「読書は、心の食物だ」〜『修身教授録』より
先日の読書会人間塾で、森信三さんの『修身教授録』を読みました。第1回の課題図書になって以降も何度か取り上げられており、読書会で読むのは今回が6回目。読むたびに違う部分が心に引っかかる、不思議な良書です。
読書は、心の食物
今回、僕の目にとまったのは「第1部 第9講 ─ 読書」のなかの一節。
読書が、われわれの人生に対する意義は、一口で言ったら結局、「心の食物」という言葉がもっともよく当たると思うのです。
「読書は、心の食物」という指摘は、感覚としてよく分かります。しかし、森先生がこの「心の食物」に向き合う姿勢はとても厳しいのです。
読書はわれわれ人間にとっては心の養分ですから、一日読書を廃したら、それだけ真の自己はへたばるものと思わねばなりません。肉体の食物は一日はおろか、たとえ一食でもこれを欠いたら、ひもじい思いをするわけですが、心の養分としての読書となると、人々はさまで考えないでいるようですが、諸君らの実際はどうでしょうか。
これは諸君らが、今日自分は心の食物として、果たして何をとったかと反省してみれば、だれだってすぐに分かることです。
一日読書をしなければ、自己がへたばる…(苦笑)
いまの時代なら 本に限らず雑誌や Web記事、note、SNSなどでどんな文章を摂ったのかも同じですね。心の養分になるものか、よくよく考えた上で取捨選択していきたいものです。
なお、読書については、別の箇所(第1部 第20講 雑話)にもこんな言葉があります。
人間も自己を築くには、道具やこつが必要です。この場合道具とは読書であり、こつとは実行をいうのです。この二つの呼吸がぴったり合うところに、真の人間はでき上がるのです。
よい道具を手にしたうえで、実践を通じてこつを磨いていきたい。そんな風に感じました。
2020年は読書会も100回を迎える年。これまで出逢った良書を意識して再読する機会にしていきます。
修身教授録 森信三先生 講義語録
修身教授録に登場する講義のうち、特に印象に残ったフレーズをQuora上にまとめました。上で挙げた「読書は、心の食物」の他に、次の言葉を紹介しています。
◎使命と覚悟
◎人生二度なし
◎坑道を切り開き、鉱石を発掘する
◎眠っている魂をゆり動かし、呼び醒ます
◎四十になったら、必ず一冊の本を書く
※修身教授録については、致知出版社の公式noteもぜひ読んでみてください。
次回読書会は『佐藤一斎「重職心得箇条」を読む』
ちなみに、2月29日には 安岡正篤 氏の解説講義録をもとにして、佐藤一斎 著「重職心得箇条」から学ぶ読書会を開催します。
十七条憲法を模して十七の心得としてまとめられた『重職心得箇条』には、経営者やマネジメントの役割を担う人には耳に痛い言葉が並んでいます。
本書は、安岡正篤氏が昭和54年に住友生命 全国支社長会議で講義した内容がもとになっています。本文73ページ、付録をいれても96ページという短い本なので、あっという間に読めるはず。
佐藤一斎や重職心得箇条にご興味あれば、読書会を覗きに来てください。
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※読書会は、東京・関西・名古屋で毎月開催しています。
・「人間塾」本部会概要 (東京・関西・名古屋) | 人間力を高める 一般社団法人 人間塾
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