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意外と知らない絵本のコンテストについて

多くの方が絵本作家を夢見ている

絵本作家になるためには、具体的に、どのような道があるのでしょう。

出版社に持ち込む。個展を開き編集者に見に来てもらう。        

コンテストに応募する。と言うのが一般的かと思います。

持ち込みや、個展は僕も経験していますが、

そちらについては、下のリンクの えがしらみちこ さんの記事を

見ていただくと、分かりやすいかと思います。⇩

今回は、コンテストに応募する。

ということについて書いていこうと思います。

コンテストによる違い

はじめに10年ほど前の、絵本を描き始めたきっかけを少しだけ。

僕は、小さい頃から絵を描くことが好きでした。

結婚して、子供が生まれ、妻が子供に、毎日読み聞かせをしているのを

見ていた僕は、絵を描くことが好きだし、絵本って自分の絵で

勝負が出来る! なにより 子供を笑わせたい

という、単純な理由で 絵本を描き始めました。

そして、2017年に、第39回講談社絵本新人賞を受賞しました。

その作品がこちらの「いっぺんやってみたかってん」↓

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受賞の知らせを聞き、舞い上がった気持ちを持ちつつ授賞式へと向かうと、

ある選考委員の先生に、こう言っていただいた。

「10作出して初めて絵本作家だぞ。」

その言葉を聞き、そうだ、僕は 絵本作家になるのだ。と再確認しました。

絵本作家は、出し続けることが大切だと思い。

その後、これはまぐれなのか、再現性があるものなのかと、

他のコンテストにも応募してみた。

すると、

2018年には、第3回こころの絵本大賞を、

2019年に、第1回ビルボ絵本大賞と、続けて受賞しました。

実は、この応募した順番、出した作品にポイントがあったのではないかと

思っています。

僕が、本気で絵本作家になりたいと思った頃には、

インターネットがかなり発達していましたので、いろいろなことが

調べられるようになっていました。そうすると、絵本を出版したい。

絵本作家になりたいという方が、

たくさんいるのだ ということに驚きました。

どうしてそれが 分かったのかと言うと、数あるコンテストの

公表されていた応募人数を順番に見ていったからです。

一般的に登竜門とされる大きなコンテストから

始まったばかりのコンテストなど多くの方が絵本作家を夢見ています。

おそらくその中には、本気の方もいれば、お試しで出してみようという方も

いるでしょう。

ところが、どこに出すのが良いのだろうかと迷うのではないかと思います。

そこで、コンテストによる違いや、特徴を

よくある2つのパターンでお話しします。

コンテストによる特徴①

まず1つ目のパターンは、出版社が主催のコンテストです。

講談社絵本新人賞や、MOE創作絵本グランプリ、などがそうでしょうか。

まず、出版社が新人の発掘を目的としているということが、

とてつもなく大きなことです。

絵本作家にとって大切なのは、出し続けられるのか、

1冊 出版して終わりではなく、出版し続けられるのかが大切です。

そのために新人作家を2作目、3作目へと、ある意味 サポートしてもらえる

環境があります。(作家が必死に食らいついていくのは当然ですが)

ですから、本気で絵本作家を目指して コンテストに出すのであれば、

王道である、このパターンのコンテストが良いと思います。

ただ、応募する作品は王道から少し外れたものの方が

良いようにも思います。どういうことかと言いますと、

ある意味まとまりすぎていない、粗削りなものが選考で残っていくのでは

ないのでしょうか。(最低限の絵本のルールは踏まえてのことですが)

新人賞ということで、今までにない発想というところに注目が

行きやすいと思います。

どのコンテストも、ほとんど そうなのですが、

最終選考では、名前などを伏せて選考がされます。

よく、コネで選考されるのでは?と思われる方もいるかもしれませんが

(僕も、多少そう思っていましたが)

僕が普通の会社員であったことなどからしても間違いなく、

作品のみで選考されています。

当時僕は、講談社絵本新人賞しか見ていませんでした。

それは、先程の理由からです。

講談社絵本通信のリンク↓

ehon.kodansha.co.jp/award/


しかし、もうひとつ理由がありました。

それは、思っているより、みんなが応募しているわけではないと、

気がついたからです。

僕は、絵本作家に本気でなりたいと思った時に、ちゃんとした絵本の塾に

行こうと決めました。

それは、三重県の四日市市にある、子どもの本専門店メリーゴーランドの

絵本塾です。(絵本塾については、後日また書くつもりです。)

この多くの絵本作家を輩出していることで有名な絵本の塾に通い、

たくさんの才能にあふれる作家の卵たちと切磋琢磨していたわけですが、

なんと、講談社絵本新人賞に応募している方が少なかったんです。

どういうことかというと、もしかして実力が有るにもかかわらず、

応募すらしていない方が、たくさんいるのではないか

という事を考えました。

それに気がついたからこそ、今しかないという思いで応募しました。

応募する時点で、自信がある2作品のうち、

先程の「いっぺんやってみたかってん」に決めました。

決めた理由は、奇抜である事と、選考委員の先生の好みを意識してでした。

そして、その選考委員の先生に届け!という気持ちで絵を描きました。

(この気持ちが、とっても大切だと思っています。)

この、だれに選考してもらえるのかという観点から

コンテストを選んでみるのも面白いと思います。

実は、絵本を描き始めたばかりの頃と、受賞の前年の2度

応募していたのですが、1次選考で落ちていました。

1次選考、2次選考、最終選考と進んでいった時は

その通知が手紙で来るたびに、とても興奮したのを覚えています。

ちなみに、講談社絵本新人賞は、アマチュアを対象にしたコンテストです。

商業出版をした方は、応募することが出来ません。

他のコンテストで、商業出版された経験があると応募が出来ません。

(自費出版の方は大丈夫だったかと思います。)

だからこそ、コンテストは、ここからと思っていました。

MOE創作絵本グランプリは、プロの方でも応募出来たかとは思います。

(詳細はご確認ください)


コンテストによる違い②

2つ目のパターンは、一般企業などが主催するコンテストです。

この中に先程の、こころの絵本大賞も、ビルボ絵本大賞も

含まれるかと思いますが、

よく見ると違います。

まず、こころの絵本大賞は、仏教伝道協会さんが主催です。

こちら↓が、こころの絵本大賞へのリンクです

www.bdk.or.jp/kokoronoehon/


出版されたものも一般の書店では流通していません。

お寺などで檀家さんに配る冊子として、この絵本が使われています。

そしていくつかの、お題があります。

なぜ、2番目にこのコンテストを選んだのかと言うと、

調べていただくとわかりますが、

まず編集として出版社が関わっていたからです。(すずき出版)

少しでも、出版社との繋がりが欲しかったのです。

そして、選考委員の先生方が魅力的であったこと、

まだ3回目の開催だったこと、今までの傾向を見て

自分が抱えていた、作品の中から合いそうなものがあったことなどでした。

コンテストではよく、お題があるものが有ります。

このコンテストも、いくつかのテーマの中から選んで応募するものですが、

お題が有って作品を作るより、作品をたくさん作っておき、

そこから合いそうなものをチョイスした方が良いのではと思います。

お題と多少ズレているかなと思っても、カスっていれば良いのです。

このような種類のコンテストは、おそらくお題を意識しすぎて強引に

作ってしまうのが良くないのではと思います。

やはり、自分の中に有るものの中で作った作品を、お題に強引に

当て込む方が良いと思います。(しかし、全くズレているのは失礼です。)

また、このコンテストは、著作権を主催者に譲渡することになっています。

この、著作権が自分にあるのか、譲渡するものなのかはコンテストによって

違いますので、よく確認してから応募してもらいたいと思います。


その次に応募したのが、こちら↓ ビルボ絵本大賞

このコンテストを選んだ理由は、

第1回であるということ、選考委員の先生が魅力的であること、

一般書店に流通すること、破格の賞金でした。

そしてなにより、お題に沿っている作品があったということです。

それを練り直し、応募しました。

このコンテストの主催は、(株)ビルボという高知県にある会社です。

そして、編集、印刷ともに高知県の会社が行っています。

コンテストを開催するのは、とても力が必要となってきます。

(株)ビルボさんも、とにかく10回までは続けられるようにしたいと

おっしゃっていました。

そして、このコンテストの授賞式では選考委員の先生に、

このようなことを言っていただきました。

「あなたは、運が良い。」

この賞の知らせを頂いたころ、僕も同じようなことを思っていました。

この運が良いというのは、どういうことかと言うと、

巡り合わせが良いという事です。

コンテストとの巡り合わせ、選考委員の先生との巡り合わせ、

他の応募者との巡り合わせにより、たまたま巡ってきたのです。

コンテストは、誰か一人に決めなければなりません。

(大賞作品が無いという時もありますが)

だからこそ、ずば抜けて良い作品以外は、

巡り合わせも大切かもしれません。そう思います。

それが、コンテストの良いところでも有るし、残酷なところでも有ります。


まとめ

絵本を出版したいと思っている方は、たくさんいると思います。

しかし、絵本を出版することと、絵本作家になることは

違うのではないかと思います。

とにかく絵本を1冊だけでも良いから出版したいのか、

プロの絵本作家になりたいのか、

絵本作家は、出し続ける必要もあります。

では、コンテストに応募する場合、どのコンテストが良いのか、

どんな順番が良いのか、作品のストックは有るのか。

そんなことを考えながら戦略を練ってみるのも必要かもしれません。

そして、思いきって応募しちゃいましょう。


ちなみに、僕がとても勉強になった

絵本作家 風木一人さんのサイトがこちら↓

最後まで見ていただき、ありがとうございました。













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