見出し画像

AAPM MEDICAL PHYSICS PRACTICE GUIDELINE 5.b: Commissioning and QA of treatment planning dose calculations—Megavoltage photon and electron beams を読んで

URL

https://doi.org/10.1002/acm2.13641

読んでみたきっかけ

私の勤めている病院でリニアックの更新が本格的に始まると上司から聞いています。その前に、具体的な最新のガイドラインでコミッショニング要件を考えておかないとやばい、と思ったから読んでみました。

読んだ後の感想

業務に直結した内容だったので「興味があって読む」のとは違い、一語一句(言い過ぎか?)丁寧に読むと結構しんどいなと思いました。

論文の要旨

治療計画システム(TPS)は、外部ビーム放射線療法のキーコンポーネントで、最適な線量分布を提供します。その精度が治療の成功に重要で、システムの適切なモデリングと検証が求められます。これらの実践ガイドラインは、TPSの適切な設定と使用を支援します。

現場でやっている医学物理士の感想

「本報告書の具体的な目標は、以下の通りである:
1.確立されたコミッショニングの構成要素について、既存のAAPM報告書および査読付き論文の該当部分を明確に特定し、参照する。
2.以前の報告書の発行以降に登場した技術について、最新のガイドラインを提供する。
3.線量の正確性と恒常性の検証試験に関するガイダンスを提供する(オプションとして、ダウンロード可能なデータセット/輪郭とビームパラメータを提供する)。
4.臨床応用のための許容値や評価基準に関するガイダンスを提供する。
5.コミッショニングプロセスおよび関連文書のためのチェックリストを提供する。」

1 INTRODUCTION、目標

最近のガイダンスで述べられている項目が気になります。

「一方、適切で正確な入力データを使用しても、TPSが線量をうまくモデル化できない場合もある7, 8。本MPPGにおける許容値と評価基準は、いくつかの要因の間の妥協点である:」

1 INTRODUCTION、公差値および評価基準

これをどこまで追求するか。やりすぎても時間ばかりかかるし、やらないのもどーかなって思うし。
ここでの1から3の項目は、ガイドラインの著者たちが経験した知恵が入っているんでしょう。

「しかし、本 MPPG の IMRT 検証試験の多くには広く受け入れられている最小許容値がないことから、これらの評価 基準を強制的あるいは規制的な許容値として解釈してはならない。むしろ、さらなる調査、改善の可能性、および解決のためのポイントとして定義される値である。」

1 INTRODUCTION、公差値および評価基準

ギリギリで満足するな、上を目指せ、ということですね。

「QMP (Qualified medical physicist, 医学物理士有資格者)  は、選択したアルゴリズムについて明確に理解していなければならない。また、QMP は、コミッショニングの測定に関するベンダーのガイダンス文書を検討し、理解しなければならない。このガイダンス文書には、測定がモデルパラメータにどのように関連し、結果として生じる線量 分布にどのような影響を与えるかを含む。」

2 STAFF QUALIFICATIONS AND RESPONSIBILITIES

どういう原理で線量計算するのか、それがある程度理解できれば精度の限界も想像がつくでしょう。(たぶん)

「QMPは、データを取得し、線量アルゴリズムをモデル化して検証するためのスケジュールを策定する必要がある。」

2 STAFF QUALIFICATIONS AND RESPONSIBILITIES

スケジュール策定、これをやらないといけないですね。

「2光子エネルギー及び5電子エネルギーでは6-8週間である」

2 STAFF QUALIFICATIONS AND RESPONSIBILITIES

「放射線治療装置導入に関するコミッショニング必要期間について」(平成 20 年4月 放射線治療品質管理機構)によると合計8 週~12 週。これに、高精度治療+電子線のコミッショニングを合わせると、、、わからないなぁ

「本報告書の検証テストの完了には、4光子と5電子のエネルギーを持つ1台の装置とアルゴリズム12で約80時間かかると報告されており、このタスクグループの経験とも一致する。このプロセスは急ぐべきでない。将来の数多くの治療がTPSの精度に依存することになる。」

2 STAFF QUALIFICATIONS AND RESPONSIBILITIES

時間が与えられればいいんですけど。理解してもらえるように途中経過を報告しつつ、努力するしかないかな。今使っているリニアックよりも大幅な機能を有すから、それのコミッショニングはわからないなぁ。経験豊富なメーカーさんにも聞いてみよう。

「本報告書の著者は、時間や利便性を理由に必要なデータセットを削減することを強く推奨する。」

3 DATA ACQUISITION AND PROCESSING

なんか日本だと「楽ばっかりすんな!」と怒られるイメージがあるんですけど、合理的に進めることが必要なんですね。

「表1は、様々な条件下でデータを取得するために使用するのに適切な検出器の一部をまとめたものである。すべての検出器が必要なわけではなく、各作業に適切な検出器が特定されていることが前提です。」

3 DATA ACQUISITION AND PROCESSING、Equipment

大型イオンチャンバーはどうなんでしょうか?あればいいんですけど、予算がねぇ。

「タスクグループ(TG)106は、これらのトピックの優れた要約を提供しており、追加の詳細については参照する必要があります。」

3 DATA ACQUISITION AND PROCESSING、Equipment

TG106は日本語でも訳されているので、一回は読んだけどまた参考にさせて頂きます。

「TPSベンダーが指定していない場合でも、QMPは線量計算と比較するために、2×2cm2以下のフィールドサイズまで小容量検出器で深さ方向の線量(PDD)を測定する必要がある。」「ビームモデリングや検証のために、Small field出力因子(2×2cm2以下)を測定する必要がある」

3 DATA ACQUISITION AND PROCESSING、Data acquisition for IMRT/VMAT delivery

2×2cm2以下まで測る必要があるのですね。

「取得したデータは、TPS にデータをインポートする前に、セットアップや測定に誤りがないかどうかを確認する必要がある。」

3 DATA ACQUISITION AND PROCESSING、Review of data

失敗することも想定して測定を行う必要があるので、常にグラフで確認する癖をつけてないと時間のロスになるかもしれないですね。

「多数の加速器タイプの平均値と範囲については、文献5, 33-35 で入手可能であり、モデリングに最大の課題をもたらすパラメータを評価することができる」

3 DATA ACQUISITION AND PROCESSING、Review of data

メーカーさんの持っているデータ、本レポートで参考文献に挙げられているデータを評価に使いたいですね。

「データが計画システムに入力された後、潜在的な処理エラー(例:インポート時の問題、スムージング、ミラーリング)がないか再評価する必要があります。」

3 DATA ACQUISITION AND PROCESSING、Review of data

今のところ、「TPSにインポートしたデータをグラフとか複数人で眺める」、とかが考えられるかな。

「しかし、検証プロセスは依然として必要であり、ベンダーはQMP測定値と比較するための参照データを提供する必要がある。」

4 MODEL WITHIN TPS SOFTWARE

メーカーさんにお願いしよう。

「QMPはトレードオフを理解しなければならない。」

4 MODEL WITHIN TPS SOFTWARE

例えば、「照射野5x5cm^2はあってるけど15×15cm^2はいまいちで、変更できるパラメータは1つのみ。どちらを取りますか?」、的な感じでしょうか?

「TomoTherapy®、ViewRay®、Radixact®、Unity®、Halcyon®などの特定のシステムのV10endorsは、ユーザーに設定済みのTPSを提供し、物理学者がモデルパラメータを変更する手段を提供しない場合があります。」

4 MODEL WITHIN TPS SOFTWARE

「ゴールデンデータにマシンを合わせる」というやつですね。どこの施設でも同じ治療ができるのは、合理的で安心すね。技術の向上があるからそれらのことができるんでしょうね。

「このような基本的な測定値と計算値のポイントごとの分析は冗長に感じるかもしれないが、ビームモデルの品質を検証する上で不可欠な部分である。さらに、このような単純な評価は、実際にIROCが訪問した施設の大部分でエラーを明らかにしている」

5 PHOTON BEAMS: BASIC DOSE ALGORITHM VALIDATION、Validation tests

確か7年前にコミッショニングを行ったときこんな感じの試験を行いました(マニュアルに載ってた)。その時「これ、やってもいいけど意味あるんかな?」と思ったことがあるけど、IROC訪問でエラーがあったんですね。

表4.TPSモデリングチェックと公差

5 PHOTON BEAMS: BASIC DOSE ALGORITHM VALIDATION、Validation tests

5.1 から5.3は、メーカーさんにも聞いてみよう。

「最後に、テスト5.9は非物理的なウェッジを検証するもので、アレイ検出器による測定が最も簡単であると思われます。」

5 PHOTON BEAMS: BASIC DOSE ALGORITHM VALIDATION、Validation tests

アレイ検出器(MapCHECKとか)を使おう。

表5.基本的な光子ビーム検証のチェック。

5 PHOTON BEAMS: BASIC DOSE ALGORITHM VALIDATION、Validation tests

5.4 から5.9は、メーカーさんにも聞いてみよう。IAEA TRS 430も読まないといけないですね。

「ユーザーは、モデル化された結果と測定された結果との間の可能な限り最高の一致を常に目指すべきである。QMPは、ビルドアップ領域、斜め入射、ペナンブラなどの測定条件における線量計算アルゴリズムの限界を理解する必要がある。」

5 PHOTON BEAMS: BASIC DOSE ALGORITHM VALIDATION、Recommendations

はい、善処します。

「不均一性補正のコミッショニングは、ビーム自体の正確なコミッショニングと患者データの正確な特性評価が必要です。不均質な媒体(例えば胸郭)における線量計算には、畳み込み/重ね合わせ(C/S)、コラプテッドコーン(CC)、グリッドベースのボルツマン輸送方程式ソルバー(GBBS)、モンテカルロ(MC)などの最新かつ高度なアルゴリズムが必要で、ペンシルビーム(PB)および補正ベースのアルゴリズムは受け入れがたい。」

6 PHOTON BEAMS: HETEROGENEITY CORRECTION VALIDATION

PB ≪ CC < GBBS ≒ MC ということですね。ペンシルビームはもはや不均質補正アルゴリズムに入っていないんですね。

「計算された線量を評価する際には、(1)低密度組織内、(2)不均一な組織の界面付近、(3)低/高密度組織を超えて、注意を払う必要がある。」

6 PHOTON BEAMS: HETEROGENEITY CORRECTION VALIDATION

例、(1) 肺野内、(2) 肺野と実質の境界、(3) チタンメッシュ? という感じなのかな。TG-85とIAEA TRS 430を参考にしよう。

「しかし、この阻止能に基づく変換は、ほとんどの場合、従来のTPS線量との線量測定上の一致度を低下させることが判明しており49、50、「媒体への線量」の推奨に繋がっている49、QMPはどの線量が報告されているかを認識していなければならず、この話題に関する指針はTG-329から入手できる」

6 PHOTON BEAMS: HETEROGENEITY CORRECTION VALIDATION

以前Noteで記事にしたAAPM Task Group 329ですね。GBBSとMCのアルゴリズムは他のものに比べて正確ということですよね。

「適応線量計算が臨床ワークフローの一部である場合には、オンボードイメージャーも含まれる。」

6 PHOTON BEAMS: HETEROGENEITY CORRECTION VALIDATION、Validation tests

Adaptive Radiotherapy(ART)は今はやらないと思いますが、5年後、10年後はやるかもしれないですね。

「妥当なスラブファントムの設定は、Carrasco et al.肺等価材料は、均質なファントムと比較して10%以上の線量補正をもたらすのに十分な厚みがあれば、低密度木材(約0.3g/cm3)のような低密度・低Z材料の任意のタイプを使用することが可能である。」

6 PHOTON BEAMS: HETEROGENEITY CORRECTION VALIDATION、Validation tests

10年以上前の肺等価板ファントムはあったと思いますが。

「他の不均一性の近傍における線量計算の限界についてより良く理解するために、採用されている アルゴリズムの精度を問うために、QMPが適切と考える更なる試験を使用すべきである。これには、骨等価密度のスラブや金属インプラントなど、QMPがアクセスできる高密度の物質が存在する場合の測定が含まれるかもしれない」

6 PHOTON BEAMS: HETEROGENEITY CORRECTION VALIDATION、Validation tests

不均質物質の線量評価は興味がありますね。今の最新の機種でどの程度の誤差があるか、その原因は考察できるように準備したいと思います。

低密度の不均一性が中心軸線量に与える影響は、肺に相当する材料を超えて推奨される 3%の線量一致率で定量的に検証されるべきである(試験 6.2)

6 PHOTON BEAMS: HETEROGENEITY CORRECTION VALIDATION、Recommendations

水等価/(骨等価)/水等価/肺等価+線量計/水等価/、みたいなジオメトリで測定し、TPSの計算値と測定値の差がが3%未満になるかどうか、ですかね。

「IROC Houston53による現在のIMRTファントム合格率によると、エンド・トゥ・エンドの擬人化頭頸部ファントム試験で、線量比とDTA(Distance-to-Agreement)の基準をそれぞれ7%と4mmに甘く設定して合格した機関は90%しかなかった。」

7 PHOTON BEAMS: IMRT/VMAT DOSE VALIDATION

これは衝撃でしたね。決められた手順を踏む、気を引き締める、ということを肝に銘じてコミッショニングを行いたいと思います。

「バリデーション中に系統的差異を見逃さないようにすることが重要である。」

7 PHOTON BEAMS: IMRT/VMAT DOSE VALIDATION

疲れてくると見たつもりがミスをスルーしてしまうこともあるので、複数人でチェックを行う体制を作らないといけないかなと、今のところは思います。

「検証のために使用される装置は、理想的には、モデルの調整に使用される装置とは独立したものであるべきである。」

7 PHOTON BEAMS: IMRT/VMAT DOSE VALIDATION

うちの病院は予算がないから、同じ装置(二次元検出器)になるかもしれない。フィルムは初めの方は使うと思いますが、ある程度軌道に乗ったら、二次元検出器のみになるかもです。

「最も頻度の高いエネルギー(多くの場合6MV)で初期試験計画を作成したら、該当する場合は残りのエネルギーについて計画を再計算することができる。」

7 PHOTON BEAMS: IMRT/VMAT DOSE VALIDATION、Validation tests

なるほど、コピペしてからエネルギーだけ変更するんですね。

表8.VMAT/IMRTのチェック項目。

7 PHOTON BEAMS: IMRT/VMAT DOSE VALIDATION、Validation tests

具体的に記述されていますね。助かります。

「例えば、複数の計画システムプラットフォームにおける多くのTPSパラメータのコミュニティコンセンサスは、最近IROCによって編集された。」

7 PHOTON BEAMS: IMRT/VMAT DOSE VALIDATION、Validation tests

本ガイドラインの参考文献67(DOI: 10.1002/mp.13892)を参考にさせて頂きます。

「データ取得のセクションで述べたように、TPSはビームモデリングに小フィールドの深さ方向の線量を必要としない場合があります。この検証は、外挿されたデータが変調磁場での計画や線量計算に効果的に使用されることになるため、重要である。これは、TPSの限界を理解するのに役立つ。」

7 PHOTON BEAMS: IMRT/VMAT DOSE VALIDATION、Validation tests

そーなんですね。参考になります。

「QMPは、臨床的に関連する深さについて、フィールドサイズ2×2cm2(できればそれ以下)までの出力係数を測定し、測定結果をTPS計算と比較すべきである。」

7 PHOTON BEAMS: IMRT/VMAT DOSE VALIDATION、Validation tests

2×2cm2以下まで出力係数を測定+比較、ですね。

「テスト7.4では、最適化と配信検証のために、治療する予定の臨床例を代表する少なくとも2つの画像セットを使用することを推奨する。各モダリティ(例:IMRT、VMAT、トモセラピー)とエネルギーは別々に検証する必要があります。ユーザーは、独自のケースを使用するか、http://www.aapm.org/pubs/MPPG/TPS/ からサンプルデータセットと目的をダウンロードすることができる。」

7 PHOTON BEAMS: IMRT/VMAT DOSE VALIDATION、Validation tests

http://www.aapm.org/pubs/MPPG/TPS/”からサンプルデータをゲットできるんですね。うれしいです。

「最新のモデルベースの線量計算アルゴリズムであっても、肺の線量計算と測定との間の系統的な差異が指摘されており69-71、ユーザー設定可能なパラメータによって悪化する可能性がある。このような評価を有償で受けるためには、臨床試験への参加はもはや必須ではないことは、注目に値する。」

7 PHOTON BEAMS: IMRT/VMAT DOSE VALIDATION、Validation tests

医用原子力技術研究振興財団においてIMRT郵送調査がありますね。是非とも参加したいと思います。

「AAPM TG-25 Report13とその補足のAAPM TG-70 Report14には、電子線量測定に関する広範な詳細が記載されている。」

8 ELECTRON BEAM VALIDATION

「Recommendations for clinical electron beam dosimetry: Supplement to the recommendations of Task Group 25」 も読まないといけないですね。

「モンテカルロアルゴリズムは、市販のシステムで一般的になってきており81-84、推奨されている。」

8 ELECTRON BEAM VALIDATION

モンテカルロは今のシステムにも入っています。”Monte Carlo algorithms are recommended.”なんですね。

「光子と同様に、電子のコミッショニングデータは、ベンダーが指定する空気中や水中で収集されるべきである。」

8 ELECTRON BEAM VALIDATION

今の治療計画装置も、空中で測定したデータをテキストエディタで決められたフォーマットに書き換えてTPSに入れました。

「アレイ検出器のような他の適切なファントム/検出器の組み合わせも、電子線量測定における各装置の限界を考慮して検証測定に使用することができる」

8 ELECTRON BEAM VALIDATION

へー、2次元検出器も電子線で測定できるんですね。またメーカーさんに確認してみます。

「参照コーンと公称臨床SSDを使用して、斜めに入射するフィールドのPDDおよび/またはプロファイルの比較、8.3  例  参照コーンと公称臨床SSDを使用して、斜めに入射するフィールドのPDDおよび/またはプロファイルの比較」

8 ELECTRON BEAM VALIDATION、Validation tests、TABLE 10

斜めにするときは工夫が要りそうですね。例えば、16cm角の板ファントムを片方だけ4cmのアクリル棒でかさ上げする。そうすると、sinh (x)=4/16、x=14.5 deg。あってるかな?
なんか夏休みの工作と自由研究を思い出しますね。

「コミッショニングが完了したら、QMP は、(1) TPS が意図せずに変更されていないこと、および (2) TPS のアップグレード後の線量計算が一貫していることを確認するための日常的な QA プログラムを確立するべきである。」

9 ESTABLISHING ROUTINE QA

今使用しているTPSは、計画レポートに「20YY/MM/DDにアプルーブしたAAAアルゴリズム」と書いてある。その辺のデータの確認ということなんでしょう。

「定期的なTPS QAは、リニアック出力、MLC位置、およびその他のデリバリーパラメータの整合性を検証するマシンQAを補完するものです。TPSのQAでは測定は必要ありません。」

9 ESTABLISHING ROUTINE QA

測定は不要なんですね。

「電子の場合、サンプルプランは、妥当な表面曲率を持つ異種データセットを使用して、各エネルギーについて計算される必要がある。また、サンプルプランには、距離延長とボーラス検証を含めることが推奨される。」

9 ESTABLISHING ROUTINE QA、Recommendations

ボーラスを忘れるところだった。あぶねー。

「QMP は、各セクションに記載された最低限実施すべきガイドラインを満たし、それを超えるという精神で変更し、その正当性が適切に文書化されていれば、必要に応じて推奨されるテストスイートに代用、変更、追加することができる。すべてのMPPGと同様に、今回の報告書は、臨床現場で必要とされる最低限の作業範囲のみを要約したものである。」

10 SUMMARY

はい。承知いたしました。

「最後に、ピアレビューの重要性を再確認する必要がある。TPS モデルパラメータ、実測データとの一致、および検証手順/結果のピアレビューが強く推奨される。これには、(別の物理学者によって決定された)基本的な線量測定パラメータの独立した線量計算と(同じく別の物理学者によって行われた)独立した測定値との比較が含まれるはずである。」

10 SUMMARY

これも重要ですね。無料でチェックしてもらえればいいんですけど。(そんな人はいないか。)

これからの課題

私の課題としては、新機種導入に向けたコミッショニングの内容精査、必要人員・期間の見積もり、追加の文献・ガイドラインを読む、TG100に従ったリスクマネジメント、といったところでしょうか。

新しい技術があって実機がないうちは想像できないこともあると思いますが、想像力を膨らませながらできることから段取っていきたいと思います。


May 25, 2023

#学問への愛を語ろう  #医学物理がすき

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?