菅原博文

専門は現代フランス哲学と現代英米詩。G.ドゥルーズ「差異と反復」と大栗博司「超弦理論」…

菅原博文

専門は現代フランス哲学と現代英米詩。G.ドゥルーズ「差異と反復」と大栗博司「超弦理論」「重力とは何か」の学習をしています。並行してM.フーコー「言葉と物」を読んでいます。詩はエリオット、ボブディラン、寺山修司、西脇順三郎。早稲田大学文学部卒、東北大学大学院文化科学研究科卒

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最近、詩の投稿にハマっています。今のところ提出したのが現代詩手帖、日本現代詩人会とココア共和国(詩誌)の3方面。他に詩と思想など、詩誌などはあります。私はへなちょこですが、いずれこういった詩誌などに掲載されるよう、精進いたします。

    • よく読む詩人

      邦人の詩人では、西脇順三郎、寺山修司、谷川俊太郎、宗左近、北園克衛、白石かずこ等を好きで読む。欧米の詩としては、フランス象徴派から出発した。ボードレール、マラルメ、ランボー。また英国のエリオット、キーツ、イエーツ、アメリカのシンガー・ソングライター、ボブ・ディラン、B.スプリングスティン等は今でもよく読む。こうしてなみいる大詩人たちの名前を挙げた後に言うのははばかられるが、私も詩らしきものを書いてみようと思う。

      • 学習・思索と詩作

        学習と思索はこれまで通り続け、別のこともすることにした。(詩を書くことにした)。

        • 同一性に関わる根本問題2(菅原)

          物理的な物に関しては、完全に同じものは無いということが、一つの問題になる。これは、素粒子物理学的に考えた場合、明らかである。素粒子的に全く同じ組成の物体は、二つと無いと考えられるからである。そしてこの点が概念との違いの一つとなる。 概念の側から見た場合、言葉の問題で、同じ言葉(の組み合わせ)で表現された概念は同一であると考え得るのである。この点が物理的な物との違いの一つになる。

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        • ソルトさん
          37本
        • グラスマン数とは?
          57本
        • 画像
          117本

        記事

          同一性に関わる根本問題(菅原)

          同一性に関わる問題の根本は、世の中に同じものは無いし、一つの物も、厳密に言えば、時間の経過と共に必ず変化する、という点にある。このように厳密に考えた場合、上の結論に達するのである(世の中に同じものは無いし、一つの物も、厳密に言えば、時間の経過と共に必ず変化する)。

          同一性に関わる根本問題(菅原)

          再実証の可能性(菅原)

          「同一性について、デイヴィッド・ヒュームは個々人の経験から一般的に正しいことを導き出せるか、またそれはどのように正しいと言えるかを問題とした。」とある。筆者の考えでは、自然科学において一般的な正しさとは、一つの実験・観測が、のちに同じ条件を整えたときに、再び実証できる可能性に根拠を置いている。これは必ずしも完全なものではなく、のちに反証される余地を残す。逆に言えば、その反証の可能性が、自然科学のさらなる発展に繋がりうるのである。

          再実証の可能性(菅原)

          ドゥルーズ 「差異と反復」 Wikipediaより

          ドゥルーズは、数学の微分概念を哲学に転用して、差異の哲学を構築し、スコトゥスの存在の一義性という視点から、ヒューム、スピノザ、ベルクソンらの著作を読み解いた。ただし、アラン・ソーカルからは『知の欺瞞』において数学的概念の用い方のいい加減さを批判された ドゥルーズは「差異と反復」において、同一性の問題に焦点を当てている。例えば「ソクラテスは人間である」という言明において、ソクラテスという個別的、具体的な歴史的人物を指すものであるために排他的に用いられるものと、人間という諸々の

          ドゥルーズ 「差異と反復」 Wikipediaより

          ドゥルーズ「差異と反復」 キー・ターム

          理念(イデア)、強度、潜在性、差異の同一性からの解放、反復を《イデア》の力=累乗の特異性として発見。(続く)

          ドゥルーズ「差異と反復」 キー・ターム

          ドゥルーズ「差異と反復」 解説と批判 続壺齋閑話 より

          Wikipedia 1) 同一物の反復では、新しいものは何ら生まれないが、差異の反復においては、反復のたびに新しいものが創造される。 つまりドゥルーズの思想は、差異と反復に新しい意味を持たせることで、同一物についての伝統的な考えに風穴をこじ開け、同一性の存立根拠を破壊することを目指したものなのである。 2) 差異(さい)とは、ある物において、他の物と異なる(比べてみて同一ではないこと)点、すなわち、ある観点で同一の特徴を持つ事物の間にある自己を区別する別の特徴のことである。

          ドゥルーズ「差異と反復」 解説と批判 続壺齋閑話 より

          ドゥルーズ「差異と反復」下巻 背表紙 解説

          《理念》、そして強度、潜在性などの核心的主題があきらかにされるとともに、差異の極限における〈すべては等しい〉〈すべては還帰する〉との声が鳴り響く。それまでの思考・哲学を根底から転換させる未来の哲学がここにはじまる。

          ドゥルーズ「差異と反復」下巻 背表紙 解説

          ドゥルーズ「差異と反復」 ブックレヴュー2

          ジル・ドゥルーズが1968年に出版した著作「差異と反復」は、かれの前半期の営みを集大成する業績である。かれがこの著作の中で展開したのは、西洋の伝統的な哲学思想(それをかれは形而上学と呼んでいる)の解体であり、そのうえで、全く新しいタイプの思想を構築しようというものだった。そうした問題意識は、ほぼ同時代を生きたライバル、ジャック・デリダと共有していたものだ。デリダのほうは、1967年に「声と現象」や「グラマトロジーについて」などを出版しており、それらの中でやはり西洋の伝統思想で

          ドゥルーズ「差異と反復」 ブックレヴュー2

          ドゥルーズ「差異と反復」 ブックレヴュー1

          Amazon 一義性の哲学によってプラトン以来の哲学を根底から覆し、永遠回帰へと開かれた不滅の名著。 哲学ちゃん 「差異」とは「異なっている状態」のことです。差異の反対は「同一性」です。ドゥルーズは著書『差異と反復』の中で、「存在とは差異である」と主張しました。 ドゥルーズによれば、世界も個人も絶えず変化を続けており、少しずつ差異が生まれ続けています。そしてその差異こそが「存在」なのだとドゥルーズは主張します。 例えば、昨日の私と今日の私では見た目も中身も少しだけ異なってい

          ドゥルーズ「差異と反復」 ブックレヴュー1

          The Police

          スチュアート・コープランドの鋭角的なドラム。アンディ・サマーズの9th使いのギター。スティングのボーカル、ベース。3人のミュージシャンの出す音は、ジェット機の轟音(Synchronicity II)。まっすぐな音と歪んだ音との戦い(Truth hits evrybody)。或いは、孤独の叫び(Message in a bottle)。20代から30代にかけて、私の歳月は The Police と共にあった。あの年月・・・。

          読むスピード

          ドゥルーズの「差異と反復」を読んでいたのですが、Xに筆写しながら読んでいました。それはいいのですが、筆写していると一日に半ページも進まず(私の場合)、これではいつまで経っても先に進めないと。いう状況です。それで、普通に黙読することにしました。是非、読み通したい本なのですが・・・。スピードアップなるかな?

          読むスピード

          大栗博司「超弦理論入門」より2024/7/20

          力には共通の原理がある。  素粒子の間には電磁気力・強い力・弱い力・重力の四つの力が働いていると考えられていますが、この4つの力の背後には共通の原理があります。  ドイツの数学者ヘルマン・ワイルは、この重力理論(一般相対性理論)について深く考え、それまで全く別のものだと思われていた電磁気力と重力の働き方に共通点があることを発見したのです。  ワイルが発見した力の原理は「ゲージ原理」と呼ばれ、20世紀の素粒子物理学の主要なアイデアの一つとなりました。

          大栗博司「超弦理論入門」より2024/7/20

          T・S・エリオット「荒地」

          エリオットの詩集は3冊持っているが、全て「荒地」を含み、その他、プルーフロックやゲロンチョンなどの入ったもの。本によって内容は大幅に、違なる。エリオットについて、批評めいたことはもちろん、感想を書くのもはばかられるので控える。興味のある方は、書店で手にとってほしい。(岩波文庫から「荒地」が出ている。内容豊富。)幾つかの詩集のタイトルを挙げておく。 プルーフロックとその他の観察 荒地 うつろな人間 聖灰水曜日 要請詩集 「岩」の合唱 エリオットには、批評・評論集もある。私は時期

          T・S・エリオット「荒地」