見出し画像

モノづくり~ブランディング

昨今の国内のものづくりの状況(日本国内での生産・製造)はとてつもなく悪くなっていると言われていて、そのことについては僕自身も否定できない状況にあると言って良い。
けれど一概に悪いといっても、そこかしこで聞く内容は全体的にぼんやりとした話や中身が多くて、じゃあどう悪くなってるの?とツッコミを入れたくなる(関西気質というわけではなくてね)。

表題にしている
「モノづくり~ブランディング」に関してはこの状況をちょっとは打破できる可能性なので念頭にだけおいていただければ。

話を戻すと、実際に悪くなっていると感じる部分はどこなのか。
車などの工業関係は専門外なので横に置いて(これは海外での部品や製造も多いので国内という話から飛び出すと思うところもあるので)今回も自分の居る世界の衣類や衣料雑貨関係においては というところで実感として書いておこうと思う。これを書いておくことで現在悪いところが先々解決にむけて変化し(もちろんできることで自分もがんばるとして)数年・数十年後は改善と新しい問題に変化していることを考えながら。
そしてこの内容はあくまで小さな自分の感じるところなので大御所の方や専門知識豊富な方が否定的な意見をくださっても
「あくまで個人の見解です」
になることと併せて、ご意見いただける場合は解決策やそれに向けた前向きな言葉が飛び交う事になれば嬉しい。

さて…大きく悪化してる実感のある問題は個人とか企業レベルも超えてるものもあって書いてどうにかなるかはわからないけど大きい部分を羅列して書いてみると(あくまで国内での生産などで)

①加工工賃の低さ
②人材の不足
③生産量の減少
④販売価格の低下
⑤生産者・製造者の高齢化に設備の老朽化
⑥商品の均質化(全部似てるということ)
⑦気質の変化

という7つがすぐ思い浮かんだ。あくまでこれを解決するには…という話ではなくて、こういう事が原因になってるという話。

①加工工賃の低さ
これについては生産者側であればまあ大方の人は うんうん となると思うのだけれど、これには多様な原因があると思っていて、大きな原因は一時から海外生産が多用されるようになったことで海外の工賃に対して国内の製造側や販売側も対抗してしまったため(その時に抵抗した現場も沢山倒産したのを目の当たりにした事もあるのでココは仕方ないところか…)であったり、日本での縫製や製品に価値を付ける方法や明確なメリットがあまり伝えてこなかったこと等もあると思う。(逆に海外で生産するメリット・デメリットもあるので、状況にあわせて変化・説明させられなかった現場も、安さに目がくらんで生産を切り替えた結果で全体がコストダウンし価格競争化してしまったメーカー側 多様な問題があるな…と)

②人材の不足
1にも通じるのだけれど、いわゆるきつくて安い賃金での労働になっているので、どうしたって若い人が目指したい業界ではなくなってくるのが第一に理由としてくると思う。これがまだデザイナーやモデルといった表舞台に名がでる部分もあれば別でもあったりするのだけれど(以前は販売でもカリスマ店員という花形があった)生産者はその名前が価値になる人は少ないので そういった魅力もない(一部では生産者にフォーカスして価値が見出されている部分もあるけれど、職人というより伝統技術者レベルで、縫製ならテーラーの位置で聞いたことがある)。
そういった状況で、量産対応する縫製職人は国内は高齢化が進んでいて(アイロンやその他、裁断などの職人もそう)海外の研修生制度に頼っている状況もありこれは各問題に連動して難しいポイント。

③生産量の減少
国内のメーカーで国内の縫製現場を使い生産を行っているところは、自分の知る中でもここ10年で大幅に生産数量を減少させている状況が多い(もちろん全てではなく、新規のブランドなども増えていたりもする)。
これも低単価の競争の流れに入っていったブランド等からわかるのだけど、数が作れるものは海外の低コストの生産を利用し、海外の工場の生産数量に満たないものが国内に残る流れや、全体的な衣料品の値段の低下、衣料雑貨も手作り商品が生産コストにも満たない値段で販売されていたりもするので
値段の高いものが売れづらくなっている為に、国内の賃金基準で生産するとどうしても付いてしまう値段でも高いというイメージで売れづらくなっていることもあるかな という印象。

④販売価格の低下
上の3項目にもあり重複もするので、ここは簡単に書くと
海外の大量生産品の流通、手作り品が簡単に販売できる状況(ネットでなど)での低単価品の販売・購入すらもが容易。中古品などの市場の拡大などもあり。
しかも品質も低くないものが昨今では多くなってきていることなどが理由かなと思う。服に関しては季節性もありSALEなどでの商品の滞留を防ぐ手法の頻度が上がっていることも。
生産数の過多による問題も当然理由になりそう。

⑤生産者・製造者の高齢化に設備の老朽化
これは人材の不足からくる高齢化(2でも書いたので細かくは割愛)。
併せて利益が十分に確保できない状況での生産が続く為に設備に投資できず、最新の効率化を図れるような機材を導入できない為に起きている。

⑥商品の均質化
大量生産が多くなっていて、そのデザインソースがいわゆるハイブランドのコレクションなどから来ていたりすること(模造ってやつ、パクリともいわれる)もあるし、所謂売れ線だったりをすぐさま生産できる態勢を持った大手が瞬発力でデザイン性の多少あるものは数も作れてしまうし、奇をてらったもの・真似しづらい素材や手法に凝ったもので販売価格が高くなるものを売る力のあるブランドが少ないこともある。(耳が痛い…)

⑦気質の変化
日本にいるモノを買う人の意識の変化。
明治や大正のように海外の文化が入りだした頃や、まだまだファッションに対して貪欲な高度成長期のように、個性を全身で そして心で表現しようという人が少なくなっていることは大きな理由だと思う。
ミニマリストという言葉(これも人によって解釈はちがってくるけれど)で生活からモノを減らしシンプル化・効率化を優先することが流行したり
なんでもかんでも外に出ることなく手に入れられてしまう状況も一役買っていると思っている…
さらに影響力を持つ人が細分化して、量産品を(悪いわけではないのは添えておくけれど)拘っている商品以上に褒め販売促進する事で利益を得る方法も増えている事なんかもあると感じる。(安いものの方が多くの人が手にしやすいし)

まあ、大きく考え書き出しただけでこれくらいあるので細かいことを言い出せばキリがないことになるし、かといって、ただただ悲観的かと言うとそんな事もないと思っているわけです。
書いていてチラチラ思いつく事で、小さいながらも変化を起こせるような方法はある気がする。まとめて変えることは相当な力が働かないと無理なのは当然として、一つ・二つくらいを変えてみるようなイメージなら多くの人がアイデアを持って なんなら実行もしてると思う。

そして、ここに書いたことは事実としてあることで(人によって全てではないにせよ)実際のモノづくりの現場や販売をしている人達は少なからず実感もしてるはず。そしてその原因となる部分の恩恵すら受けていると思う。
そういった中で変化を作っていくことができる方法の一つが
『ブランディング』
てやつなんだろうな…と考えていて、それはとても沢山の要素から成立するので簡単じゃないのは100も承知なところですはい…。
そのブランディングというもののヒントになりそうなことを最後に挙げておこうと思うのですが、これに関しては自分自身が出来てるものでは無いので、多方面の方々で上手く動かれてるなと思う方々からヒントになりそうだと自分が感じてることを。
「こういうものだ、これが正解だ」
というものがあるなら是非知りたい。けれどこれも人によって正解の考え方は違う筈だし、信じるものを突き詰めていくしかないのかも。

あくまで僕自身の考えと思い当たるところで、ヒントやキッカケになれば程度に考えて貰えたらと思う。むしろ「いやいや自分ならこうしますから!」などがあれば勉強させて欲しいし、もがいているので、こちらも拝見させて貰いたい。

ブランディングのヒント

①価格(値段)
②個性(特徴・人柄)
③先見性
④数量
⑤一貫性
⑥貢献性
⑦シンプル
⑧魅力(影響を与えるもの)
⑨販売方法(営業方法・製造方法・間口や売り場なども含め)
⑩変化

大きく10個。これについては次回に書いてみたいと思うところ。ただ大手が行う様なものでなく小さい個人や零細企業くらいの規模が考えるものとしての内容にて。
(大きいところには違う動き方・方法や選択肢があるので)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?