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新卒エンジニアにお勧めしたい書籍7選

 10月に入って、プログラミング研修と私が考えたPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)を終えて、うちのチームにも新入社員が2名配属されました。

 会社の評価はMBOで行われますが、チーム独自でOKRを実施しており、先週彼らにも自身でOKRを設定してもらいました。

 彼らのKRのひとつに「月1冊以上技術書を読む」というものがあり、そこで自分の今まで読んできた本の中から、おすすめの書籍を洗い出し、伝えることにしました。

 今日はその書籍を皆さんにも共有しようと思います。

私の考え方として、技術の習得の前に人間としての成長、まずは知識を吸収できるような土台を築くことが大切だと考えています。

 そのため、社会人としての在り方をやスポンジのように吸収できる準備を先に身に着けさえすればあとは自分で技術のキャッチアップはできると考えています。そのため、まずは”社会人としての在り方”にフォーカスしています。

1. 7つの習慣

 まずは、社会人としてWin-Winの考え方であったり、誰のために、何のために仕事をしているのか、社会人としての心構えを学んでほしいという観点で不動の存在と感じています。

 私自身も20代でこの本を手にしたときは半信半疑で「どうせ、臭い自己啓発の類だろ」と思っていましたが読み終えたころには1つ1つの仕事への向き合い方が変わりました。

2. あたりまえを疑え。-自己実現できる働き方のヒント

 澤円さんの書籍で、この書籍に出会ったのは20代後半でした。サクッと読めて、わかりやすい表現であり、これは新人の頃に出会えたらいかに良かったか・・・。と思ったものです。

 内容としてはタイトルの通り、会社や世の中で当たり前になっていることに対して疑問をもって考える癖をつけられるような本です。

 新入社員の頃はフラットで新鮮な目で組織や仕事を見ることができます。年数がたてばたつほど、その眼は曇りがちになり、いつしか「そういうものだから」と言ってしまう人もたくさんいます。

 そうならないために、新人だからこそ、当たり前を疑って問題提起できるようになってほしいという願いを込めて渡す本です。

3. 技術者のためのテクニカルライティング入門講座

 新入社員の頃は、打ち合わせに参加しても「何を言っているのかわからない」「何がわからないのかわからない」ということが多いです。

 そのため、私はまずは議事録をまとめてもらうことやテスト、マニュアル作成など、全体像を把握していないとうまく表現できないようなタスクをお願いすることが多いです。

 これは本人たちの理解度をドキュメントというアウトプットで表現するため、添削がしやすく、お互いに理解度を把握しやすいためです。

 またエンジニアとして大切な「伝える力」を養うことにもなるため、おすすめです。そんなフェーズにおいて本書籍を参考書代わりに手に取ってもらうことをお勧めしています。

4.SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発

 次にチームで働く上でチームになじんでもらう必要があります。同じゲームをプレイするうえでゲームのルールを把握してもらうイメージでしょうか。特にスクラムを理解するうえで研修を行って大枠は手取り足取り進めていきますが、そのあとに復習としてこの本を読んでもらいます

 ポイントは何と言ってもイラストが豊富かつ、ストーリーが明確で初めてでも理解しやすいことです。スクラムの書籍はかなりの数読んできましたが、入門書としてこれ以上のものはまだ見当たらないですね。

5. スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

 ドキュメントとしての伝え方の次は、プレゼンテーションにおける伝え方です。

 新人のうちはプレゼンの練習をよくしてもらいます。新しい技術に関するLT(ライトニングトークス)であったり、勉強会の開催であったり。

 その中で特に意識してもらうのはペルソナです。

相手が自分よりも詳しいエンジニアなのか、同期なのか、技術者ではない人なのか。その対象によって同じ中身でも伝え方を工夫しなくてはなりません。

 そのうえで共通して意識するべきプレゼンのコツやどのような準備が必要か。その教科書と呼べるのがこの本です。

6. リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック

 いわずと知れたエンジニアのバイブルです。

学生の頃からコードを書いていたり、趣味で開発をしている時とチーム開発の大きな違いは、共同で作り上げることです。

そのため、自分だけが理解できるコードやとりあえず動けばよいというものでは品質に大きな課題があります。

 特に保守性の観点は社会人になるまでなかなか触れることがありません。そのため、エンジニアとしてのキャリアを歩んでいくうえで、読みやすいコードを書くことは必須の命題です。そのため、この書籍は避けて通ることはできないでしょう。

7. エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド

 そして最後に。私自身が先日読んで新たに加えたのがこの本。

会社においてキャリアパスはいままではめねー地面とラインにのみフォーカスが当てられてきました。しかし、ここ数年はそれ自体が見直されキャリアにおいても多様性が尊重されてきています。

 CEO、CTO、VPoEといった組織経営にかかわる仕事、各種マネージメントライン、技術を極めるTech Lead、Product ManagerやProduct Ownerといったプロダクトにコミットする仕事、Scrum Masterのようなチームの成長に導く仕事などその選択肢はさまざまでありながら、新人のうちはそれすら知りません。

 そんな新人のうちから自分のキャリアを意識して日々活動していくことはとても重要です。

 これは、早いうちからキャリアを決めろということではありません。むしろ、いろんな選択肢を知って大いに悩んでほしい。大いに考えてほしい。

 それが30代になって直近に迫ってからでは決断を焦って失敗してしまいます。そのため、早いうちから選択肢を知って意識しながらいろいろ試してもらいたいと思います。

 そんな多くのキャリアを網羅した書籍が今までありそうでなかったように感じます。そんな課題を解決してくれたのがこの一冊でした。

番外編

この他にも特定言語にかかわる技術書やファシリテーションの本、おすすめの漫画などはこちらにまとめて貼っておきます。

最後に

そもそも、書籍を読むことが得意な人、苦手な人、多くいると思います。ただ、書籍は時代や国を超えて知識を得られる宝の山です。

 Webの記事やYoutubeでは得られないような過去の偉人たちの経験が体験できます。

 そのため、本を読む習慣をつけてもらうことが実は一番の目的だったりします。なので、無理は禁物です。自分のペースで無理なく本を読むためには、人生を変えるような一冊に出会うことが大切です。それがモチベーションになります。

 そんなモチベーションになるような一冊と出会ってもらうために、私が出会った良書をお勧めしていくことが何かの役に立てたらと思います。

 決して無理強いは禁物ですが・・・!

主にPjM、PO、セールスエンジニア、AWS ソリューションアーキテクトなどを務める。「映像業界の働き方を変える」をモットーにエンジニア組織を超えたスクラムの導入、実践に奔走。DevLOVEなど各種コミュニティーにおいてチームビルディングやワークショップのファシリテーションを行う