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ムキになって言い返さない

謙虚

世の中が豊かになるにつれて自己中心的な価値観を持ち自己主張の強い人が増えてきたと言われています。しかしこの考え方ではエゴとエゴの争いが生じ易く、チームワークを必要とする仕事はできません。

自分の能力やわずかな成功を鼻にかけて傲岸不遜になるような事があると周囲の人達から協力を得られないばかりか自分自身の成長の妨げになります。集団のベクトルを合わせ、良い雰囲気を保ちながら最も高い能率で職場を運営するには常に『皆が居るから自分が存在できる』という認識のもとに謙虚な姿勢を保ち続ける事が大切です。

中国の諺に『謙のみ福を愛く』という言葉があります。傲慢な人は幸運や幸福は得られない。謙虚な心の持ち主しかそれを得る事はできない。という意味です。謙虚つまり遜るというと何かみっともないような感じを抱かれる人があるかもしれませんが、それは誤りです。人は自分に誇るモノが何もないから威張り、ふんぞり返って自己顕示欲を満たそうとします。

例え控えめに謙虚に振舞う事で他人から馬鹿にされてもそれは馬鹿にする人が間違っているのです。

企業経営では集団のベクトルを合わせて心と心で結ばれた良い雰囲気を保ちながら高い能率で職場を運営していかねばなりません。このような企業風土を醸成するには先ず経営者自身が謙虚な姿勢を持たねばなりません。経営者が率先垂範してそのような姿勢に努める事で従業員が後に続く事が出来ます。また同時に社員にも『謙虚であってほしい』と訴え続けなければいけません。

課長や部長が踏ん反り返ったり、取締役が威張っていたのではチームワークなど取れるはずがなく決して集団のベクトルはそろいません。役職が高くなるほど謙虚になって従業員の中に入って自ら懸命に仕事の夢等を語って聞かせ、職場に素晴らしい風土を創り上げるよう努力していく事が重要です。

経営者も従業員もそのような『謙虚な姿勢』を持つ事で企業内には素晴らしい人間関係が築かれてそれをベースにして企業は発展します。

ムキになって言い返さない

面と向かって悪口を言われる事があります。『だからあなたはダメなのだ。あなたは愚かな人間だ』と言った様に、これはいいアドバイスや助言では在りません。こちらの気持ちを傷付けてやろうという魂胆の悪口の時があります。

そんな事を言われた時は心が動揺します。『どうしてこんなひどい言われ方をされないといけないの』と腹が立ちますし言い返したくなります。

しかし、そういう時には動揺する事なく『相手にしない』という対処法が賢明です。仏陀もこういう時は『相手にしない』のが最も賢いと説いています。そしてその理由を次の様に例えています。

ある人から食事を提供されました。しかしその食事を受け取らなかったら、その食事は誰のものになるでしょう。その食事は『自分のもの』ではありません。『提供者のもの』であるはずです。このたとえ話では『食事を提供される』事が『悪口を言われる』という意味です。

『愚か者』と悪口を言われます。そこで感情を取り乱してムキになって反論すれば自分が『愚か者』になってしまいます。つまり『愚か者』という悪口が自分のもの』になってしまうのです。

しかし相手の悪口を受け取らずに、そっくりそのまま返してしまえば周りの人からその悪口を言った本人が『あの人は人の悪口ばかり言っている愚か者だ』と見なされるようになります。つまり『愚か者』という悪口は『提供者のもの』になります。

お釈迦様の教え


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