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フランスでフランス語学校に通ってみた

フランス、特にパリといえば、憧れの街。でも実際に行ってみると、あれなんか違う、、というパリ症候群。いろいろな国から来た人たちが、それぞれの見方でそんな話を繰り返して、それぞれ自分の価値観を日々更新しながら生活している、という感じかもしれない。

日本からパリに移住した人はかなりたくさんいるので、フランス語の効率的な勉強の仕方!!、とかはいろいろ良い情報がネットにあると思う。ですのでそういう話ではないです。結論とか特にない、ある風景の描写みたいなものです。

僕は2011年10月にパリに移住する前に、半年間1週間に2時間くらい計20回くらい京都のフランス語教室にいった。暗記した自己紹介とフランス語独特のRの発音はなんとかできたけど、コミュニケーションはほぼできなかった。

例えるなら、Bonjour(こんにちは)の最後のRの発音は、個人的には喉の奥で「かっ」と「はっ」の間みたいな感じにすると、フランス人に「いいね!」みたいに認めてもらってうれしくなる、というくらいのレベルだった。

パリに着いてすぐに外国人登録系の町役場で滞在に関わる手続きが必要で、一人で行かなければいけないことがわかり不安だった。この時点での不安というのは、英語でうまく手続きできるかな、ということだった。

それで緊張しながら受付のおじさんに英語で話しかけたら、

「I can not understand English.」

と言われて、

??、、あ、あ、詰んだ。。。。。。。まさかのフランス語しばり!!そうか、、ここはフランス、、だからそうか。そりゃそうか、そうか。。。あれ、、おじさん英語しゃべってるよ!!

という記憶は鮮明に覚えている。


それから詳細は全く覚えてないが、かすかに覚えていたフランス語の単語を捻り出したり、英語をフランス語っぽく言ってみたり(=Rはフランス語のRっぽくしてみる)、身振り手振りであたふたしていると、手続きがあら不思議と進んでいったのだけは覚えている。たぶん来る外国人の手続きはほぼ同じなので、持ってきた書類だけで何をしたいのかわかるようだ。

この件と他にいくつかの経験からだんだんと、英語を話したい時は英語を話してもいいですかとフランス語で聞いてから英語を話せばスムーズに物事が進む場合が多い、ことを学ぶ。ということは、話し始めのフランス語が必須あることも痛感していたので、2012年の夏休みにフランス語学校に通ってみることにした。

僕が住んでいたCité internationale universitaire de Parisという寮にもフランス語を学ぶコースがあるという情報を見たけど、昼間の時間帯で予定的に合わなかった。それでおそらく日本でもよく知られた語学学校Alliance Françaiseのwebページを見つけて、申し込みに行ってみた。

受付にコースを受けてみたい意思を伝えると、クラス分けのリーディングとライティングのテストをやってねと言われて、その結果午前中に開催されている初級(CEFR A1)レベルのコースに途中参加という形で振り分けられたようだ。

学生の種類は、バケーションでアメリカから来ている一人以外はアジアからフランスに移住したばかりの方が大半のような感じだった。覚えている限り全部で10人くらいで僕も含めて全てアジア出身(例: 日本, 韓国, ミャンマー, アフガニスタン, etc)だった気がする。

授業は、僕はフランス語の聞き取りはほぼできない状態だけど、先生は英語を全く話さずにずーっとフランス語を話し続ける感じの方で、ついていってる感じはしなかった。けど、なんとかできる課題はやりながら続けてみてコース終了したときは、少しずつなんとなくわかるようになっている感じがした。

わからないのに慣れたということかもしれない。ま、子供時代の学習方法はこんなもんだろ、もうちょっと続けてみようということで次の(CEFR A2)レベルのコースに登録してみた。この授業は文法と"話す聞く"の割合が僕にとってちょうど良かった気がする。どうやら先生によって大分授業形式が違うようだ。

学生で特に覚えているのは、文法がこのレベルでは完璧だけど話せない(ベトナム出身)方がいたり、話すのが完璧だけど読み書きできない(セネガル出身)方とか。そういう今まで会ったことないしどのような経緯でここにたどり着いたか想像できない方たちと、不思議と不器用なフランス語で意思疎通しながら一緒に課題をやったりするのは結構楽しかった。

僕が実際にパリに移る前は、当然のように2年間で他の場所(フランス以外)に移る前提で、仕事(研究所)では英語を使って乗り切ろうと思っていた。それもあってか日本で育ってきた環境からか、自分のことを"移民"と考えたことは一度もなかった。

語学学校で過ごしながら、外から見たら僕は"移民"なんだ、と急にストンと納得したときはちょっとびっくりだった。

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