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詩「アルミホイル」

20240110

アルミホイルに包まれて
眠りに落ちる銀の夜
奥歯に染みる不快感
雑な電波は届かない

引っ掻くような音の先
彼を見つめる目が二つ
光を放ち映された
シルエットにはタコの足

愉快な歌で起こされて
スーツに着替え電車乗り
目的地には廃墟だけ
埃まみれの仕事する

帰りの駅は賑やかで
酒を一杯飲んだなら
機嫌が治り開けるドア
広がる闇は六畳間

悲しい色の壁紙に
ペンキを塗るのが楽しくて
朝になっても気付かない
ソファに跳ねてまだら色

ラップをかけた肉の味
腐ったにおい掻き消して
風味を増した朝食に
窓から見える金の空

休みの日には本を読む
くだらなければ眠くなる
何もせずとも疲れ果て
深い眠りのその先へ

アルミホイルを剥がしたら
皮膚をなくした彼一つ
アルミホイルに包まれて
彼に化ければタコの足

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