個人事業主からはじめる小さな飲食店開業(概要編)
最近何人かの料理人から同じ質問が来た。それは「独立を考えているので話を聞きたい」という内容だった。今から書くことは私がずっと不安で意外と教えてもらえなかった事で、もっと正確にいえば何を聞けばいいかわからなかったことである。緊急事態宣言で自店は休業中なので、今までなかなかできなかったことを独立前の私のような方々に参考にしてもらえたら幸いである。
飲食店を開業するにはいくつかの準備が必要であり、それは必然的な順番がある。これはあくまでも私のケースであり、私自身が個人事業主としてレストランを開業するにあたり経験した事、考察した事を主観で書いているので参考程度になればと思う。読み進めていくうちに知りたいのはその先の金額や数字だと思うかもしてないが、こちらには先ず流れを理解してもらえるように概要を書く。
開業準備前の準備は何をするのか
ほとんどの人が働きながら将来独立の準備をしていると思う。ただ私が下積み時代に一緒に働いている人間で明確に準備を出来ていた人は何人いただろうか。いざ独立開業しよう!となった時点である程度の準備が無ければ何年か先になってしまう。大きく準備が必要なのはお金と店舗規模のイメージだと思う。
開業準備前の準備(店舗イメージ)
1番最初に決める事は大まかな店舗イメージだと思う。店舗の席数と広さ、どんな業態でターゲットとしている客層(又は客単価と回転数)などである。先ずここが決まらないと大まかな必要な資金と物件を探す時に絞れなくなってしまう。思い通りの物件に出会う事はほぼ無いと思うが、なるべく理想に近い物件と出会う事が重要である。
開業準備前の準備(お金)
例外はあるが飲食店の経営者のほとんどが金融機関などからの融資をうけているだろう。私も開業前に融資をうけている。ここで言うお金は自己資金の事である。物件に見合ったお金を借りるにはそれなりの自己資金が必要である。
物件
いざ独立開業と決めたら先ずは物件探しからである。物件が決まらないと融資の為の事業計画書が出来ないからだ。自分の理想通りの物件に出会う事は難しいが、所在地や家賃と広さ、賃貸の条件と熱源の要領などなど確認事項は色々とある。その中で選んでやれる事をするしかないのだ。
物件の申込みをしたら融資の手続きに進む。
物件契約と融資決定後になるが、予め厨房業社、施工会社、必要であればデザイン会社、税理士等に連絡をしておくと話はスムーズだと思う。
事業計画書
物件を申し込みまでしたらすぐに物件所在地エリアの公庫(日本金融政策公庫)の相談窓口へ行く。
銀行、商工会議所、信用保証協会など開業に関する融資をしてくれるところは色々あるようだが私の場合は知り合いの多くが公庫と銀行から融資してもらったというケースが多かったので公庫にした。
相談に行くと必要な事は教えてくれて一式書類を渡されてその日は帰る。後日必要な書類を作ったり集めたり揃えて提出する。
融資
融資は必要書類を提出し、審査によって金額が決定される。必ずしも希望金額が融資されるとは限らない。あとは振込み予定日に振り込まれるのを待つのみ。(確か審査は書類提出後1週間〜10日位で連絡が来た)
物件契約
物件と融資の申し込みが済めばやる事が明確になるので難しい事は無いが、意外と細かいところまで気付けなかったりするのでしっかり確認が必要である。こちらで選べる訳では無いが管理会社も重要な存在である。
契約は前家賃や保証金などある程度まとまった金額が必要である。
オープンまでのスケジュール
施工会社と竣工の時期を決め、オープン日を決める。
HPやSNS、業社との契約、挨拶や告知など逆算して進める。保健所と消防署への手続きも忘れずに。
ここから気付けばオープンから3ヶ月くらいは経っている。という位忙しいと思う。
最後に…
融資が決まり物件の契約が済めば後はやる事が明確に見えてそれをやるだけである。
独立するタイミングが分からなかったり、どう始めたらいいのだろう?という疑問と不安を持って真面目に働いている方が沢山いると感じているのでこの記事を書いた。個人事業主から始めなくてもいいし、融資も必要なければない方がいいかもしれない。人それぞれ違うのでここでは概要を書いたが、次の記事は「私の場合はこうだった」という書き方をしようと思っている。
私と同じように夢見て独立を目標に働いている飲食店従事者の為に微力ではあることを承知の上で私が今できることの一つはこれである。
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