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"Talent Wins"と人材中心の経営戦略

年末はTalent winsという本を読んでいました。
どんな組織でも人材マネジメントが競争力を維持する上で非常に重要になっているにもかかわらず、そのマネジメントの仕方は多くの企業で根本的な進化が起きていません。

本書ではFinancial Capitalと同列にHuman Capitalを位置付け、人事部門をいわゆる福利厚生等のバックオフィスや勘や定性的な整理されていないデータに基づく行き当たりばったりの人事ではなく、戦略的な人材配置と育成による成長ドライバーとすることを主張しています。

その上でのポイントは以下の通りです。
・CEO,CFO, CHROの三者によるG3のもとで事業における経営戦略、財務、人材を一体で運用すること。
・トップ2%の人材配置をトップがコミットしてマネジメントすること。彼らは1人で他の職員の何十倍ものパフォーマンスを出す可能性があり、適切なポジションに配置し、報酬もこれに連動した体系に変更し、パフォーマンスを発揮しやすい環境を作ること。
・デジタルアナリティクスツールを利用し、人材の能力を継続的に可視化するとともに、これに合わせたトレーニングプログラムを提供することで、評価よりも能力強化に軸を置くこと。
・従業員が自律的に裁量をもって働ける環境を整備し、意思決定の階層構造を減らすこと。
などです。

企業のCEOをターゲットとした本ですが、その内容は組織変革を図りたいと思っている人は皆学ぶべきポイントだと思います。
いわゆる福利厚生などのバックオフィス業務や従業員のスキル管理はSaaSの普及により、よりコストをかけずに実現可能になっています。財務面ではROIが議論される一方で人材マネジメントでこの議論がこれまで起きなかったのは、スキルやパフォーマンスを定量化することが出来なかったからです。
これらを定量化、可視化することで、本当に組織のパフォーマンスに貢献しているのは誰なのか、どのようなスキルの人材が不足しているのかといったことを把握し、トップが自らスカウトマンの役割を果たしていくことが重要です。

これは企業に限らず、行政においてもまったく同じで、それを実現することがこれからの行政をアップデート可能かにも大きく関わると思います。

さまざまな企業の人材政策の事例も盛り込まれておりおすすめなので、ご関心の方はぜひ一読を。


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