見出し画像

グローバルではどこで起業するか? 東京、福岡、シンガポール、シリコンバレー、深圳?(第21回目2021年8月15日(日))

Clubhouseで毎週 日曜日 正午から「スタートアップ奥義」として、グローバル人材が開催する「スタートアップジャーニー」をテーマとした部屋です。一般的に知られてないスタートアップのこと(奥義)についてオープンに話します。国内外の資金調達、採用、市場展開からファウンダーと投資家の関係管理、チームの精神保健などまで幅広くディスカッションをしよう!起業を考えている方、起業を悩んでいる方、ちょっとだけ興味を持った方でも大歓迎です。

Moneytreeポール チャップマンさんと、メリービズ工藤博樹の二人ではじめた、この番組には

高階 匡史さん:NTTドコモ・ベンチャーズ Managing Director

中畑 裕子さん:サスティナシード株式会社 創業者・代表取締役CEO、株式会社ナック社外取締役

ナリン・アドバニさん:entomo共同創業者、日本ユニシス社外取締役、等多数のスタートアップの役員・エンジェル投資

今回は、第21回目の放送として、2021年8月15日(日)に開催された回の主だった内容をここにまとめます。

ポールさんがMoneytree以前の起業経験から学んだこと

ポールさん:起業家個人としてどうするか?が大事。その国の税制とか、どれだけ投資家と会えるかではない。

当時はインターネットなので、どこでもいいんじゃない?と思っていた。ただ、やってみて実際は違った。

21年前に起業したとき、cvMailでの起業は、銀行と弁護士事務所がお客様だった。使いたい企業を全部獲得した。10社くらい。そう、オーストラリアは市場は小さすぎた。

イギリスに社長がいきイギリスの顧客開拓をした。オーストラリアには当時VCがゼロだった。アメリカにいくことも考えたが、「失敗するよ」と周りがよく言われたので、諦めた。そうこうしているうちにファウンダー同士の関係性が悪くなってきた。

Atlassian(アトラシアン)とかのように、オーストラリアからはじまってグローバルカンパニーになるという道もあったがそれはできなかった。

やり方は大きくは2つ:

1箇所で起業して、国際展開をする。韓国、スウェーデンとか。これは自国の市場が小さいので企業として大きくなるには国際展開をするしかない。

2つ目が、アメリカ、西海岸のシリコンバレー等で。最近だとテキサス州のオースティンも。最初からグローバル市場を狙っていく。

中畑さん:製造業という観点。香港にいたときに東南アジアに法人を立ち上げていくことを。外資系ウェルカムなところと規制があるところがあった。最低資本金のラインが高い、登記に関して時間もかなりかかるということがあった。

スタートアップはステージによってロケーションを考えるべき

ナリンさん:スタートアップのステージによってきまるのではないか?

ロケーションも
物理的なロケーション
ドミサイル(登記)
この2つで分けられる。

R&Dをそもそもどこでやっていたか?
つぎはマーケット
つぎに人材
サプライチェーン(特に製造業)
Exit。上場する市場。

海外事例:シンガポール

画像1

ナリンさん:シンガポールでの起業のお話。

大学と組んでいる場合。大学の生徒さんとかがいるとサポートがつく場合が。
大学がVCとつながっている。そのサポートが良い。
かなりお金が流れている。VCは増えている。
東南アジアを市場にしている会社に出資している。
シリコンバレーVCと一緒に、というのはでなく、相乗りしていくことが。

シンガポールの問題は人材が不足している。人件費が高くなっている。
また、鬼のように働くという気持ちはあまり無い。
それは大企業という選択肢もあるので、そこまでやる人が少ない。

シリコンバレーより今は中国?

画像2

高階さん:シンガポールもシリコンバレーモデルになってきている。多種多様な人材があつまっていて、VCもでてきて、アカデミアが集まって。シンガポールは人材以外揃っている感じが。

ナリンさん:中国で成功しているビジネスモデルをコピーして東南アジアで展開するのが増えている。

TNBAuraというVCは、中国のユニコーンをコピーしているビジネスモデルに投資をしている。

高階さん:日本だと2000年ぐらいからソフトバンクの孫さんがシリコンバレーのビジネスモデルを日本に持ち込む戦略(CopytoJapan)をやっていた。

ポールさん:シンガポールは国の直接・間接投資がすごい
日本ではゾンビカンパニーを延命するために資金が(苦笑)
コロナが起きると、シンガポール政府がプライベートからの資金に対してマッチングするための2億ドルほどのファンドを組成、そして3億ドルほど追加する。

東京都、日本も頑張っています!地方も?

画像3

高階さん:中小企業機構がVCファンドに民間から集められた金額と同額をLP投資するという取り組みをやっていて、運営は民間VCが行っておりうまくいっていると思う。

ナリンさん:シンガポールの話があったが、シーズキャピタル。民間から取得したのと同等を政府がいれるが、必ずしも良い会社という訳ではない

GIC(年金をあつめているところ)からテマセック、等で下位でスタートアップに対して。リスクマネーが多いことは良い。

ポールさん:日本だと産業革新機構がある。。。

高階さん:産業革新機構は政府主導での運営ということでテマセックに近いかな。年金の資金のベンチャーファンドへの出資は、JVCA(日本ベンチャーキャピタル協会)が動いて、VCの実績統計などを整備して年金からVCへ出資するという流れがやっとでてきている。

ポールさん:日本郵政とか大型ファンドもできているので日本もかわってきている

高階さん:トヨタ等も愛知。製造業は地方で。IT系は東京。
そんななかで福岡は、ゲーム関係や、中国・アジアとのつながりが強い。

今後グローバルで戦うベンチャー(首都圏集中)とローカルで戦くベンチャー(地方)にわかれてくると思っている。

工藤:日本も東京一極集中から、福岡、大阪、等、地方も元気になっている。地方特化型のVCもでてきている。

ナリンさん:NYでフォーラム大学の方と話しているなかで。日本の大学の方がダントツすごいよ。「日本の大学から取得できているノーベル賞の数。シンガポールでは?」

ポールさん:ある場所が人気になる前、なる後。
日本では起業することもキャリアになってきつつある。
いまは人気になっているからこそ、人材を集められている。日本も変わってきている。少し前は転職するひとも少なかった

シリコンバレーモデルとは?中国の違い

ゆかさん質問:シリコンバレーモデル、中国モデル。
イスラエル、ドバイとかもシリコンバレーモデルと言われる?

なぜシリコンバレーモデルが良いとされるのか?

高階さん:シリコンバレーに住むわかるが、アジアから含めて世界中の人材が集まる。シリコンバレーモデルとは、一言でいうとベンチャーが成長するための「エコシステム」人材が揃っていること、VCがたくさんあること、アカデミア(大学)、企業の歴史がある。

インテルのような半導体産業が生まれ、そこからいまのIT産業が生まれた。

その周辺にファイナンスができるVCと新しい技術をうむアカデミア、人材が集まっている。日本では、以前は、アカデミアと実業がまったく結びつかなかったので、大学から良い起業がうまれない環境があった。

中国とシリコンバレーの違い

高階さん:中国は政府の力が大きい。北京・上海・深センに政府が力を入れて、2000年くらいからシリコンバレー化をして沢山良いベンチャーが生まれた。

中国市場の違いとしてはレギュレーションが強いので法整備毎にビジネスの成長がとまることが多くあった。

大学・アカデミアの役割。日本と米国の違い

画像4

ゲストさん:宇宙関連のスタートアップをやっています。
結局何がやりたいかによって違う。

宇宙事業は製造業に近い事業。

工場の近くに設立してもよかったが、ひと、もの、かね、情報の集まる場所を選んだ。

日本だとシリコンバレーと同じ環境を期待するのはむずかしい。
政府も含めて、リスクに対してまだまだ理解していない。
ビジネスサイドとつくるサイドが一緒になって
政府も慣れていない。

高階さん:日本の場合、ベンチャー支援、ファンド運営に政府がでてくるとだいたい成功していないのではないかな?

先にも言ったけど中小企業基盤機構が民間VCファンドにマッチング出資している額は、4年間で1,000億以上になっていて、結構うまくいっている。

政府は直接やらないほうがよいのかも?

ゲストさん:
半分民、半分官
宇宙はかなりお金が必要なので

高階さん:
日本は、まだアカデミックもガバメントも弱いので

ゲストさん:大学発が弱いのは、大学はまだまだプロダクト・アウト思考が強い。

高階さん:米国の大学の教授が起業経験だったりするのがすごい

サイバーダインの山海先生などの例もあるが、まだ少ない。

スタートアップでも地政学的なリスク、等

そのほかに話題にあがったのが

・アメリカ・西欧と中国との緊張関係が高まっている

・中国でやるとアメリカ・西欧での展開での考慮が必要な場合もある

・アジアの国々に拠点を用意する場合、内乱・災害、等のリスクも考慮する必要がある

なお、中小企業基盤機構のVCファンドへの出資事業のデータは、こちらになります。


https://www.smrj.go.jp/supporter/fund_investment/index.html

毎週、日曜にClubhouseで話しています!

毎週、Clubhouseでお話しています!

スタートアップにご興味がある方、何か質問したい方、ぜひご参加ください!




よろしければ「スキ」「フォロー」お願いします!記事を書く原動力になります!