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SESのメリット・デメリット

僕がこの事業をスタートした時は、けっこうSES=闇という意見が多かったような気がするのだが、最近はクリーンな会社も?増えてきて、そうでもなくなってきたように感じる今日この頃なんですよね。

なので、改めて今、
このSESという働き方に向き合ってみたいと思います。
そもそもこんな話はネットにたくさん書いて耳タコなんだけど、2022年4月現在でKAMINGとしてはどう考えているのかな?って気になっている方はどうぞ。

考える人


そもそもSESってなんだっけ?

システムエンジニアリングサービス(SES)の略で、ソフトウェアやシステム開発・運用等において、「部分的に委任契約」をして作業にあたる契約です。客先に常駐することが多いですね。正しくは「準委任契約」といいます。逆に仕事の完遂を請け負うのは、「請負契約」といいます。

実にIT業界の70%がSESとして働いている言われています。
ちなみにこの働き方は、日本くらいなんですよね。

何故なんでしょう!?

①従業員を解雇しにくいという日本の労働基準法
働くという事に関しては、日本では厚生労働省が定めるところの「労働基準法」が関わってくるのですが、基礎的な考えとして、労働者をしっかり守っていくというのが大原則としてあります。
一番はなんといっても、解雇されにくいということです。
みんな良かったな!!

経営者によって、好き嫌いとか自由気ままに、正当な理由もなく労働者を解雇してしまったのでは、安心して生活していくことは難しくなりますよね。という事なのだそうですが、これによって弊害もあると思っています。
(例えば、解雇できないから、それを迂回するように大手企業は事務や受付業務などには、たくさん派遣を受けいれていますよね)

アメリカとかだと、ポンと解雇されちゃったりするんですよね。

ということで、日本のSierさんはプロジェクト毎に自由に雇ったり、解雇したりができないわけですから、必要な時に必要なだけ外部から助っ人を呼んで手伝ってもらおう、という考えに至るわけです。

②エンジニアの採用はとっても難しい

そもそも雇いたくても、人が集まらないという問題もシリアスです。
経済産業省の発表によると、2030年には最大で79万人に拡大する可能性があるとのこと。需要に対して、エンジニアは足りていないのです。

新たに未経験者を雇い教育をしていくにしても、当然時間がかかることですし、外国からエンジニアを受け入れるにしても、この島国では圧倒的に言語や文化の壁があり、コロナ禍も手伝って、当面においては難しい問題です。
Sierさんが案件を請けてもやはり自社の社員では賄いきれずに、SESとして再委託することは当分無くなりそうにありません。

③餅は餅屋さん
エンジニアって一重に言ってもとっても広義的で、スキルも千差万別ですよね。
「サッカーもできて、野球もできて、カーリングもやっちゃうよー!なんなら全ポジション一人でできるし、全てにおいてエース級の実力だよー!」なんてアスリートはいないように、どんな事でも一人でできるエンジニアさんなんていないわけです。

その時々、オンデマンドで需要が変わる世界なので、やはりSESというのが必要になってくるわけですね。

SESにメリットをどう見出すか

①成長スピードが早い
同じ現場に何年もいると、スキルがやはり停滞してしまいますね。
例えば、倉庫の物流システムをメインで請けている会社に10年務めたとします。
同じクライアントを担当していると、そのうちほとんどは、保守開発になると思いますし、大規模な更改やリニューアルも数回程度ではないかと思います。また、いつも同じ人と同じような打ち合わせをして、同じような開発手法で仕事を進めることになるのかと思います。

この方は、他の業種業態のシステムについては全くやっていないし、開発手法としても単一なわけなので、あまり作業経験の幅としては広がっていないということになります。

同じ10年でも、不動産、エンタメ、銀行、証券、製造業といった様々な業種の業務システムを経験した方のほうが、知見が大幅に広がっているのは言うまでもありません。

もちろん、前者が悪いという話しではありません。専門分野に特化している事もとても大切なことだと思います。

ただし、SESの良さを生かすとしたら、短期間で様々な業種・業態などの未経験分野に取り組んだり、ひとつ上の工程にチャレンジ参画してみるなどといった取り組みが積極的にできるようになります。

スキルアップ(成長)がスピーディにできるという点と、連動して給与の上昇がとても速いです。

②どうしても気にいらなければ、やめれる
どんな人間にも相性があります。
現場のメンバー、マネージャーがどうにもこうにも好きになれない、考え方が合わない、なんて事もあります。そんな時は相手もこちらに対して同じようなことを思ってるかも知れない。

でも、決してそれは悪いことではないと思っています。お互いが異なる正義を持っている訳です。音楽とか食事に関してだって、好き嫌いがあるのが当然。

どうしても合わない場合は、どちらが正しいか?と議論するのではなくて、会社と相談の上、案件を変えてしまうことを勧めます。

「現場が重要なお得意先でどうしても抜けるのは、会社として同意できない。」そんな風に言われて相談に乗ってもらえないような場合には、さいあく会社ごとやめてしまってもいいかも知れません。

個人の単なるエゴやワガママだけを通すのは良くないですが、人間関係があまりにもひどいケースならば、あなたのメンタル状況もとても心配です。つぶれてしまっては元も子もないのです、自分の身は自分で守りましょう。義理人情は自分自身の精神の健全さが保たれたその次でもいいんじゃないかと思います。

あるいは、もうこの現場ではスキルアップが難しいという場合にも、プロジェクトを変えることをお勧めします。現状維持は実際には退化です。

年は確実にとっていきます。年齢に見合った経験・知見を身につけていかなければ、市場価値が落ちていってしまうと言えます。飛行機も高度を維持するためには、実際には上昇を目指していなければなりませんよね。

正確の向き不向きもありますが、製造やったら、設計、その次は要件定義、マネジメント、コンサルティング・・。といったように、一つ上を目指しましょう。

③限定的な責任制
これは厳密にいうと、契約内容にもよってきますが、
そもそもSESとは、部分的な作業を委任契約をしているわけで、問題発生時にも責任性は比較的小さいのではと考えています。
(最近は準委任契約であっても成果物を求めることができるように、法改正されています)

プロジェクトの完遂の義務を負っているのは、請負者です。
例えば、権限は何も持たされないで、作業だけを全丸投げされるような不合理な組織体制の場合、遅延したり炎上したり、改善の兆しが見えにくいことから精神的な負担になったり、進行が難しくなってくるでしょう。
ガン化した組織を下請企業から改善を推進することなど至難の業です。こちらがいくら必死になったところで、挽回は非常に難しいのが事実です。

そのような中、やむなく撤退となった場合に、多額の損害賠償を負うなどといったことは聞いたことがありません。請負者が最終的な責任者です。
(だからといって、善管注意義務はありますから、努力義務は放棄できませんよ!)

なんとかしなきゃ、という心意気はとても大切ですが、やむを得ない有事の際に、撤退も比較的しやすいのもSESのメリットなのかなと思います。

(あくまで、SESの良さを活かした働き方をするならば、という観点で書いていますので、お客様にももちろん配慮していきましょう)

④自分の働き方にあったプロジェクトに参画したらよし!

リモートワーク、時短、スーツ着用なし、やりたい作業内容、得意な立ち回り、好きな業界。好きなものを選びましょう。

同時に、好きなものばかり食べていることが身体にいいとは限らないから、そこも含めて考えてみましょうね。

SESのデメリット

①やはり未経験には厳しい世界
お助けマンとして現場に行くので、未経験にはやはり険しい道です。
しかし、やる気に溢れた方や、愛嬌がある若手だと、現場で丁寧に教わることもできる世界でもあります。
(教えてもらって当然、などという姿勢はやめましょう。)

未経験採用を行っているSES会社でよく聞くのが、以下です。
・経歴書の詐称。2-3年の経験者と偽って提案するのだとか・・・
・家電量販店の販売員にアサイン
・事務などの案件にアサイン

割と開発を希望している方が多いと思いますが、詐称はそもそも相手を意図的に騙しているわけですし、量販店スタッフや事務を経験しても、開発現場に結び付くことはないです。アフター5に勉強することもあるようですが、そもそもサービス業ではないホワイトカラーの仕事の方がITに結び付きやすいんじゃないかなとか、同じ事務ならSES会社通さなくてもいいんじゃないかなと個人的には思います。

②コミュニケーションロスが発生しやすい
自社内のメンバーで完結したチームではなく、場合によっては複数社が複雑に入り込むこともザラ。契約ごとが各社異なることもある事から、なにかトラブルやイレギュラーが発生した場合には、営業間できちんと交渉したりする必要がありますが、ロクでもない会社に入ってしまうと、これがまず機能しませんよね。「営業」という間を取り持っている人の立ち振る舞いがとても重要になります。もしくは、それをマネジメントする上司の振る舞いはもっと重要だと思います。

営業が話を自分で止めていたり、返事がこなかったり、顧客にイエスマンやってしまったり、対応面倒くさがってしまったり。そもそも会話がまったく通じてないまま上位顧客と交渉に入ったとしても、的を得た回答や狙った結果を得ることなど殆どありません。商流が深い場合など、更にその確率が高まります。
さらにそれをまったく管理していない上司・・となると絶望的で、これがかなりストレスになった、というエンジニアさんはたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

伝言ゲームしかできない、自分の意見としてきちんと考えを発信できないような営業がついてしまった場合は、大変な苦労が確実に増えてしまいます。ひどい場合は、会社にクレームするか、転職を検討しましょう。

弊社では、営業以外にも必ず私や人事がそばについており、つまりは1人のエンジニアにつき3人がついていますので、これは非常に起こりにくいと思っています。

③商流が深すぎると見合った報酬がもらえない
正当に評価してもらえない世界というのは、とっても悲しいですよね。
商流が深過ぎて良いことはないです。頑張った人が稼げる公平性はとても大事です。その認識をきちんと持っている会社に行きましょう。

弊社では、「お給料の文句は俺に言え!」と思っているのですが、直接言ってくれる人は少ないので、フォローアップの場でヒアリングをしています。言えるなら社長の耳に入れるのがいいですよ!

その他、KAMINGでは該当しない一般的なデメリット

・案件が選べない
 →弊社では案件が自分で選べます!会社からの強制アサインはありません。
・膨大に残業させられる
 →客先とは厳しく取り決めや交渉を行い、残業の規制や休日出勤などを制限しています。残念ながら未だに不当な要求を受けることもありますが、営業サイドできちんと対応をしております。正直ちょっと嫌がられるくらい、厳しめに対応していると思いますが、こういう事を安易に会社が請けてしまうことで、しわ寄せが全てエンジニアにいってしまい、業界の甘えを助長させると思っています。

・誰でもできる仕事しか作業依頼が来ず、市場価値が上がっていかない。

というネット記事を見たのですが、この原因は次のような感じかなと思います。
・キャリアの積み方について十分な検討がなされていない
・それについて、必要な営業力や顧客を持っていない
・つまづいてしまっても、どれだけ愛情持って営業できるか(二人三脚で困難を乗り越えることができるか)

弊社では開発経験が浅い方もたくさん採用して、キャリアアップできているので、ホントに会社によるんじゃないかなと思います。面接時に信用に足る人物かよくよく確認してみましょう。(わかりにくいかもですが)

さらに

社員だけでなく、フリーランスを選択することもできます。
心配だから社員として入社しておいて後から自信がついたらフリーランスに変更するといった事や、やっぱり社員に戻すなどといった変更も可能です。


もし、ここはどうなっているの??というご質問やご意見があれば、是非教えてくださいね。

上手にSESとお付き合いしていくことで、
みなさんが良いキャリア構築ができることを願っています!







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