[きょうの映画紹介] 西遊記~はじまりのはじまり~(2013)
西遊記~はじまりのはじまり~(2013)
出演:ウェン・ジャン、スー・チー他
個人的おすすめ度:★★★☆
「西遊記」の玄奘(三蔵法師)が天竺へ向けて旅立つ前日譚を描いた作品。GYAOにて視聴。
・Wikipedia
・Filmarks
「西遊記」といえば、三蔵法師が3匹の手下妖怪(孫悟空・猪八戒・沙悟浄)を連れて天竺へと向かう旅路を描いたもの、というのが自分の認識なんだけど、この作品はその3匹の妖怪とどのようにして邂逅し、またどのようにして共に旅をすることに至ったのかを映画化したもの。
我々日本人にとって「西遊記」はあまり馴染みがないというか、自分の場合はすごく幼い頃にテレビの再放送で観たことのあるドラマシリーズ(1978~1980、堺正章さん主演)のイメージが強い。自分よりもっと若い人なら、香取慎吾主演のシリーズ(2006)のイメージがかろうじてあるかなっていうぐらいだと思う。定期的に放送されてるわけでもないしね。
漫画「ドラゴンボール」も、実は最初期(1984~)の頃は「西遊記」のイメージが強く、この作品の監督チャウ・シンチーはこのドラゴンボールからの影響も強いと語っているそう。これは余談だけど、かの悪名高き「DRAGONBALL EVOLUTION(2009)」の製作にもチャウ・シンチーは名を連ねている。ぐらいに、ドラゴンボールのことは大好きだそうである。
まぁこの作品のそういったベース部分に関して、日本人的にはちょっと馴染みが薄くて乗っかりにくさも感じるかもだけど、いざ観てみると「あ~これは紛うことなきチャウ・シンチー映画ですわ~!」となって自分にとっては安心の内容だった。
まぁまぁ気合の入った組手パート、多少のワイヤーアクション要素、CGバリバリのマンガ・アニメ的演出、クドく繰り返すギャグや男女ネタ、急にがっつり尺を取って歌い出す、バカで真っ直ぐのなんか憎めないキャラクター達、いつもの常連俳優…みたいな、過去にチャウ・シンチーが監督・出演した「少林サッカー(2001)」や「カンフーハッスル(2004)」等を観たことのある人にとってはお馴染みの要素が満載で、今回はベースがそういう意味ではわかりやすい「西遊記」だったということで、ストーリーも複雑になりすぎず良かったと思う。
駆け出しの妖怪ハンターである主人公・玄奘役にウェン・ジャン、先輩妖怪ハンターでとある出来事から主人公に一目惚れする段役にスー・チー。
他にも、猪剛烈(八戒の劇中での呼び名)のような大物を狙う妖怪ハンター役にシン・ユーくんやショウ・ルオくんが出演。割と目立つ良い役。スー・チーの部下役で出てた女の子(クリッシー・チャウ)も可愛かった。
ジャッキー・チェンの「スネーキーモンキー 蛇拳(1978)」や先述の「カンフーハッスル(2004)」に出演歴のあるチウ・チーリンが今回も出演されており、「ハハハ、また出とんのかいなこの人」とほっこり。
出演者の中では、スー・チーに対してだけは最初しばらく「この人わざわざ出る必要あった?ミスキャストじゃない?」と思っていて、妖怪ハンターを数人束ねた賊の親分みたいなガサツなキャラだったんだけど、途中で主人公に一目惚れして一転、"女の子"の部分が強く出てくるようになって一気に可愛く見えてきたんだよね。
自分個人的には、玄奘のウェン・ジャンくんよりも段のスー・チーを観る、というか愛でる作品かな~と思った。また観たくなるかもね。