見出し画像

主様の手のひらで踊る輪舞曲は、甘美な香りと味がするんだ

このnoteは、はれのそらさんによるプロジェクト「推しマガ3」に参加しています。


【お断り1】筆者は「ジョジ民」で「めぐるーまー」で「メイト」で「朝ノ衆」で「バルス箱推し」「スバ友」です。従って、本文章には多分な偏見などが含まれます。また、本文章は筆者の個人的な見解・主張であり「VRonWEBMEDIA」「株式会社81plus」の意見・主張を代弁・代表するものではありません。
【お断り2】本文章には、VTuberにおける、いわゆる「中の人」(「魂」「演者」など)に言及する内容が含まれていますので、お読みになる前に予めご了承くださいますようお願いいたします。

私には、三組の「最推し」がいます。

一組は「MonsterZ MATE」。

彼らについてはこちらのnoteでも散々語ってきましたし、各所でだだ漏れしてますのでご存知な方もいらっしゃるかもしれませんね。

二組目は先日もつぶやきで宣言しました「朝ノ姉妹ぷろじぇくと」。

最近はこんな超弩級のコラボまで決めちゃうなど勢い絶好調。デビュー直後から瑠璃姉を追いかけていましたが、やっぱりこの二人は報われなきゃ嘘だと思う。

そしてもう一組、それが我が主様、「九条林檎」さんです。

画像1

過去にこんな記事を書いていますし、

すでに多くの方が素晴らしい紹介記事を書かれていますし、

ご本人がnoteで様々な記事を書かれていますし、

ぶっちゃけてしまうと、KAI-YOUさんのこのロングインタビュー記事(有料)が白眉なので、もはや自分がこの場で語れることはあまりないのかもしれないのですが、

それでも私は今一度、主様を「推し」たいと思います。


我は領主であるから、人の心の移ろいを嫌というほど見てきた。あの人があの人の悪口を言っていたとか、あるかないかもわからない些細な噂ですらコミュニティは瓦解し得ることを知っている。

プラスして、我自身がギークであるところから、コミュニティが原因で崩壊したコンテンツを三度も見てきた。そうするとどういったコミュニティトラブルがコンテンツまで入り込み、崩壊させるのかが段々わかってきたんだ。

それ以来、もし我がコンテンツホルダーになったら、そんなコミュニティは生み出すまい!といろいろとアイデアを練っていたので、それを実践しているというわけだ。

その大きな一つがファンネームを定めないということだな。よく間違われるのだが、我の周りでよく使われる「ディナー」というのはファンネームではない。吸血鬼たる我から見れば人間はみな等しくご馳走であるので、熱心なファンやそうでないもの、そもそも我を知らないものまで人間はまとめて「ディナー」と呼んでいる。

「配信をたまにしか見れてないですし、私はディナー失格です」と言ってくる人間がたまにいるんだがこれは典型的な誤用だ。なるならないではなく、貴様ら人間は生まれた瞬間からディナーだ。

ーKAI-YOU Premium「目指すべきコンテンツの在り方と、その敵」より無料記事部分の一部を引用

主様についてお話するときに欠かせないのが、バーチャルタレントの中でも非常に特異と言うべきスタンス「コミュニティトラブルを生み出さないスキーム」の実践です。

現在のバーチャルタレントという概念は非常にエンタメコンテンツ的であり、であるがゆえに「タレントとファン」という関係性がとかくクローズアップされます。

時にはアイドルとその追っかけのように激しく燃え上がり、時には才能高き歌手とそれに憧れる若人のように甘美な香りを漂わせ、そして、名俳優と古参の愛好家の間に流れるバイオリンのように崇高な響きを奏でる、そんな多種多様でありながらも、「目に見えない堅い絆を求め、与える」という意味で共通している関係性。我々が求めているものこそ、この「結びつき」にほかなりません。

そしてこれら「求める側」は、極上の餌を追い求めるハイエナのように「情報」を欲しがり、その結果同好の志との間でしばしばコミュニティを形成します。昔はそれらコミュニティのプラットフォームが文通や固定電話だったものが、いつしかFAXになり、電子メールになり、Webサービスになっていきました。今ではファンコミュニティになり得る場所は、それこそ石を投げれば何かに当たるくらいの勢いで、有象無象に存在します。

しかし。

主様は、そんなファンの「横のつながり」をバッサリと切り捨てます。

切り捨てる、というのは流石に語弊があるので言い換えますと、「主様は活動を開始して以来、一貫してファン同士の交流を推奨していません」。

その代わり、主様は我々に対し、いつの日も欠かさず、こうお声を掛けてくださいます。

「我推すときは、我を見ていればいい」
「我がいる場所には貴様がいればそれでいい。貴様が我から離れるその時まで、二人でいよう」

これ!

これなんすよ!!(机をバンバン叩く音)

主様が現在に至るまでファンネームを作らず、ファンによるDiscordなどの拠点制作をも許さず(というか推奨せず)、そして「人間とは心移ろい行くもの」とファンが離れることも厭わず、「ずっとふたりでいよう」と真正面からファンの愛情を受け止める。

それはつまり、自らが「コンテンツ」であることを完全に見きった上で、彼女が導き出した一つの答えなのです。
どうすればコンテンツである自分を最大限楽しんでもらえるか、どうファンと接すれば、自分を追いかける人たちに等しく良質なコンテンツを届け続けられるか、そして、「バーチャル蠱毒」という、ビザールの極みとも言うべき事象から生み出された「九条林檎」を、如何にして薔薇のように甘美で芳しい香りを誇る、荘厳な味を含んだ極上の「コンテンツ」として成立させるか……
これらに対する彼女なりの「Q.E.D=証明終了」なのではないか。

お盆休みの最終日に #シロ生誕祭 へ出演し、素晴らしい存在感を見せつけた主様のお姿をYoutubeのアーカイブで拝見しながら、いつの間にかそんな考えを巡らせていました。

そんな時間が愛おしい。

主様のことを考え、考察し、自問自答するそのプロセスすら、自家中毒的なキモさを通り越して、もはや愛おしいのです。


私は主様と出会えたこの世界線に魂を宿すことができたことを、心の底から誇りに思います。

そして、バーチャル蠱毒の頃からすでに決意しているのです。私は、主様の手のひらで、主様がいなくなるまで、輪舞曲を踊り続けるんだと。

それが、冴えないオッサンからの、ささやかなエールです。

2020/8/15 大森弘昭