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企業訪問でお越しの生徒さんからの質問:「トップダウンではなく、現場からの意見をもっと取り入れた方がよいのでは?」の答えについて

企業訪問でお越しの生徒さんからご質問を頂きました。

「トロピカル王国物語やホテル事業など、トップダウンで行っているようですが、
現場からの意見をもっと取り入れた方が良いのではないでしょうか?」

どうやら「トップダウン」について、良くない印象をお持ちのようです。

私は、こう答えました。

「私は、トップダウンもボトムアップも『手段』だと考えています。
それ単体の良し悪しはなく、
場面に合わせ、臨機応変に使い分ける事を大切にしてます。」

次に、そう考える様になった理由を説明しました。

幼い頃からファミリービジネスの中で育った私は、
インフレとデフレの両方を経験しております。

バブル時代と呼ばれた「インフレ期」、私は中高生でした。
多くの団体客がご来店し、朝早くから夜遅くまで大忙しでした。
私も家族も総出でした。

この時期は、多くのお客様を受け入れて捌く為の
「受け手」の組織づくりが重要でした。
効率を上げる為、多くの現場スタッフの意見を取り入れておりました。
つまり「ボトムアップ」が主流でした。

しかし、その後「デフレ期」を迎えました。
集客や売上は、どんどん厳しくなっていきます。

これまでの「受け」の組織から「攻め」の組織に変化しなくてはいけません。

さて、皆が初めて経験するデフレ、
どう変化すればよいか明確な答えはありません。

ちなみにその頃、私は銀行にいたのですが、
下記の現象が見られました。

『初めて経験するデフレ下、
多くの企業は、何をしたら良いのか分からず、
トップからは、売り上げを上げる為、
何かをしなさいという抽象的な命令が飛び交う。

部下はとりあえず何かをやる・・・、
失敗し、怒られる。』

今でこそオンリーワンやブルーオーシャンなどのキーワードがありますが、
その当時、みんなが手探りでした。

さて、私の考えも少しづつまとまり、こう考える様になりました。
「競争に巻き込まれない為、
ここにしかなくて、真似されにくいもの、
できる限り勝負しなくてもよいものを創ろう。」

それは必然的に「尖ったもの」になっていきます。

この様な環境から生まれてきたのが、
トロピカル王国物語やリエッタ中山や街づくり計画でした。

これらの前例が無いものを始める為には、まさに「トップダウン」が重要でした。

次に、計画を具体化する為には、
多くの方々の力を借りなければなりません。

専門的な知見から子供達まで様々な意見を取り入れ造り上げていきます。
つまり、「ボトムアップ」です。

トップダウンやボトムアップについて、
インフレ期とデフレ期の2つの異なる市場の経験から、
それ自体の良し悪しではなく、その使い方が重要だと学びました。
今後も、臨機応変に対応していきます。

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