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【振り返り】「旧メディア記者」がnoteをやってみて

ご無沙汰しております。
先日の記事からなんだかんだまた時間が空き、気付けば年の瀬に。ここしばらく、本業に専念していました。

本業を納めてようやくとここに掲載予定の某記事を執筆していますが、思うように進まず。その記事は自分のアイデンティティにも関わってくる内容でもあるため、書いては消してを繰り返しながら、そもそもnoteに書くべきかの試案も進めながら書き進めています。しばしお待ち下さい。

今日は、noteスタートから半年余りの振り返り。noteで出来た実績と、やりながら感じた限界について書き記します。

題して『「旧メディア記者」がnoteをやってみて』。

noteをやるのも覚悟が必要だった

まずはこれ。
私は5月にnoteをスタートしましたが、かなりの覚悟が必要でした。旧メディアと呼ばれる所に所属している身としては、あくまでも本業のところで勝負するのが本筋だからです。しかしやはり発信は今後の為に必要だと決断し、「プライベート運用」としてスタートさせることにしました。当時の思いや危機感についてはプロフィール記事に書かれていますのでご覧下さい。

私のようないわゆる「マスコミ」に所属する記者のSNS利用は、日本では海外と比較して進んでいません。これについてはまたいずれ書きたいと思っていますが、個人的にはいずれそういった状況は変化していくと思っています。アメリカではすでに会社名というよりも「記者の個人名」によって記事の信頼性や読者を獲得していく時代になっているからです。日本もいずれそうした状況になっていくと思います。「ネットはよく分かりません」などと記者が言ってられる時代ではなくなっていくと思っています。

スタート半年超 取材記事は1本5000pv程度

これまでにアップした記事は約30本。
このうち取材記事と呼べるものが10本です。
反響の多い記事はだいたい5千PVくらいまで伸びました。

反響が大きかったのは、かつての最年少で陸上のオリンピック出場を果たした土井杏南選手の取材記事。

23歳を迎えたかつての「天才少女」の現在地を書きました。およそ5年ぶりに会った土井選手は、苦しみ、葛藤を経て大きく成長していました。再び会えたことも嬉しかったですが、何より再び表舞台にカムバックを果たした土井選手の活躍はとても喜ばしかったです。この記事は前編後編合わせて約1万PV。始めたばかりのサイトにしては多くの方に読んでいただきました。しかしこの記事も、もっと自分のサイト自体に拡散力があれば、もっと多くの人に読んでもらうことができたろうと思います。サイト自体の力の重要性を突きつけられました。

note記事でも「ジャーナリズム」の役割を果たせる

もう一つ、思い入れ深いのが「未解決事件」についての記事です。この記事は、noteでも「ジャーナリズム」の役割を果たせるんだ、という思いを抱かせてくれた事例でもあります。

「未解決事件」とは10年前に埼玉県熊谷市で10歳の男の子がひき逃げされた事件です。当時は時効がもう間近となり、未解決のまま全てが終わってしまうという、遺族にとっては絶望的な状況下にありました。

この件については書けないことも含めて本当に色々あり、相当に悩みましたがとにかくもう、ここで書かなければ一生後悔する、一人の人間としても終わりだという思いで執筆と掲載を決断しました。

結果的にこの記事は大きな反響があり、掲載に踏み切ってよかったと思っています。サイトを通じて情報提供もありましたし、記事を読んで事件の周知・拡散に動いて下さった方もおられました。ご協力いただいた皆様にはこの場を借りて改めて御礼申し上げます。

そしてこの件は遺族の命を賭けた活動の甲斐もあって、最終的に10年の時効延長が実現しました。遺族の決死の行動が警察庁、法務省を動かし、社会が動いた事例でした。これは私だけでなく、他の心ある記者たちが書いた多くの記事が社会を動かした事例です。おかしきを正すことこそ本来の「ジャーナリズム」の役割だと思いました。

これはnoteの記事でも十分に「ジャーナリズム」の役割を果たすことが出来るという、そういう手応えを感じることが出来た事例でもありました。事件はまだ未解決で、捜査は続いています。

「ライター」単独活動の限界と、新年の展望

と、主な記事を振り返りましたが、それなりの手応えはありましたが、やはり限界も色々感じたというのが振り返っての正直な感想です。理由は「プライベート運用」であるという点。これらの活動はあくまで社外の活動で、本業とは一切関係ありません。となりますと、質を伴った記事の掲載の継続には、取材と執筆時間が圧倒的に不足しました。そして今後もこの運用を続ける限りは、この問題は解消されることはないと思います。

では、このnoteの空間は自分に取って意味がないのかというと、やはり意味はあると思っています。というより、意味を作り出していかなければならない。自分の中ではこの空間は本業だけだと狭くなる視野を広く保つためのツールの一つという位置づけにしています。ここを拠点にしながら、同じ志を持つ仲間やコミュニティと繋がることで、自分が何かを生み出していかなければならない。そういうことが出来る可能性が、ここにはあると思っています。新たな動きには繋げられていませんが、実際にそうした仲間との出会いもありました。そうした繋がりを新たな動きに繋げていけないか、そういった試みが2020年の活動のポイントになってくるのかと考えています。

あれこれと書きました。
note空間の中で「ジャーナリスト」というのは少し異質な存在かもしれませんが、「クリエイター」の1種として、私のような存在も認めてくれるのがnoteのよさであるとも感じています。この空間にて、多くの皆様との繋がりを得ていきたいと思っています。

フォロワーの皆様、読者の皆様、本年もありがとうございました。来年も引き続き、宜しくお願い致します。

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宜しくお願い致します。





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