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ベルギーEU本部の面接に派遣されてみた

いきなり、ベルギーの首都ブリュッセルにあるEU本部の面接行ってきてね、と言われたらどう反応すればいいのか。

ま、日本で言えば文科省に派遣されて有識者の方々に研究の説明する、ということはたまに聞いたことがあるから、おそらく似たようなことを経験されているシニア研究者の方は日本には多く、とりたてて話題にすることでもないかもしれない。

僕がパリで雇われているグラントが国際連携プロジェクトで、ヨーロッパのいくつかの国 (イタリア、スイス、ギリシャ、フランス、UK)の研究者が参加していることは知っていた。

その人たちとブリュッセル現地で集合してEUの建物に行って、プロジェクトの進行具合をEUの担当者に誰かが説明する、ということだけわかっていた。

ポスドクになって1年半を過ぎた2012年の秋頃、審査の前日に、パリに住んでいた僕は、文字通りなんとなく一人で、タリス(Thalys)という電車でブリュッセルに向かった。

地下鉄からタリスに乗り換える前の駅で、僕の所属部署で結構気があっていた元同僚のポスドク(民間企業に既に就職してた)とばったり会った。

これからグラント審査でブリュッセルのEUに行くんだ、と言ったら、ポジティブな感じで、

「Hirokiは忙しそうだね!」

みたいなことを言われた。まーそう見えるかもね、と思った(とりあえずOui!とか言ったかもしれない)ことは鮮明に覚えている。

審査日の朝、ブリュッセル中心街の滞在しているアパートから、一人で地下鉄に乗って、指定されたEUのある建物に行って、ボディチェックと荷物チェックとかして、ヨーロッパの5カ国から来ていたプロジェクトメンバーと合流した。

審査員は、EUの担当者一人とEU側から要請されて来ていた二人の外部審査員(研究者)という構成だった。審査される側の研究者グループは8人くらいだったと思う。

僕は特に発表を準備するように言われてなかったので、基本的にぼーっと審査の様子を見ていた。たぶん、ぼーっとしてたのであまり覚えてないが、プロジェクトメンバーが交代交代で発表をして、4-5時間かかったような気がする。

外部審査員の一人が評価にポジティブで一人がややネガティブで、EU担当者は総合的にはポジティブという風にまとめようとしていた雰囲気が漂ってたし、発表後メンバーもそれを受けて今後のプロジェクトの活動方針を相談していた。

プロジェクトメンバーはこの次のグラント申請についても話していた。

パリの駅でばったり会った元同僚がまだポスドクだった時に、アカデミアで残っていくには、グラント申請し続けないと研究活動(Ph.D.雇用、出張とか)を継続できないし、国際連携とか必要項目の負荷も増えてるから、みたいなことを言ってたのを思い出した。

駅で会った時、彼は敢えてポジティブな感じで声かけてくれたのか。なんか寂しいような複雑な気持ちになったのを覚えている。






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