生きにくい世の中の渡り歩き方


昨年のI年間は何かとキャリアで悩むことが多かったです。就職先が決まっても、自分自身どのようにそこから歩めば良いのか分からなかったので、ずっと自分の可能性と視野を広げる作業をしていました。その一環で、年末にはアメリカ渡航を果たしました。このように色々な経験を通じて出した、僕なりのキャリア観を共有できればと思います。

①やりたいことでしかキャリアを築けなくなる世界線


I番に感じたことはこのことでした。YouTubeなどのSNSができたことで、自分の好きなこと・得意なことを仕事にできる可能性というものが増えた気がします。それを象徴する出来事が、なりたい職ランキング1位で、ユーチューバーが選ばれたことなのではないでしょうか。副業トレンドと相まって、このような働き方はニューノーマルとなりました。しかし、これからの時代はこのような働き方が賞賛される社会ではなく、このような働き方をしなければ生きていけない社会になるのではないかなと考えています。根拠は3つです。

1つ目は、人工知能による労働力の代替です。これまでの働き方は、会社のデスクに座って単純労働を行ったり、営業などで肉体労働を行ったりして仕事=苦行のような働き方だったのではないかなと思います。しかし人工知能によって、これまで人間が行ってきた単純労働は、全て機械に代替するような社会になります。そのため、これまで苦行の対価として耐えた時間にお金が支払われなくなります。こうなった時、40代、50代から新たな仕事を探していくのは酷なことです。そのために、ある程度は自分の得意なこと・好きなことを極めていかなければいけないんだと思います。

二つ目は、グローバル化による競争の激化です。これまでの社会では、一つの国籍で限られた席を争ってきました。しかし、グローバル化の進展に伴い、重役に就くための競争は国の垣根を超えて世界中で繰り広げられるようになりました。例えば、GAFAをはじめとしたアメリカ企業の役員はインド出身の人が多くなりました。日本ではまだこのような動きは来ておりませんが、今後外国人が役員に就く可能性は十分にあり得るのではないかと思います。そのようになったときに、これまでのゼロサムゲームがさらに激化し、熾烈な競争に巻き込まれることになります。最近では外資系金融や外資系投資銀行を志す学生が多いですが、就職後は自分達よりもはるかに優秀なビジネスマンと戦っていかなければなりません。そのため、待遇が良いからと言って、短絡的にそのキャリアを歩むと熾烈な競争社会に巻き込まれる可能性がありますので、相当な覚悟を持ってキャリアに挑まなければならないと考えます。

三つ目は、終身雇用の崩壊と、退職制度の崩壊です。これまでのキャリアで、60を過ぎた後の引退ライフを想像して、仕事の苦行に耐えるという仕事をしていた方も多いのではないでしょうか。しかし大手企業は今後60歳まで面倒をみてくれなくなります。さらに、このままでは年金制度も維持することができません。労働者層の年金負担率は年々増加する一方であり、現在のような年金は支給されなくなります。そうなると、死ぬまで働かなくてはいけなくなります。だからこそ、自分が70になっても80になっても仕事を続けていけるような職種を選ばなければなりません。自分が一生をかけて楽しめるような仕事を見つける必要性はますます増加していくでしょう。

②自分に才能はないことを受け入れる


二つ目は、自分に才能がないことを認める必要があるということです。これは悲観的な考えではなく、現実的な考えでこの結論に至りました。正直誰もが自分の夢を叶えるということは不可能だと思います。僕の尊敬する人の1人である森岡毅さんは、「自分はどれだけ頑張ったってなすびにしかならない」と仰っていました。なすびがきょうりになろうと頑張ったところで、なすびの延長線にしかいくことができないんです。アーティストやアスリートは誰しもが憧れる職業です。ただそれらは自分の生まれ持った体格や才能によって決定することがほとんどです。だから自分ができないことを早めに受け入れることが必要なんです。例えば、僕は外向的な性格ではないし、色々なイベントや飲み会に行ってもすごく疲れます。今までは、これを治そうと努力していましたが、どう頑張ったってそれを改善して得意にすることはできませんでした。ただ内向的な性格の人が活躍できないかと言われたら、そうでもありません。僕には僕なりの闘い方があるし、それを見つけることのほうがよっぽど建設的です。成功者から学ぶことは重要である一方で、その人のポジショントークでしかない場合がほとんどだと思います。そのような意見も聞きつつも、自分なりの成功法則を見つけることが、社会で渡り歩いていくのに必要なことなのではないかと思います。

③ゴールを作らない


僕は大学までスポーツをやっていたので、これまでの思考ではとにかく逆算的に物事を考えていました。例えば、高校野球では甲子園に行くために今何が必要なのか考えていましたし、第一志望に合格するために今すべきことを列挙していたりしました。しかし、これをビジネスの世界に当てはめることは不可能です。というのも、現在の激変する世の中では、今まで成功とされてきたキャリア観が正解と見なされなくなってきているからです。しかもスマホのようなイノベーションが台頭すれば、これまでのルールが一変する可能性もあります。日本では孫正義さんが、自分のキャリアを20代、30代、40代、50代と分割して目標設定をしているのが有名な話ですが、これからの社会では、目標を立てたことで自分の興味がある波に乗れなくなってしまう可能性があります。それよりも自分が興味のある領域を少し試して、辞めるという繰り返しで、迫り来るイノベーションの波を乗りこなしていったほうが、柔軟にキャリアを立てることができると考えます。

自由に生きることがしんどい世の中でどう生きるか


最近は、色々なところで多様性が重視されるような世の中になりました。もちろん自分の好きを表現できるとか、自分のアイデンティティを大事にされるような世の中にはなりましたが、若者にとっては正直とても生きにくい社会になっていると感じます。色々な点で。例えばキャリアでは、良い大学に行って良い企業に勤めることが、幸せな人生を享受するための正解とされていましたが、この価値観は過去の遺産になりつつあります。自分の職種を自由に選べるような世の中にはなりましたが、将来自分のクビを切られるのも全て自己責任という価値観になります。そうなってくると、僕らは一生息つく暇もなく、一生仕事をしないといけません。外向的で色々なことに挑戦できる人間にとっては良い世界線なのかもしれませんが、安定的なキャリアを築きたい人にとってはいきにくくなる世の中になるでしょう。また結婚に対する価値観も非常に多様化しています。これまではお見合い結婚が主流で、結婚にある程度の妥協はつきものでしたが、結婚の自由化が進んだことで、人気な異性とそうでない異性との差がより一層強くなりました。さらに草食系男子という言葉が生まれたのは、SNSの台頭が大きいのではないかと思います。下手なことをするとすぐにその噂が世界中に拡散されるので、男性はより一層消極的になっていきます。平均所得が全体的に低下しているところも主な理由として挙げられるとは思いますが、このような社会変化も触れていかなければならないと思います。

そんな社会でもがむしゃらに頑張る


こんな生きにくい社会でも、僕たちはがむしゃらに頑張らないといけないというのが僕の結論です。何がやりたいのか・どんなことが得意なのかみたいなハラスメントが流行していますが、これに向き合わないと自分が良かったと思えるような人生を歩むことができなくなります。多様性が尊重された社会では、なかなか自分と同じような価値観を持つ人を見つけることは難しいですが、SNSを通じて理解者を見つけることは可能です。色々な点で非常に生きにくいですが、世界中のどこかには、自分の考えを理解してくれる人が必ずいます。だから否定されても非難されても良いから、勇気を持って自分の意見を発信していきましょう。正直僕もどのように生きれば良いのかわからなくなる時ばかりですが、それでも自分なりの解を持って日々過ごしています。人生100年と言われる世の中で、100歳になった時に良い人生だったと回顧できるような素晴らしい人生を歩んでいけるよう、お互い頑張っていきましょう。

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