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映画:君たちはどう生きるか
久しぶりの映画レビュー。
とは言っても映画は結構観ていて、まだレビュー出来ていないものあるのでそれは後追いで書いていこうかなと思っています。
そしてさっそく、今かなり話題になっているジブリ最新作「君たちはどう生きるか」のレビューです。
ご存知の通り、広告や予告など一切なく、あったのは一枚のポスターのみ。
ひろいぬは「崖の上のポニョ」あたりの感じがどうも苦手で、それ以降?は「風立ちぬ」まで作品をすっ飛ばしてます。
それでも子供の頃からずっとみてきたジブリ作品、かつ宮崎駿の(今回こそ)最終作となればやっぱり観に行きますよね。
ちなみに私のジブリ映画ランキングはこんな感じ。
1位:紅の豚
2位:風立ちぬ
3位:もののけ姫
となりのトトロは子供の頃にビデオが擦り切れるくらい観ていて、CMのはいるタイミング(金ローの録画)などもばっちり覚えてます。
話は戻り、いざ映画を鑑賞。
もう結構観ている人も多いと思いますが、内容に触れていくので観ていない方はご注意ください。
物語の冒頭はそれこそ風立ちぬのような戦時中。
空襲により、母のいる病院?が焼かれて母を失ってしまった男の子が主人公である。
その後、父親とともに母親の妹(継母)の元へ。
かなりの資産家であろうその家は西洋美術にあふれ、映像を見ているだけでも美術鑑賞と満足できそうなくらい。そしてなによりもジブリのアニメーションはキャラクターの動きはもちろん、背景やそこに置いてある小道具もユニークで、この空気感は今や有名アニメ監督の新海誠や細田守では表現できないと思ってしまうのはさすがだなぁと感じる。
なるほどね、今作はこういった時代が舞台で展開されていくのねと思ったのも束の間、妖怪とも思えるあのポスターのアオサギが登場するのである。
現実に紛れ込む非現実としては程よいレベルでこれからどうなるんだろうとワクワクするものがその時は間違いなくあった。
そして次第に話が進み、継母が行方不明に…。
その後については…、まぁ…、一旦置いておきましょう。
話を遮ってしまいますが、今回の「君たちはどう生きるか」というタイトルを観て、正直宮崎駿のお説教じみたものが観れるのだろうとそっち方面に楽しみが重点してしまっていたため、この後のストーリー展開は正直肩透かしだったというのものありました。どちらかというとお説教というよりバトンを渡す感じでした。
先ほども書いた通り、映像、アニメーションとしてスクリーンに映し出されるものはとても美しく、封鎖された世界でなんとか生きていこうとする老いぼれたペリカン、現世に生まれていこうとするわらわら(だっけ?)だったり、その世界を手中に収めようとするインコだったり、キャラクターは愉快ではあった。
ただいかんせんストーリーを構築する上で破綻しているように感じてしまったり、そもそもの行動するための原動力がなんなのか説得力が全くないのがずーーーーーっと気になっていた。「我々は何を観ているのか」状態である。
ジブリファンに、君はわかってないね、なんて鼻で笑われてしまうのかもしれないが、今作で今までの作品のオマージュ的なシーンがいくつも散りばめられているように感じる程度にはジブリは好きだし、観終わったあとも咀嚼して全体の流れを紐付けようとしても根拠に欠けるものばかりでどう考えてみてもはっきり言ってしまえばストーリーは破綻していたようにも思える。
主人公も言ってしまえば無個性であり、作り手の都合良いように動いているようであったし、それに続いてあのアオサギまでもなにを持って行動しているのか全然理解できず、最後に至っては血筋とはいえなぜ彼に全てを任せようとしたのかがすべてぼやけている。現実の時間軸から離れているであろうあの世界であの少年を選ぶ理由がまったくわからなかった。
ただ、もっと細かい設定があるのであれば3時間ほどの超大編にしてもっとスッキリしたものが観たかったなと思ってしまった。
そして観終わって、これは計画的に広告を打たなかったのではとも思ってしまう。というのもこの映画の予告を観ていたら多分劇場まで来ていなかったと思う。感覚的にいうと全体の現実からのファンタジーの取り入れ方があまり好みではないポニョに似ているなと感じてしまったのもあった。
トトロのような子供にしか見えないというような、程よい現実と空想の線引きもなく、とりあえずやりたいことを混ぜ込んでできたものを「これは宮崎駿が作りました!でもどんな内容なのかは全部秘密!」と看板を立てているだけのような、個人的にはそんな残念さがあった。
これが最後になるなんてなんか名残惜しいななんて思いながら、気が向いたらちゃんと咀嚼してみようともう一回観るかもしれませんが、今のところこの映画に対しての評価はちょっと残念なものだったなというところです。
ネットでは賛否両論が起きており、考察する人たちも多くいるみたいですが、これに関しては考察する必要もないのでは、ただ観たままのものを感じるしかないのではと思う。
ただ、背景やアニメーションはほんとに素晴らしいのでそれだけで満足できる人にとっては最高の作品かもしれないです。お話を重視して観てしまうのでひろいぬにとってはちょっと鼻につく作品となってしまっていましたが・・・。
ただ、なによりも米津玄師の曲がとても良かったです。
「君たちはこの作品をどうみるか」と言わんばかりの作品でした。
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