高等遊民、いえをかう。いえーい!
この記事は
はんどんクラブ アドベントカレンダー2024 3日目の記事です。
無職でも家を買う権利はある
思い立ったが吉日なので、家買うことにしました。そのレポートです。
はんどんでは過去に
- はんさん https://highemerly.hatenadiary.jp/entry/2023/12/01/000703
- りおつさん https://note.com/rio_tc/n/nd6aa15fa7a78
- ぽにょさん https://note.com/s_ire_n/n/n8534395e3db6
のような立派なおしゃんなお家の建築レポートがあり、とても参考にさせていただきました。わいも色々と本を書い勉強したんですが、なんかすっごくファイナンシャルプランナーとか宅建に興味出てきました。AIで良くない?とかは言いません。
家を買うのは果たして得なのか?
賃貸派、購入派、様々な意見があるようですが、たくさんの情報を集めた結果、「結局、どちらでもいい」と思うまじ。では、なぜ「いま」家購入を決断したのか、その理由を:
建築費の高騰 首都圏の建築費や地価、人件費が今年だけで急上昇しました。材料費は約2割も高騰し、家財や水回りの設備費用も上がる一方です。土地はもちろん跳ね上がってますが、建物価格も跳ね上がってます。5年前とかと比べても既に1.5倍程度もあります。住宅パンフレットに記載されている価格では、もはや家は建てられません🧐都市部では坪単価が平均100万超えている。
金利の上昇 ローンを変動で借りる場合は少しずつあがっていく金利上昇に怯えながら借りる必要があります。とはいえ、アメリカの住宅金利7%と比べると日本の金利0.5%以下はバカです。こんな低金利、借り得すぎるが、ついに金利が上がりました。たぶん、今後も上がるでしょう。
インフレ 少子高齢化により労働力が減り、一人当たりの総生産は減少傾向にあり、さらにデフレ戦略からの脱却を目指す現状では、インフレは避けられません。お金の価値は下がり一方ですが、土地はインフレに強い資産と言われる。
住宅ローン減税という強すぎる施策(なので少し弱まりました☹️)、団信という強すぎる保険、超絶低金利、35年~50年という長期でもローンが降りる時代、間違いなく買い時です。基本的にローンについては借りるほうが得でしょう。特に長期的インフレならば、長く借りれるならそちらの方が得なはず(インフレ前の値段の借金なので、インフレするとお得になるのだ)。
家を買うと決断すべきだったのは間違いなく5年前だった…。
最近のトレンドは「変動の低金利をできるだけ長期で借りて、頭金を一切入れずにその資金でNISAとかで資産運用する」のようで、それを勧めている書籍も多くあります。住宅ローン金利が1%超えると、ローンだけ考えれば頭金を入れたほうが得らしいんですが、アメリカ国債でさえ4%っていうインフレ時代に、どうするかは考えものです。
もちろん、将来金利がグンと上がって「もう味がしなくなったガム」と化すれば、残金を繰り上げ返済する作戦ではあるので、ある程度の手持ち資金か、毎月の収入の1/4くらいをNISAにブチ込める余裕がほしい。あと30年後も売れる土地かどうかも大事とかいうが...そんなの分かってたら不動産屋をやってんねん。
とはいえ、この高騰が落ち着けば、人口が減り相続され多くの家が売りに出されると考えるのは容易で、外国人購入規制など将来的にあれば物件価格は大幅に下がるでしょうから、いまは賃貸で凌ぎ、しばらくして安定してから家を買うのが一番オトクだったなんてこと、普通にあると思います。でも本を読むと、頭金を貯めるよりインフレのほうが早いから今すぐ買ったほうがいい!などと書いています。無責任だなあ~
どっちにしろ何かしらのリスクを背負うことになるので、好きにしましょう。私は好きにした、君らも好きにしろ。
ローンに関しては次の2つの本を読みました。良い本でした。
家にいくらかけるか
これに関しては下のシミュレーターを使いました。細かく設定できるのでおすすめ。
銀行で借りれる限度は大体年収の7倍程度くらいだそうです。5倍くらいがボリュームゾーン。ただしこれは全国であり、首都圏のみであればもっと高い。ペアローンを組む世帯も多く、収入が苦しい高等遊民帯ではなくパワーカップルなどがペアローンを組むため、タワマン価格がぶち上がるカラクリだそうな。
なお、職業差別が横行しているため、無職は殆ど借りれません。
銀行は多様性を受け入れない。助けてフラット35!!
・・えっ、誰にでも貸してくれると噂のフラット35でも無職に貸してくれないのマジ!?
高等遊民も立派な職業であることを、きちんと法律化するためにボクは立ち上がりました。皆よ、いまだ突撃せよ立法府。
どの家を買おう?
まず、買わないぞっと思った家、つまりNGから決めました。
- タワマン:ダンレボができない。したことはない。
- 分譲戸建て:似たような家が立ち並ぶため、お隣さんちに間違って入るかもしれない。
- 坂が多い土地:足がもげる。
資産価値から言うと次も外しました。
- すっごい郊外。限界ニュータウンになりたくない。
- 交通の便が悪い。治安が悪い。
- 土地の形が悪い。旗竿地とか。
次にもちろん家の幸福度を調査しました。
幸福度を計算にいれるやつ、おりゅ?
おりゅ!高学歴な皆さんは当然考慮しましょう。低学歴でも考慮しましょう。シムシティだってトロピコだってアノだって住民の幸福度を見るでしょうが。幸福はデータで計算できるのだ。
ホームズ住宅幸福論 Episode1 / Episode2
https://www.homes.co.jp/souken/report/201804/
https://www.homes.co.jp/souken/report/201905/
2019年なので少し古いものではありますが、良い資料です。感謝。
ざっくりというと:
家の幸福度は基本的に居住面積、家賃や月額ローン、駅からの距離で決まる(と主張している)。
家の大きさの幸福度は90平米以上は鈍化し、150平米あたりでサチる。
月額の負担割合が10~20%までなら心的負担は少ない。負担40%で急激に落ちる。
駅からの距離は7分以内の幸福度が高くピーク、15分以上は急激に落ちるが15分内であればそんなに大差はない。
他に気になる点として
住宅スペック:幸福度あんまり関係ない
持ち家 vs 賃貸:そんなに変わらん
マンション vs 戸建て:場合による
新築分譲 vs 中古リノベ:ほぼ同じ。
つまり、幸福度は立地で稼げ、ということになるのだと勝手に解釈しました。
ということで以下の条件で戸建て中古物件を探す:
駅から徒歩12分以内(幸福度コスパを考慮。11分~12分は10分以内と比べてやすくなる傾向があるらしい。SUUMOなどの検索にひっかからなくなるため。「1~5分」のいわゆる「駅近」な物件における平均平方メートル単価を100とした場合に、「6~10分」は約7%の下落、「11~15分」は約20%の下落、「16分以上」は約35%の下落するらしい)
沿線沿いではない。うるさい。かといって遠いのもきつい。バス停近ければ、遠くても行けるか?
延床面積120~150㎡くらい(幸福度のサチるところを狙った)
延床面積は土地面積と建ぺい率で決まります。最近は土地価格が高いため、家を小さくしてZEHを取りに行くのが流行っている。月々の保守コストも抑えられる。工務店の収益も良いらしく、やたらと推されているが、別に住民の満足度がそう高くなるわけではないみたい。スーパーや病院、コンビニが徒歩圏内。
急行やら特急やら快速が止まる、大都市部に近いなど交通の便が良い。駅の周りが栄えている。栄えていても飲み屋街とかパチンコがない。
治安が良い。周りの環境が良い。周りの家がきれい。
周りが私道ではない。6mくらいの大きな公道に面していて、かつ車の往来が少なさそうな場所。
南向き。土地が変な場所・坂にない。土地の形が良い。
理想の土地は簡単には見つからない
んで、色々と吟味すると、まずそんな土地が見つからないんすよ。良い土地は手放しません。あとまじで高い。10年前に買った人は全員勝ち組だよ~~。人が多すぎる都市圏では最早良い場所がお手頃価格で売りに出されることは永遠にない。でもでも買い急ぎすると地面師に騙されるってNetflixでみました。慎重に行きましょう。もうええでしょう。
→ 妥協により中古リノベすることにしました。
中古リノベのための良い家を狙う戦略
中古リノベとは中古を買ってリノベーション会社にリノベしてもらうことです。だいたい新築や建て替えに比べて安くすむだけではなく、良い土地が比較的手に入りやすいという大きなメリットがあります。一方で住宅ローン減税が少なくなることや、理想の間取りを探すのに制限がかかります。間取りはリノベである程度なんとかなりますが、ならないときもあります。中古市場だと値段設定も怪しいものがありますし、そもそもリノベができるかを考える必要があります。
新築って買った瞬間に資産価値が8割になって、20年でほぼゼロ(仕組み上は)になる。海外だと中古物件市場は大きいのに日本は新築至上主義ですね。なので築20年くらいのものはお得になるとのこと。はい、これは受け売りです。
建て直し新築にするかフルリノベにするかは迷いどころですが、単純に高等遊民に大金は出せなかったのと、注文住宅で建てるような理想郷が浮かばなかった。
ちなみに、探していくうちに次のようなものも条件に入れました。
2000年以降に建てられた中古物件。2000年で耐震基準が変わったため、強度がより高いらしい。1981年以前の建物は旧耐震基準であり、このレベルになると、過去の震度6強~震度7が2回も起きた熊本地震では半分が倒壊している。
木造。ツーバイフォーは間取りはあまり変えられません。ラーメン工法だと変えられる。ラーメン工法というのは、よくわからないけど名前から察するにラーメンで家を建てるんだろう。おかしの家の亜種だ。地震はどっちの工法も強い。ラーメンは地震に強い。
ハザードマップで安全地帯なところ。保険も安くなる。
ルーフバルコニーではない。維持費がものすごいので。間取りはリノベでなんとかするお気持ち。
激細3階建てではない。それなら同じ値段でもうちょっと広めのお家に住みたいお年頃。
掘り出し物というものが中古には存在します。売り主と価格交渉もできます(しました)。なかなか売れない物件は交渉により安くなりがちです。土地の価格はだいぶ計算しました。具体的には次の神ツールで調査などを行いました。でも土地価格は時価なのであくまでも参考です。
さらにはいろいろ本を読みましたが、特に次はおすすめします。良い本です。
いくら安くとも、違法建築物件も見送りました。資産価値が厳しい。
ちなみに最終的にいくつかの条件は変わってます。駅徒歩15分以内とか、実際歩いたら足がもげたのでもっと近くすることになった。
リノベ
良さそうな家を運良く手に入れたので、家の装備を考えました。
これも当然、建築士の考える人気ランキングを全吟味したうえで、値引き率(工務店により仕入時に市場価格から値引きが入る)を考慮して幸福度コスパ重視で選びます。いや選ぶつもりだったんですが、ちょっとずつ良さそうなものを選ぶと総計して高くなる例の罠に色々ハマりました。あれれ~最初の見積もりよりずいぶん高いにょ~~
ショールームにもそれなりに行きました。すべて見ないと気がすまない派なので、すべて実際に見にいって色指定を入れました。家具等の配置は最近はお手軽にシミュレーションできますね。外壁の色味もシミュレーションでおこして工務店に参考ということで画像を送ったりもした(なお、結局工務店のデザイナーから提案されたものの方が圧倒的にかっこよかったのでそちらにした模様)。色味って写真と色が違うことが多すぎる。キミ、写真とちがくない?
工務店が選ぶ人気ランキングとかも見ました。2024年度一般家庭だと、キッチンは上位グレードがLIXIL、中位・下位がクリナップ。お風呂はTOTOサザナ。トイレはTOTOかLIXILらしい。とはいえ各社できること、できないことある。
■ 吟味したもの ■
キッチン全般
どうしても食洗機の良いものが欲しく、ミーレを入れました。「浅型食洗機だけは止めろ」とどの文献にも書いてます。使わない人は使わないですね。いいお皿を沢山持っているご家庭は付けても使わない人が多いとな。
オープン型キッチンは掃除できる人なら買え、ということでした。かっこいいのは確かにオープン。トップに関しては人大(人工大理石)、セラミックなど多岐にわたりますがデメリットもそれぞれあります。どこのメーカーも3ランクあり、一番安いのが値引き率も高くコスパが良いそう。が、なんと仕様上、低グレードなものには大きな食洗機が入りません。ひどい。ずるい。ケチ。お前の母ちゃんデベソ。カップボードも既製品をいれたりそこだけランク落とすと安くなるテクニックとかあるのですが、そんなわたしの意見が家庭内稟議に通るわけはなかった。
キッチンその他
キッチンにコンセントを付けた。意外と安い。
タッチレス水栓は選ばなかった。つけてよかったランキング常連のオプションだが、誤作動するとか水圧結局変えられない未来で腹が立ちそう。浄水器もいらんかったので、付けてない。
吊り戸棚は消した。電動吊戸棚は憧れに見に行くが値段と実際の使い勝手が釣り合ってない。
洗濯機と乾燥機
ドラム式だったのですが、乾太くんへと裏切りました。買ってよかったもの1位に選ぶ人がいるくらいには信者が多いので期待している。洗面所
最低800は必要とのこと。大きいほどかっこいい。2つ付いてるとさらにかっこいいが掃除する面積も増える。ハイバックタイプ(水栓が上からついている)にする。造作風洗面台という選択肢も提示されましたが、既製品の方が好きだった。窓
断熱性能。アルゴンLow-E複層ガラスに樹脂サッシが鉄板とされているらしいので脳死でそれを入れる。トリプルサッシはオーバースペックだと言われてたので見送る。トイレの場所
リビングとは壁2枚挟めとはよく言われている。間取り
今風にするつもりだったが、あんまりしてない。扉
ロボット掃除機時代なので、吊戸にした。人感センサー
みんなが入れろっていうスマートドア
みんなが入れろっていう猫課金
猫が登れそうな出窓を用意
■ いらないとよく言われるのでリノベで消し去ったもの ■
風呂の窓
リノベで窓は埋めました。鏡とか棚も掃除面倒なのでいらない流派もある。付ける人もいるとのこと。でかすぎるとダメと怒られてマイホームの夢であるデカ風呂サイズは見送りました。人大は5万円くらいでできますが、掃除が楽になるのでよくオススメ課金として有名らしい。勝手口
防犯面や断熱の問題で最近は忌避されるよう。和室
欲しい人も一定数はいるみたい。備え付けエアコン
買ったときにはついてたけど外してもらった。建築デザイナーはなぜかエアコンを憎しんで視界から消したがる。
■ オススメされたけど高等遊民には厳しかったものや、そもそも入れる気がなかったもの ■
お風呂の自動洗浄(by はんさん)
ほしかったけど、シャワー派でほとんど入らないのにそこそこ高いらしい故障リスク抱えて20万は出せる?出せないよねってロジハラを受けた。お風呂の自動洗浄を入れられるお宅は金持ちなので重税をかけるべきだと思う。あとベストバイ記事の上位にその年のiPhoneを持ってくる人にも。屋根裏
物件探ししていると付いている家がいっぱいあったが、いらんってみんなゆってる。太陽光+オール電化
計算するとオール電化は損をしてしまう。導入費用が高いため、リノベオール電化は厳しい。エコキュートも値段が高いうえに、そこそこ高めな故障リスクを抱える。太陽光のみだとリースでトントン、全部実費購入でほんのわずかに儲かる。儲かるが、200万円くらいかかるので、一般人はそのぶん夫婦分のNISAさっさと埋めるほうが重要な気がする。もちろん強い補助金が出る地域かに依存する。今後補助金もすっごい出るのならすっごい買いでもある。
太陽光パネルや蓄電池は次から次へと新性能の新商品がでるので、買い時が難しい。いつかいれたい。無垢床
ロボット水拭き掃除とは相性が悪い。ルンバ基地
いらないと思ってる。ルンバなんて性能や大きさ変わるので、専用のルンバ基地を設計してもらっても困る。いまなんて階段登るんだぞ、ロボット掃除機(Link)。すっごい外構
高級住宅感あふれるデカ門扉フェンスアプローチ天然芝に憧れていたのですが、費用高すぎるのと、そもそも今流行りじゃないってらしいのでやめました。管理?できない。どうせ庭はたぶんボーボーになる。がちがちのガレージ車庫
なんか数年経ったら、自分の車を殆ど使わずに自動運転車乗ってそう。スイッチニッチ
壁にニッチ(壁を凹ませた窪み)を設けて、家中の操作スイッチを集約させるやつ。好きかどうかによる。かっこいいスイッチ
電気のスイッチ、ちょっとおしゃれなデザイナースイッチが一気に高くなるのなんなんだ。
■ 意図せず気づいてたら入っていたもの&消せなかったもの ■
ベランダ
消したかったが(修繕費が高いのだ)コスト計算すると消すほうが高いので諦めた玄関吹き抜け
こいつのせいで延床面積がすっごい減っている天窓
電動シャッター(便利とはいえ、最近のシャッターは手動でも軽いのでいらないと思う。撤去費のほうが高い)
洗面所暖房(便利)
パナソニック製品
LIXIL製品
保険
火災保険・風災保険などある。風災が最も申請数が多いので必須。
水災は、適用条件が厳しいのが罠。危険地域ならいる。地震も実は4割程度の加入者しかいない。南海トラフ地域は必要。
総評
中身は性能コスパ厨が作ったような家になりました。デザインは周りの人間が考えてくれました。わい、ほぼノータッチ。工学部と建築学部の良いところと悪いところがうまく組み合わさったと言えよう。抑えれるところは抑え、必要なものにはぶっ込みました。
Youtube動画は100動画くらい見て、レビュー動画を漁ったので、コスパ厨極まってきた。資源管理の厳しいシミュレーションゲームをやりすぎた結果でもある。
他に運が良かったのは、不動産営業の人がめちゃめちゃ良かった。あの人はトップパフォーマンス叩き出してるんだろう、と感心してました。
家の性能とか資産性だけではなく、頑張って治安とか周辺環境も見ました。お金に変えられない価値がある。買えるものはマスターカードで。これ、今考えてもほんまにいいCMだな。
おわりに
実はまだリノベ工事が終わっていません。助言があったら今のうちに言ってくれると、まだ間に合うのです。今!助言を!わいに!
ということで、おわりです!読んでくれてありがとう。
はんどん第2アドカレの24日にも何か書きます。