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建築家 廣部剛司 言葉と音楽と建築と

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建築家の廣部剛司が思い立ったときに書いていくnoteを作成しました。
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2019年10月の記事一覧

アトリエのイタリア紀行

アトリエのイタリア紀行

 事の起こりは、シチリアの美術館に行きたいと思い立ったことだった。

建築家 カルロ・スカルパが、そのキャリアの初期(1954年竣工)に手掛けた「パラッツオ・アバテリス」は第二次世界大戦中に爆撃され、瓦礫になっていた建物を修復していった建築で、シチリア州立美術館となっている。

 スカルパは、学生時代からずっと気になり、幾度もその作品を辿っているけれど、ずっとシチリアには足を延ばせないでいた。

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