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TCLを終えて(1)

多摩美クリエイティブリーダーシッププログラム(TCL)を修了しました。
毎週土曜朝から1日かかりの授業はハードでしたが、非常に多くの学びがあった3ヶ月でした。

もともとデザイン思考には関心があり、IDEOのトム・ケリーやティムブラウンの本を読んでいたり、留学中にデザインスクールの友達を訪ねて話を聞いてみたりしていたのですが、やはり自分で手を動かして学ぶ体験がしたいと思ったのが受講の動機でした。仕事の上でもデジタルサービスを考える思考と実践において重要なポイントが学べたと思います。クリエイティブ・コンフィデンスを少し掴めた気がしました。

もう1つの受講の動機は講師陣の素晴らしさです。博報堂デザインの永井先生や、講師の深澤先生、中村勇吾先生など自分が学部時代に憧れていたブランディングやデザインの世界のトップランナーの話がこれだけまとめて聴けるというのは本当にない機会だし、様々な企業のCEOによる事業とその裏側にある考え方についても大いに学ぶところが多かったです。
Biotope佐宗さん、KESHIKIの石川さんを中心としたグループワークも自分の組織で持ち帰られるくらい具体的かつ意義のあるワークが多く、チームでも取り入れてみたいと思う内容が多くありました。

学びのハイライト

以下具体的にどんな学びがあったか印象に残っているものを中心に簡単に箇条書きで書き出してみました。1つ1つに関する深掘りは何回かに分けて行いたいと思います。3ヶ月で一気に詰め込んだことを咀嚼することでより自分の中に考え方をインストールしていきたいです。

個人起点での創造性

・自分を振り返り、本当に大切にしている価値に気づくことでそれを起点とした妄想が生まれ、ビジョンが生まれる。
・五感を通じて観察したものを絵に落とし、文字に落とすことで概念を具体化していく。
・日々の生活で人の行動の「跡」を観察し続けることで「違和感」を見出すことができる。
・選択に迷った時は自分が美しいと思った方(自分の美学に当てはまる方)を選ぶ。
・譲れない思い、信念、使命感を大事にする。
・自分の中の経験のドットを貯めていくことでそれがつながる瞬間が来る。

組織としての創造性

・チームとしてプロジェクトに入る際に最初に得意なことや苦手なことを開示するとともに、チームのルールを決めると、互いを尊重しながらプロジェクトを進められる。
・ビジョン、ミッション、バリューだけでなく、「○○っぽさ」やメンバーの共通の口癖などが、その組織のカルチャーを作っていく。
・同じビジョンを共有した、多様な経験を持つメンバーによるチームがサービスを実現する上で重要である。
・組織を擬人化しペルソナを設定することで、その人だったらどんな行動をとるのか、という視点でカルチャーやブランドイメージを設定していく。
・組織のビジョンとメンバーのビジョンが重ならなくても、それが交わる延長に、より大きなビジョンが生まれる事もある。
・組織の「パーパス」から「ビジョン」を描き、そのビジョンを実現する手段としての「ビーコンプロジェクト」を進めることで、実際の世の中にインパクトを与えていく。

デザインプロセス

・経済・文化・社会の観点から持続可能なビジネスを考える。
・「曖昧さ」を抱きしめ、問いと解決手段を行き来しながら答えに近づいていく。
・顕在化していない課題(インサイト)を発見することで本質的な問いを立てることが出来る。
・どんな人に対して、どんなサービスを通じて、どんな変化を与えるのかを問いとして立ててみる。(How Might We Question)
・問いが既成概念にチャレンジしているか、チームが本当に取り組みたいものか、真に社会に価値をもたらすものかを考える。
・問いを立てる際に広すぎず、狭すぎない問いを立てることにより、より本質に近い問いにたどり着ける。
・サービスコンセプトを考える際にワイルドカードを持ち込むことでより発想を飛ばすことが出来る。(例えばドラえもんだったらどのようにその問いを解決するか、など。)
・プロトタイプは何を試したいのかを明らかにし、それが確認できれば良い(Sacrificial Concept)。あくまで目的は検証にあるため、プロトタイプ自体には愛着を持たないようにすべき。
・ユーザーインタビューを通じて潜在的な課題を探る。また、エクストリームユーザー(極端に利用している、もしくは利用していないユーザー)にインタビューすることでサービスの本質を見出す。
・実際に作って当ててみることで問い自体が変わったり、そもそも提供したい社会価値やビジョン自体が見直されることもある。
・ストーリーを通じてユーザーの理解を深め、共感を呼び、インスパイア(啓発)する。
・つかむ、深める、揺さぶる、落とすのステップでストーリーを考える。

発想のヒント

・N=1での体験が、多くの人が共通に感じるような違和感の本質をつく事もある。
・「部分」の結合としての「全体」が新しい価値を生み出す。
・普通×普通=普通じゃない。
・なぜそのような社会課題があるのか、そもそものルーツを探ることで課題の本質を捉えやすくなることがある。

箇条書きにしてみると味気ないですが、1つ1つの文章の意味は授業を通じて身に染みた気がします。今日はこの辺で。



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