ベスト8出揃う!2024甲子園ここまでの学び

 2024年の甲子園もベスト8が出揃い、いよいよ明日から準々決勝。一番面白い所に入ってきました。

東海大相模×関東一高
青森山田×滋賀学園
智弁学園×京都国際
神村学園×大社

 初めに断っておきますが、僕は同業なのでYouTubeとかXで目にするような”勝敗予想”的なことはしません。素人ではないですし、選手、指導者の方々に失礼なのでね。あくまで"勉強用”として観ていますし、そうような視点で考察、分析していますのであしからず。

それではいきます。
大きく5つ
➀ 左投手の勝ち上がりが多い&緩い球の使い方
② バント処理ミスの多さ
③ ゲッツーがとれない
④ 主審のストライクゾーンが今世紀始まって以来ちゃんとしている
⑤ 低反発バットとの向きあい方

➀ 左投手の勝ち上がりが多い&緩い球の使い方
 ベスト8中左腕が軸のチームが6チーム。これは例年にない結果です。そしてもれなく緩いボールを上手く使うんですよね。これは従来のバットのときから右左関係なく大事だ!と声を大にして言ってきました。最速を高める努力と合わせて、腕を振って遅いボールの練習をしろと。
 今日本の投手育成界隈は、海外の影響や球速アップに走る傾向でフオームもそれ使用になっています。右の大型投手は大体同じような身体の使い方をしてますよね。(関西のあの強い学校とか、関東中心にいらっしゃる急速上げの名人達とか)エイヤー!ってアバウトにまっすぐとスライダーをぶん投げる。アメリカ式。良いんですけど品がないと思うので個人的嗜好でいうとあまり好みじゃないです笑 でも全然良いです!全然良いんですけど、それを完全に理解していない高校生や指導者が見よう見まねで真似したりしてうまくいかないケースや怪我に繋がるケースも多くあるので注意が必要です。
 それで緩いボールがなぜ大事かっていうと2点あって、1つは正しい体重移動、スライドステップを覚えるから。結果ストレートが良くなる。これが出来ると最後まで打者を見ながら投げることが出来ます。いわゆる『よーいどん投げ』ではなく毎球微妙にタイミングを変えながら投げられるようになります。極端な話自由足が着いた時点で、打者のタイミングが合っていて『ヤバい』と思ったら少し遅らせるとか、外に外すとかです。今はこんな話現場でもあまり聞かなくなりましたが、かの江夏豊さんは途中でストレートの握りをカーブに変えたとか。それもテイクバックのときに、、、(実際に江夏さんと組んでいた方が言っていたので事実だと思います笑)
 2つ目が『打者のタイミングがずれること』ストレートに近い系の速い変化球だと球速帯の変化が小さいので同じタイミングで前で打たれることが出てきます。バットが止まらずに出ちゃっても拾えるんですよね。短いイニングなら良いのですが9回トータルで考えると、緩い球なしで完投するのはストレートが無双しているとかでない限り、難しいです。報徳学園が大社の投手にやられたのが正にこれで、初球の緩い変化球を見逃すんですよ。でそのあとのストレートに刺されるか、変化球続いてきたから仕方なく打って芯食うけど正面みたいな。
 これを右投手がやるだけでもスゴイことなのに左投手が出来たらそりゃ勝てます、って感じでしょうか。それにどこの左投手も四死球が少ないし、平均球速で135前後で右打者への逃げ球(チェンジアップorスクリュー系)を持っていますよね。ここから差が出るのはストレートの本質的なベース板での強さと、左対左のインコースに投げられるかでしょう。レベルn高い左打者(東海大相模の中村君とか金本君とか)は逆に左投手の方が打ちやすいってパターンもありますから。入ってくるボールがないと外踏み込むだけなので。まあポイントはこんなところでしょうか。左投手育ててください。※左投手のロマンについてはまた追って投稿します。

② バント守備
 これはねえ、、、指導者界隈ではよく話題に出ます。ただでさえバントが増えた今大会、無死1塁→はい、送りバント→投手or三塁手はい暴投、、、多すぎません?さらに言えば、バント封じのディフェンスを何でもっとやらないのでしょう?バスターの打球も前より弱くなったのだからやれば良いのに。簡単に送りバントさせてただアウト1個もらう守備。勿体ない。関東一高が明徳のバントを防いだ場面などが賞賛されていましたが、関東一高からしたらあんなの普通。関東の甲子園レベルのチーム相手だったら無死1.2塁の送りバントが決まらないのなんのって。だからヒッティングの構えからのバントや、バントエンドランを練習するし、2塁走者のリードの練習も相当念入りにやるんですよ。それが今大会は緩い。あれですかね?バントも打球が死にすぎて転がらないってやつですかね?わかりませんがそんな感じ?
※バント守備に関しても無死1塁~後日全部投稿しますね。極め出したらキリがないので。だから並のチームはそこに時間を割きたくないから、ミスで傷を広げなきゃ良いってなるのはわかります。アウト1個で良い、と。でも甲子園で勝つとか関東や近畿の学校数の多い県で、県大会ベスト4~8以上狙うぞって思ったら取り組まなければならない項目かなと思います。

③ ゲッツーがとれない
 これは、、、すいません。全二遊間の選手達に言ってるみたいで申し訳ないのですが、めちゃくちゃ感じます。とりわけ二塁手のピボットに改善点が多い&1塁へのボールが弱い。以上です。これ以上広がりません(笑)
 その子の努力やチームの練習方法、内野手を高いレベルで教えられるコーチがいないなどの問題はチームそれぞれだと思いますが、視点を変えて本当にその選手が適任か?問題もあるかもしれません。どのポジションで育てるのかって案外重要視されてないですが指導者のSkillというかsenseというか、めちゃくちゃ大事な技量だと思っていて、これもまた後日投稿しますが僕は結構サッカーの育成からヒントを得ています。

 思ったより長くなってしまったので続きは次回。

Hiroki Iijima



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