構造主義(第一部)

橋爪大三郎「はじめての構造主義」からの、創造的(つぎはぎだらけの)引用です。
構造主義の定義。「人間社会には自覚できない無意識の構造があって、時間が経過しても不変である」。これだけではわからないので、肉付けを試みる、ヒューマニズムを煎じ詰めれば、異なる集団・社会・文化に属する人々同士でも、自分達と区別せず、対等な人間と認めあうことが前提になる。例え、それがいわゆる未開人の人々であっても。だから構造主義は、西欧を中心としてものを見るのをやめ、近代ヨーロッパ文明を人類文化全体の拡がりの中に謙虚に位置付け直そう、という試みだ。
以上のことより、構造主義は、比較方法論によっている。もよより、人類学は、いろいろの社会・文化を比較する。言語学も、さまざまな言語を比較する。構造主義はここから出発した。比較方法論によるからこそ、構造主義は資本主義社会や西欧近代の常識の外に出ることができた(と言ってもマルキシズムではない)。(第一部了)

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