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印刷現場に潜入!デザイン × 印刷技術のウラ側【ひろクリギルド #27】

こんにちは、ひろクリギルドのTantanです。
2024/4/20 (土) に開催した印刷現場に潜入!デザイン × 印刷技術のウラ側のレポートをお届けします!

今回の会場は、中区白島の「クリエイター支援サービス【インサツビト】」の印刷工場

入口はこちら
すてきなサイン

会場に入ると香ってくるインクの匂い(紙の匂い?)、ウッド調のおしゃれな内装に、ドーンと大きな印刷機械。これはいったい何が起こるのか!?ワクワクする〜


特別ゲスト

kirin inc.・アートディレクター/グラフィックデザイナー
永戸 修司 さん

1987年生まれ。専門学校卒業後、制作会社に10年間勤務しデザインの経験とスキルを習得。その後3年間、日本と上海のナショナルクライアントの案件に携わる。2022年4月、その経験を活かしブランディングカンパニーkirin inc.を設立。クライアントと向き合うブランディングを二人三脚で実践しています。GOOD DESIGN AWARD 2023/広島ADC2022グランプリ。

kirin inc.
ご商売の話を丁寧にヒアリングして、大切なブランドの魅力をきちんと社会とターゲットに届けます。今までに無い新しいブランドの見え方、在り方、やり方、売り方、お客様と共に実践するブランディングカンパニーです🌳

ひろクリギルドのイベントに以前もご登壇いただいた永戸さん、
今回もどのような貴重なお話が聞けるのか楽しみです!

共催

クリエイター支援サービス【インサツビト】

インサツビトは、印刷に関するさまざまなお悩みを解決すべく、
クリエイターが直接、印刷のプロやデザイナーと相談・対話ができる新印刷サービスです。
「対話すると印刷がもっと面白くなる。」
人、機械、場所、三位一体で、クリエイターの皆さんをサポートしています。

インサツビトのみなさま

  • グラフィックデザイナーの竹内さん

  • プリンティングプランナーの河村さん

  • DTP兼マシンオペレーターの村上さん

  • 一級印刷技能士の木本さん

みなさんそれぞれ印刷のスペシャリスト!紙やインクや加工に関する豊富な知識、大きな機械を操る姿、かっこいいです!

永戸さんが手がけたブランディングの事例

永戸さんのアートディレクションのお仕事の流れと、そこにどう印刷が絡んでくるのか、実際の事例をうかがいました

参加者の皆さんも実際の事例に興味津々

ある美容院の事例 まずは言語化

ブランドアイデンティティを立ち上げるにあたって一番はじめに作ったのはビジュアルではなく文章だったそうです。
ビジョン・ミッション・思想・価値・市場など、テーマごとに8ページもある大ボリュームのテキストを、一ヶ月かけてお客さんと作ったとのこと。

画像掲載不可なのでお見せできないですが、すごい分量でした!
どう見ても書くのが大変そう!頭から煙が出るやつ!

永戸さんはこの言語化のアプローチを大切にしているそうです。

つぎにロゴのビジュアル検証

内装やブランド名などから着想した複数の案を見せていただきました。
2案や3案どころじゃない、なんと6種類ものバリエーション!
それぞれにショップカードやインスタの展開例が作ってあって、これまた大ボリュームでした。

それぞれの案をどんな考え方で作ったか、くわしい解説も面白かった〜!

そして印刷のお話

60種類刷って選んだという実際の印刷検証サンプルを見せていただきました。
微妙に色違いのロゴがびっしり並べられた校正紙は圧巻!
紙の色と印刷の色の掛け合わせをインサツビトさんに持ち込んで検証したそうです。

紙もインクも、やろうと思えば掛け算で無限に検証することになりそうですが、そこは経験からある程度アタリをつけて、60種類の検証でひとつの色を選び出したんだとか。さすがですね。

お楽しみ企画!ひろクリギルドノベルティ

さてここから、お待ちかねの企画。
永戸さんにひろクリギルドのノベルティをデザインしていただきました。

元々ひろクリギルドのロゴもkirin inc. に依頼して作っていただいたもので、今回はそれを印刷物として配布するノベルティ化のお願いをしました。

なんと事前確認なし ガチの生プレゼン!

ひろクリギルドスタッフ一同、本当に何も知らない状態で当日この場でご提案をいただくというリアリティショーが開幕!

永戸さんからはまず、このロゴの成り立ちとそこに込められた想いについてのエピソードが語られました。
ロゴ制作当時もひろクリギルド代表のマスベさんと、ひろクリギルドというコミュニティについて言語化して突き詰めていったそうです。

クリエイターの交流と学びという軸。
マスベさんが繰り返し口にした「適材適所」というワード。
人の特性がパズルのピースのように噛み合う姿。

そこから生まれたロゴは、
噛み合ったり組み合わさったりするところから着想した形になりました。

Hさん、Cさん、Gさんが噛み合うロゴ

ノベルティへの展開

事前のオーダーは、イベントで配布してひろクリギルドをアピールするショップカードのようなもの。
そこからアイデアをどう展開したのか、永戸さんのプレゼンが進行します。

このノベルティの役割を考えた時、ひろクリギルドの軸である「交流と学び」というテーマに立ち戻ったそうです。
やはり文章でアプローチするスタイルなんですね👀

そして、永戸さんが導き出したこのノベルティのミッションは
交流をブーストすること

でもそんなのどうやってやるんだ?という永戸さんの苦悩が語られます。

ミッションを設定して、そのハードルをどうやって超えようというのか、気になって思わず前のめりになってしまいます。
さすがプレゼンが上手い!

そして差し込まれる中表紙
(じらしてくるなぁ〜)

あらわれた謎のアルファベット
(なんだなんだ)

「やっちゃった」
という永戸さんのおちゃめなセリフとともにお披露目されたのは、なんとHCGだけじゃない全種類のアルファベット!

これにはマスベさんも、「かわいい〜」と悶絶していました。
オリジナルフォントができてしまった〜(๑>◡<๑)ウェイウェイ!

会場の皆さんからも歓声があがって、サプライズ大成功の瞬間でした

ここからはインサツビトさんのターン

まだまだサプライズは続きます。

このアイデアを実際にノベルティとしてどのような印刷物に定着させたのか
その姿がついに発表です。

ストックヤードから運ばれてきたのがこちら

透明シートなどさまざまな紙にプリントされたアルファベットをレーザーカットしてかわいくラッピングしたステッカーセット!!!!

拍手喝采が上がって、もう全員テンション爆上がり!
かわいい〜自分のイニシャル作りたい✨
スマホケースに入れて見せびらかしたい

この超絶かわいいノベルティを実現した立役者が、我々の背後にそびえるいかついマシン

どーん!

日本に数台しかない希少マシンらしいです。
白いインクや蛍光ピンクが使えて、オフセットのように精密な表現をしながらもインクジェットのように一枚ずつ刷れるというなんかすごいやつ

実際に刷っているところを見せてもらいました。

スイッチオンして待つこと少々。
すぐ出た!早い!

しかも下地として印刷している「ホワイト」も一度で刷れてる
これは頼もしい!

ほかにもグレーや白、蛍光イエローなど、事前にさまざまな紙に刷られたものがこちら

制作時に実は失敗から生まれた偶然のエピソードがあったそうで。
本当はホワイトを敷いてその上にピンク色を刷るはずが、設定の間違いで色の上に白を刷ってその上にまた色を乗せるようなことをしてしまったとか。
それが案外マットに淡いピンクに見えて大人っぽいイメージになったので、そのまま採用することに。

近くで見せてもらうとたしかにちょっと優しい色合いでした。
その場で印刷に立ち会うからこその巡り合わせですね✨

みなさんへプレゼント

そんな、永戸さんとインサツビトさんの最強タッグで制作された渾身のノベルティを、参加者一人ひとりにお渡ししました
そこから生まれる笑顔の交流は、まさに永戸さんの計画どおり

私もスマホケースに入れてみました(ケースの機種が合ってないけど)

素敵なサプライズをいただいて、運営スタッフ一同もホクホク笑顔でイベント終了となりました〜

記念写真

永戸さん、インサツビトのみなさん、本当にありがとうございました!

写真撮影:山本 直輝

みなさまの声

イベントアンケートでの反応を一部ご紹介します。

クライアントとの打ち合わせの仕方、アイデアの構想の仕方等、とても勉強になりました。
ひろクリギルドさんのロゴ作成での打ち合わせデモンストレーションは面白かったです。

普段知る事ができない細かなデザインのプロセスが伺えて大変勉強になりました。

特に、ブランドを文章で表現してからデザインし始めるという事に刺激を頂きました。また、その文章量が思ったよりも多く驚きました。ブランドの理念が例を用いて具体的にまとめてあるので、クライアントとの意識の食い違いが防止できたり、クライアント側からしても、この人は分かってくれているという安心感が持てて良い事づくしだなと思いました。

さらに、ひろクリのノベルティーデザインも事前に決めた叶えたい思いが全て盛り込まれた素敵なアイデアで流石プロだなと思いました。

クリエイティブでできる幅広い可能性を痛感しました。

私の仕事はいつもどちらかというと、ディレクターの方がいて、その下でクライアントさんの希望のデザインを作るという感じのことばかりだと改めて思いました。またWEB系が多いので、バナーの中の限られたスペースででどう見せるか?一瞬でどのような印象を与えるか?表現するスペースは限られてますし、見えるものだけで表現するという感じではあります。バナーのように基本的には希望のサイズが決まっているという感じです。今回のお話では、ご依頼を受けてからどのように表現するかはもちろん、お客様のことをたくさん深掘りして、つくったクリエイティブがどのような役割をもち、どう貢献するか、納品した先の先まで考えて作られていることお話にとても感動し、自分もいつかそう言ったことまで考えてクリエイティブが作れるデザイナーになりたいと思いました。

一つ一つのお話が、私にとってとてもキラキラ輝いて自分の心に染み渡りました。

アンケートへご回答くださった皆さま、ありがとうございました!

次回イベントのお知らせ

次回のイベントは『バナーデザインのきほん』著者 カトウヒカルさんに学ぶ🔰バナーデザイン添削&ブラッシュアップセミナーです!

『思わずクリックしたくなるバナーデザインのきほん』著者の
カトウヒカルさんをお招きし、バナーデザインの8つの基本を教えていただきます。

イベント概要

日時:2024/05/22 (水) 20:00 - 22:00
場所:オンライン
参加費用:¥1,000
お申し込みは以下のリンクよりお願いします!

さいごに

ひろしまクリエイターズギルドでは、今後も【交流】と【学び】に繋がるイベントを開催していきます。
今後の予定は、公式サイト𝕏(旧Twitter)アカウントにてお知らせしております。
ぜひチェックしてみてください。

最後まで読んでくださってありがとうございました
Tantanでした!

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