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「簡単ではないけれど、手放してほしいなあ」

 一人暮らしの80代女性が、親しいデイケア仲間に陰で悪口を言われたと、私の母(88歳)に愚痴をこぼしにきました。

 落ち込み、怒り、憤懣やるかたないようです。

 この女性は、陰口、悪口を繰り返されてきたのに、機嫌を損ねたくなくて距離を置けずに来たのでした。

 私も話に加わるように促され、まずは「嫌な思いをされましたね」と気持ちを受け止め、共感しました。
 そして、「その人から卒業しましょう。縁を切るのはストレスが大きいから、親しい関係を卒業して普通の関係になったらどうですか」と話しかけました。

 さらに、「相手が変わるよりも、自分が変わった方が早い。簡単ではないですが、悪口は受け流すことですよ」と伝えました。

 確かに、相手が悪口を言ったのはよくない。でも悪口が気にならない人もいるし、逆に大きなショックを受ける人もいます。

 ショックを受けるのは、ネガティブな受け止めの癖、認知の癖、思考の癖があるからです。心理学のアルバート・エリス氏の言う「イラショナル・ビリーフ」(不合理な信念)であり、「執着」でもあります。

 イラショナル・ビリーフが改善されれば、ネガティブなフィルターが消えて悪口が気にならなくなります。悪口は、受け流して手放すに限ります。そうでないと四六時中そのことばかりを考えてしまい、ろくに眠れずに心身に悪影響を及ぼします。

 私はこの女性に「悪口のことを思い出しそうになったら、次の言葉を唱えたらいいですよ」とお教えしました。

 ありがとう
 ごめんなさい
 許してください
 愛しています

 この4つの言葉を自分に繰り返し念じます。
 これはハワイの祈りの言葉「ホ・オポノポノ」です。

 この女性は、4つの中の「許してください」がスムーズに言えなかったり、無意識のうちに飛ばしてしまったりしたそうです。
 言えないのは、自分で自分を許していない何かがあるからです。

 ホ・オポノポノによって浄化と癒やしが進み、自分を許せるようになれば、人間関係が楽になります。

 「自我の中にこそ苦悩の原因がある」
 苦悩は、出来事そのものではなく、自分の思考の癖、自分のイラショナル・ビリーフ、自分の執着が、自分特有のネガティブな意味付けをすることで作り出しています。

 この女性が、イラショナル・ビリーフに気づき、手放して、悪口を受け流して楽になるよう願っています。
 

 

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