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雑文・雑感

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雑文【ざつ-ぶん】〔名〕気楽に書き流した文章。 日記、時事ネタ、雑感、エッセイ……要するに、とりとめのない雑文です。
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49

昨日、誕生日を迎えて49歳になった。 3月11日といえばご存知の通り東日本大震災があった日で、例年、あの当日の友人の言葉を引き合いに出してこの文章を書き始めていた。でも今年は40代最後の年ということで、少し毛色を変えてみようと思う。 自分自身の「老い」について触れている文章だけど、決して悲観的な内容ではなく、むしろ前向きなものであることを最初にエクスキューズしておきたい。 歯を抜いた話先日、右上の一番奥の歯を抜いた。この歯は以前からちょっとした問題を抱えていて、かかりつ

2024

一年の計は元旦にあり。厳密に元日の朝とは言わないまでも、毎年の始まりにその年の目標ややりたいことをのんびりと(日本酒を舐めながら)考えている。そうして吟味した目標や計画はSNSや周囲の人間に対して公言するものもあるし、胸に秘めて密やかに進めるものもある。そしてもちろん、それらのすべてが完遂されるものでもない。目標というものには程よい「ゆるさ」が必要だ/欲しいと常々思っている。 さて、恒例の書き出しで始まった年始の散文。 年男としての一年が過ぎ去り、今年は49歳になる。「4

数字を見ると何が分かる? 輸入農産物に貼られているシールとPLUコードの話

先日、妻が1本のショート動画をシェアしてくれた。マーク・パンサー氏がアヴォカドに貼られたシールについて語る動画だ。 マーク・パンサーと言えば、かつてはMEN'S NON-NOの初代専属モデルとして活躍し、1990年代からはglobeのメンバーとして一世を風靡したことは説明するまでもない。 世代的にど真ん中でその活動を見ていただけに、最初は「健康生活研究家」という肩書きの意外性で動画の内容が頭に入ってこなかったんだけど、実はとても重要な情報を発信されていた。 シールの数字

27年越しの名前

明治安田生命の名前ランキングによると、2023年の1位は男の子が「碧」、女の子が「陽葵」とのこと。「陽葵」は「ヒマリ」「ハルキ」など多様な読みがあるようで、初見ではまず読める気がしない。 それはさておき。ウチの娘の名前は、実は僕が17歳のとき――娘が誕生する27年も前――に発案したものだ。高校2年の時に友人と「将来自分に子どもができたらどんな名前が良いか」という話題になり、かなり真剣に考えたのだ。 小学校で習う漢字で子どもでも書きやすく シンプルな読みで グローバル感

ちょっと濃いめが、ちょうどイイ。

我が家ではほぼ毎日、コーヒーをハンドドリップしている。わりとしっかり濃いめに淹れたコーヒーをHARIOの耐熱ボトルに1本分、だいたい650mlくらいか。夫婦ふたりで飲んでいると1日〜1日半くらいでボトルが空になる。 ちょっと濃いめ、からの僕はそれを氷を詰めたグラスに注いでアイスコーヒーにする。寒い日には少しお湯を足して温めて飲む。言ってみれば、エスプレッソではなくドリップコーヒーでアメリカーノを楽しむような具合。そうすると、濃いめに淹れられたコーヒーはアイスでもホットでもち

ロン毛の良し悪し。

今年の春先に、特に深い理由もなく「しばらく髪を伸ばそうかな」と思い立った。 夏前に長めのボブを越えて後ろで束ねられるようになり、7月のアタマには妻に頼んでバリカンでツーブロックにしてもらった。最初は「責任が持てない」と固辞されていたのだが、失敗したら美容室に行くだけだよと頼み込んだのだ。今では慣れたもので、2週間に一度くらいのペースでバリカンを操って手入れしてくれている。 これまでも髪を伸ばしたことは何度かあるけど、後ろで束ねられるほどの長さを4ヶ月以上もキープしたのは初

楽しいウタマロ石鹸

先日、想定外のどろんこ汚れが発生したもので、土曜の朝5時から娘のTシャツを手洗いしていた。といっても悲壮感漂うエピソードではなく、むしろいそいそと早起きしてちょっとした趣味にいそしむような風情である。 洗濯はお父さんのタスク我が家では、毎朝の洗濯を主に僕が担当している。特に手を挙げたわけでも「今日から洗濯はあなたね」と決めたわけでもなく、娘が生まれた頃から成り行きで自然と役割が分担されたような感じだ。 逆に言えばそれまでは任せっぱなしだったということでもある。出産で里帰り

苦悩の2週間を越えて

もうすぐ9月が終わるというタイミングでちょっとしたトラブルがあり、会社のキャッシュフローが崖っぷちを踏み外すような事態が発生した。そのおかげで資金繰りや各方面への調整に奔走し、ただでさえタスクが増えがちな月末から月初にかけて、本来の仕事とは別に文字通りバタバタと走り回るような事態になってしまった。 お金というのは不思議なもので、普段そこに固執しているつもりはないけれど、なければ現代社会での生活は成り立たない。英語には「Lack of money is the root of

クルマ雑感 #02 大きめのクルマ編

#01 ちょっと古いクルマ編に続き、今回は大きめのクルマ編。と言っても、やはりちょっと古いクルマが並びます。 やっぱり、少し古いクルマが好きそもそも小ぶりなクルマが好きなもので、大きいサイズのクルマにはあまり興味がないところもあるんだけど、そんな中でも思い入れがあったりデザインが好みだったりするクルマをいくつかピックアップしてみた。 #01のラインナップと比べると購入の現実味が少し低いというか、「買う買わないはとりあえず置いておいて、大きめサイズの中で好きなクルマたち」と

クルマ雑感 #01 ちょっと古いクルマ編

クルマが好きだ。大好きだ。とはいえ都心付近に暮らしていると毎日必要なわけでもないし、なくても不便なく暮らせてしまう。必要なときにはカーシェアリングやレンタカーも利用できる。 そうなると購入する優先順位は自然と下がり、結婚してからは一台も所有していない。娘が生まれたタイミングで購入を検討したこともあったのだが、色々と物要りだったり、実際にはそこまで必要でもなかったので結局買わないまま数年が過ぎた。 この雑文は、買いたいクルマについての現実的な考えごとに加えて非常に個人的なク

無意識・無自覚なエシカルを目指して #未来のためにできること

娘の誕生を機に生まれたブランドまだまだ小さいと思っていた娘が、先月で4歳半になった。娘が生まれたのは2019年の春が始まる頃のこと。小さな身体で生まれてきて、日々すくすくと成長するその姿を目にする中で頭に浮かんだのが、KIJIというブランドのいわば「種」だった。 現在も「丁寧に手作りされた、高品質でエシカルな生活雑貨とライフスタイルを提案する」というコンセプトのもと、伝統的な工芸・工作技術を持った職人さんと一緒にモノ作りをしている。 ブランドに込められた思いKIJIを立

汗と熱と冷え、そしてデトックス。

汗をかくのが嫌いだ。スポーツやサウナで流す汗を別にすれば、日常生活において汗なんてかかなくていいのにと思っている。そんな汗にまつわる、ごく個人的なエトセトラ。 多湿な夏、肌にまとわりつく汗日本(東京)の夏がこんなに不快な季節になったのはいつ頃からだろうか。足元のアスファルトから照り返してくる灼熱もさることながら、湿度の高い環境が不快でしょうがない。 さて、多湿な環境に身を置いていると、そんなに気温が高くなくても、特に何もしていなくても、全身の肌にまとわりつくようにじっとり

炒飯にまつわる奇妙な話

朝から仕事をしながら、なんとなく餃子と炒飯が食べたいなぁと思っていたもので、昼時になって空腹を感じると近所の中華に足を向けた。いわゆる町中華ではなく、それなりに規模感のあるチェーン店だ。 あれ、炒飯がないさて、メニューを見てみると、餃子と炒飯という組み合わせがない。そもそも炒飯が単品でオーダーできない。どれもラーメンありきの構成なのだ。できればラーメンではなく、シンプルに餃子と炒飯が食べたい。 店員のおばちゃんに聞いてみると、ラーメンのサイドオーダーとして用意されている「

電動キックボードは免許不要に - 呆れてしまう改正道路交通法の内容

7月1日に改正道路交通法が適用され、「特定小型原付」という新しい区分が作られた。最高速度20kmのほか一定の保安基準さえ満たせば、運転免許どころかヘルメットもバックミラーもスピードメーターも不要ということだ。 案の定、この数日だけでも電動キックボードの事故や飲酒運転が複数報道されている。今回の法改正には批判的な意見も多く、あるSNS投稿の分析では「電動キックボード」関連ツイートの90%がネガティブな内容だったという(*1)。僕はといえば、怒りを通り超えて呆れている。 本来