詩「プレイヤー」
20230912
角砂糖のエースは大丈夫だと言った
その言葉が嘘だったことがわかるまで
世界の終わりが近づく頃に
捲られた腹に描かれている刺青
パンで出来た虚ろな目のジャックにも
彼は騙されて金を奪われた
ペラペラな証言を頼りにして
犯人に仕立て上げられた
岩塩のクイーンは何もせずに眠るばかり
寝息にまとうのは朝と夜の精霊
瞳を開けば見るものを粉々にした
彼も粉々にされた者の一人
チーズで出来たキングが踵を削りながら
彼の首元を締め付けるロープを見ている
振り下ろされる刃物のせいで
彼が少しばかり項垂れる様を見ている
ジョーカーは笑いながら泣いている
いつも答えはわかりきっているのに
また最初からやり直すしかない
手札はいつでもここに揃っている
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