています。

・日本一クリエイティブでアクティブな子どもたちが育つまち
・「地域丸ごと学び舎」構想の実現
・子育てしやすい日本一ハッピーな町に

大風呂敷すぎて、もはや何が何だかというかんじですね(笑)

ですが、都会の学校やナントカMBAでは学べない生きた学び、新しい時代を生き抜くヒントが、地方にこそ埋もれている、そんなふうに勝手に確信しています。

【STEP4】
日本や世界各地の面白い学校と提携&交流、学びのコラボレーションを巻き起こす

教室に閉じこもり、黙って先生の話を聞き、ノートを取る。こうした20世紀型の教育スタイルは、おそらくこれからどんどん減っていくでしょう。

教室を飛び出し、地域や社会での実践を通した「社会に出てから本当に役立つ学び」が主流になると思います。

さらに、これまでは「一つの場所(学校)だけで学ぶ」ことが当たり前でしたが、これからは「多拠点で学ぶ」「オンラインで全国各地や世界と繋がって学ぶ」こんなスタイルがスタンダードになっていくと思います。

高梁だけに留まらず、日本中、世界中の面白い学校や先生、生徒たちと繋がり、学びのコラボレーションを巻き起こそうとか考えています。

ステップ4と書いていますが、すでに色々仕込んでいますので、この辺はまた続報をお待ちいただければと思います。(笑)。

【STEP5】 子育て世帯が高梁に移住!

そんなこんなで、いろんなことに取り組んでいるうちに、高梁市がびっくりするくらい教育が魅力的な地域になっていたら良いなと思っています。

そして、その高梁の魅力的な教育に惹きつけられて、

「高梁で子育てをしたい」
「高梁の教育を受けさせたい」

そんな子育て世帯の家族が増えて、高梁を参考に、日本中でたくさんの市区町村で、魅力的な教育の地域づくりに励んでいる、そんな展開が自分が思い描いている未来図(妄想?!)です!

さらに! 「教育×移住したくなる地域づくり研究所」を設立します!

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さらに、国内外問わず「教育と移住」の関係性や先端事例を研究する

『教育×移住したくなる地域づくり研究所』

を設立します。

この領域に関しては、いわゆる成功事例はまだほとんどありません。
情報もとても少ないので、高梁での取り組みも含め、さまざまな方の協力を得ながら、事例やデータを発信していきたいと考えています。

無謀な挑戦!?

今回、岡山県高梁市へ移住と挑戦をするにあたり、
周りの皆さんには大きな驚きとご心配をおかけしているかと思います。

ですが、ご心配いただくと同時に、

「大変そうだけど、面白そうですね!」
「むしろ、最先端の挑戦ですね!」
「あーなんか、横山らしいね」

そういう温かい言葉をたくさんいただき、本当にありがたく思っています。

また、元々いた会社には、少なからずの影響や迷惑をかけてしまうことも心苦しかったのですが、理解し、快く送り出してくれた会社の方々や社長にも本当に感謝です。

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いま日本には約1700の市区町村があり、
そのうち人口3万人以下の自治体は1000あります。

そして、間違いなく今後さらに増えていきます。

「教育DX × 移住したくなる地域づくり」

というコンセプトで、どこまで地方の人口減少問題を解決できるかは、正直分かりません。

もしかしたら、全然うまくいかないかもしれません。

ですが、何もしなければ「何かが起こる」こともありません。

少々無謀な挑戦かもしれませんが、自分らしく、楽しみながら、新しい仲間と一緒にチャレンジしていきたいと思っています(^ ^)

さらに具体的に何をするのか、については、続報をお待ちいただければと思います(^ ^)

最後までお読みいただきありがとうございました!

横山 弘毅

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