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フィッシュマンズ最大の謎曲「トナカイ」の映像は確かにあった!

前回のジェフ・ポーカロの命日について書いた8月5日は自分がnoteに投稿始めてちょうど1年経っていた。最初の記事はこれだった。

ちょうど映画フィッシュマンズが公開されて気持ちが盛り上がっていて映画の中で「誰かを捜そう」がとても重要な位置で使われていたことで書き始めた記事だったと思う。

映画のかなりの部分に自分がカメラを回した映像が使われていてさらに盛り上がって書いたのがフィッシュマンズ山中湖レコーディングについての記事だ。

今でもとても読まれている記事の2つだ。そしてこの山中湖レコーディングの最大の謎であった「トナカイ」の映像が遂に発掘されたのである!

それは先頃発売された映画フィッシュマンズのBlu-rayスペシャルボックスに収録されていた。
【Disc1】:「映画:フィッシュマンズ」&「特典映像」
【Disc2】:「闘魂2019」ライブ&「闘魂:フィッシュマンズ」

映画フィッシュマンズ本編「闘魂2019」ライブと映画フィッシュマンズのメイキング的な作品「闘魂:フィッシュマンズ」の2枚のBlu-rayが収録されている。Amazonのユーザーレビューなども映画本編に対する賞賛の声でいっぱいだがここではDisc1に収められた映画フィッシュマンズの「特典映像」について触れてみたい。

特典映像は以下の通り。
1.『1991.9.7 新宿ステーションスクエア』の「ひこうき」のライブ映像の完奏バージョン〜新宿ヴァージンメガストアの周年記念でなんと新宿ALTAの真正面にステージを作ってもらった時のライブ。確かフィッシュマンズにとっては2度めの野外ライブで当時の佐藤君が「今まででサイコーのライブ!」と言わしめたライブだ。8mmハンディカムで撮ったとは思えないほどの綺麗な映像&音だ。ライブの音もとてもよく7月の後楽園ルナパークでのライブで素晴らしいマッチングを見せたZAKが既にライブPAを行っていたのだと思う。初期の特報動画?で使われていた「こんにちは。ザ・フィッシュマンズです!」♪ドラムブレイク〜のオープニングもあるはずだから全編見たいものである。

2.アルバム『King Master George』山中湖レコーディング風景
本編でもかなり使われていた『King Master George』のレコーディング・セッション。前半は「土曜日の夜」のリズム録り。スタジオでの柏原君が構成やリズムに対して具体的な指示を出していて既にこの頃から制作面での手腕を見せている。後半は例の”夜の放課後”セッションの様子でのちに「トナカイ」となる即興演奏のパートで今回の特典映像の最大の目玉だろう。抜粋されてはいるものの本当に存在した!上記で書いた記事での記憶とそんなに違っていなかったが小嶋=佐藤=茂木の最初期フィッシュマンズの3人のコンビネーションの凄さが改めて伝わる。そしてコントロールルームでのプレイバック風景も興味深い。プロデューサーである窪田晴男さんの兄貴のような佇まいが新鮮でこの時点で「マイルスみたいなトランペットを入れよう!」と言っていてちょっとおかしい。またこの時期の体育会のような各メンバーの修行があって後に世界から驚かれるような音楽のクリエイティブが産まれたのかと思うと感慨深いしよくこんな奇跡的なタイミングの映像を撮れたものだと思う。今思えば怖いもの知らずだった。

3.『ORANGE』のレコーディング風景
ロンドンレコーディングはディレクターのY本君だけで行ったのでフッテージが必然的に少ない。まあ手前味噌だが自分が宣伝で動いている時代が一番フッテージ映像は多かったと思う。そういえばシュガーさんがギターを弾いたライブも何本かあったと思うが音源残っていないかな。

4.木暮晋也/小宮山聖インタビュー
5.HONZI/関口DARTS道生インタビュー

映画本編に入らなかったサポートメンバーのインタビュー集。どれも興味深い。木暮っちと小宮山君から見たフィッシュマンズ観が面白いしダーツさんはさすが大人のプロフェッショナルとして参加したことが分かる。HONZIさんは本人映像にメンバーや植田マネージャーのコメントが載るものだが「同じフィッシュマンズのキーボード奏者」としてのハカセのコメントが泣ける。ハカセは木暮氏や小宮山君へのコメントも愛が溢れていてフィッシュマンズのハカセとしての自覚を感じる。

という訳で【Disc2】:「闘魂2019」ライブ&「闘魂:フィッシュマンズ」も非常に見応えあるし、円盤を押さえておきたいという方は絶対にスペシャルボックス版をお勧めする。いまだに映画フィッシュマンズはロングラン上映されているのだが海外上映も決まったみたいで本当にすごい。手嶋悠貴監督と坂井プロデューサーの情熱にはマジでリスペクトである。

話題になったフジロックではスカパラとハナレグミによる「いかれたBaby」やORIGINAL LOVEのサポートで活躍する木暮氏、クラムボンも久しぶりに見れて原田さん自身の素晴らしい音楽を確認出来た。ハカセが参加したLittle Tempoの渋谷クアトロライブも素晴らしかった。フィッシュマンズ本体が出演する9月の秩父のフェスは比較的自宅から近い場所だ。久しぶりのライブを楽しみにしてしている。

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