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行動経済学が教えるデートで割り勘がNGなワケ:「予想どおりに不合理」から

"デートの相手は、この食事のためにあなたがいくら費やしているか気づかないかもしれない。(中略)
だがこれは、人間関係を特別な領域に維持して、市場規範から遠ざけておくために支払わなければならない金額なのだ。"

こんにちは、こんばんは。
「エストニアからの手紙」執筆者の神長広樹です。

これまではエストニアの団地からコミュニティへとスキップしてまいりました。
さて、今回は好奇心の記録指針(ログポース)「人間とはどう行動する生き物なのか」に舵を取り、行動経済学の有名本「予想どおりに不合理」を一緒に見ていきたいと思います。
500ページもある超大作の本なのですが、各章が比較的独立していることから、この度は「第4章 社会規範のコスト」を取り上げます。

ざっくり言いますと、デートについて
特に、1年で1回はタイムラインにあがる「デートと割り勘」についてこの本から「なるほど!」と感心したこと、自分の数少ない思い出の中でキラリと光る「女性にご馳走しようとした時に言われたこと」を綴ります。

社会規範と市場規範

読み進めていく前に自分の意見を表明しないのは卑怯な気がするので一句。

「1000円だけ!」 あなたの誇り 意味不明 (字あまり)

自分は男なので、俗にこの余計な一言を言う側に当たるのですが、超絶ダサいと思っているので言ったことはございやせん。

とはいっても、男性が一方的に負担すべきとも思いません。
いや、、、思いたくな。。。い
これについては後ほど。

「予想どおりに不合理」によると私たちはふたつの異なる世界ー"社会規範が優勢な世界と、市場規範が規則をつくる世界"ーに生きています。

社会規範とは信頼やお願い事、常識や暗黙のルールといった「社会を円滑にする規範」のことで、市場規範とは貸し借り、利益といった「シビアで現金な規範」のことを指すようです。

これらは別々の仕組みで動いています。
大まかにいってしまえば、やり取りするのが「心か、お金か」と捉えることができるでしょう。

例えば、同じ作業をするにしても「いつもお世話になっている同僚の〇〇さんに頼まれたから」なのか「知らない相手だけど、お金を支払われたので対応した」でまったく動機が異なります。

これを「いつもお世話になっている同僚の〇〇さんから××してくれと頼まれたので、人件費として△△円要求した」としたら、おそらくその同僚はもう2度と口を聞いてくれないことは予想着きますね。

これと似たようなことを割り勘男はやっちまっているわけです。

(女性が)どう思うかはわかりませんが、もしかしたら
(男性が)全額負担時は「特別な関係」に留まっていたものが、

「1000円だけ!」と口走った瞬間

「こいつは1000円」と値踏みされているのかもしれません。。。

プレゼントという中間

この投稿の冒頭で「(デートの代金は)"人間関係を特別な領域に維持して、市場規範から遠ざけておくために支払わなければならない金額"」という引用を紹介しました。

とはいえ、「毎度おーきに全額負担」は健全な関係とは言えないでしょう。

そこで登場するのがプレゼントです。
「予想どおりに不合理」によるとプレゼントはちょうど社会規範と市場規範の中間に位置するようです。
割り勘を提案したとしても、プレゼントと一緒ならば、社会的交流の範囲に留まれるという人類の知恵ですね。

ここで少し立ち止まって周りを見渡してみると、親しい同士ほど、例えば袋に入ったお年玉、バレンタイン/ホワイトデー、ひな祭り/端午の節句、母の日/父の日、お中元/お歳暮、敬老の日、クリスマスと年中プレゼント交換を行っています。

なんと素敵ではありませんか!

もちろん、それら全てを行おうとするとお金はかかります。
ですが、仮に市場規範で社会規範が賄えるのだとしたら、

ぼくはそれを「正しいお金の使い方」と呼ぶんだ、こう思うのです。

ちなみにプレゼント時に金額を伝えると全てがおじゃんになるそうです。

年上女性に教わった「付き合うということ」

当時ぼくは20歳で、3つ上の留学生とお付き合いをしていました。

1回目のデート時に費用を負担し、2回目もそうしようとしました。

その時「今回は私が払うわ」と言ってくれました。
ぼくは「男として負担するのがかっこいい」とうぬぼれていたので食い下がります。

そしたら怒られました。

「いーい?
私はあなたが奢ってくれるから付き合っているんじゃないの。
スキだから付き合っているの。
こんなふうに毎度あなたが支払っていたらお金の尽きが関係の尽きになってしまうじゃない!

前回はあなたが払った。
今回は私が払う。

だから、あなたは私を次のデートに誘う。

これが付き合うってことでしょ?」

この言葉はぼくの永久指針(エターナルポース)です。

「ありがとう」

おわりに

この「予想どおりに不合理」。実は1章、2章の相対性やアンカーの話の方が秀逸で有名です。ですが、あまりにも完成されすぎておりぼくの文章力ではまとめようにも「ただの丸パクリ」になってしまう恐れがあったので控えました。著者が繰り広げる設問にどんどんと間違った方の回答をしてしまい、ばっさばっさ切られていくような感覚は読んでいて痛快なので、ぜひ本を手に取っていただけたらなと思います。

コーヒーをご馳走してください! ありがとうございます!