ロス

【ロス】
ガッキーさんと星野源さんが結婚らしい。
おかげでロスの人がいっぱいいるみたいだ。
まぁ、自分は別にロスじゃないので
「おめでとー」
って素直に思うってか、毎日コロナコロナでおまけに大雨で災害で、っていう中、こういう幸せなニュースはほっこりするよね~と、まぁそれくらいかなぁ。
ところが、だ。
今日の夕方、ある電話がかかってきた。
「ありがとうございます!モダンタイムスです・・・」
「お世話になります・・・京都銀行の○○です。」
声のトーンからして、あまり、よい話でもなさそうだ。
「お世話になります~」
あーこないだの借金増額の話か・・・ダメだったんでしょ?と思いながらも、できるだけ明るく返事をする。
「あ、まず、あの、こないだの借り入れの件、通ったんですけど・・・」
おぉ!ラッキー!!
じゃぁ・・・
「あの、それで、なんですけど・・・」
ん??
「あの、僕、転勤が決まりまして・・・」
「えええええええ!!!」
この担当さんとは、ひよこを始めた時にお金を借りて以来のつきあいで、
月末、家賃などの引き落としの際、お金が足りなかったらいつも電話をかけてきてくれて
「か、角口さん!すんません、引き落とし金額が足りないです!今日の3時までにあと2万円・・・」
「うぉぉぉ!すんません!すぐ入れます!」
こんなやり取りを、何度やってきただろうか。(←ダメじゃん!)
これほど丁寧な対応をしてくれる銀行員さんを、私は他に知らない。
健康にお商売をしていくにあたり、お金は血液だとよく言われる。銀行さんとの付き合いは切っても切れない、大切なものである。
そして、同じ銀行、同じ支店であっても、担当さんが変われば、対応も全く違う。
モダンを最初に始めた時の別支店からは、もう10年以上、一切連絡もない。
まぁ・・・最初の担当さんは確かに有能だったので、いろいろ指南してくださり、そのおかげで、自分は多額の借金が可能になったんだけど、この方もしばらくは気にかけてくれていて、何度も店に足を運んでくださった。
・・・けど、彼もすぐ転勤になり、その後の担当は引継ぎの時に一度挨拶をした程度で、もう全く顔も見せなかった。
そういうもんなのかなぁ・・・
「自分の手柄となった相手」か、「引き継いだだけの相手」の違い?
あー。ってことは、また次の担当さんは、顔出さなくなるんかなぁ。
「ほんまですか!?わー残念です・・・」
電話を握りしめ、そう言った後、ふと一年前のことが浮かんだ。
いきなりコロナ騒動が始まり、ライブハウスでクラスターが起きたという報道がなされ、一晩で何組ものキャンセルの電話が鳴って・・・
次の日の朝、一番に連絡をしてきてくれたのがこの担当さんだった。
「角口さん、大丈夫ですか・・・」
「大丈夫じゃないです!」
「貸しましょか・・・」(←あ、実際もうちょっとちゃんと言うてくれてますが。)
「貸してください!!」
この一言に、どれだけ救われたか。
「とにかく、まず数か月は大丈夫な額を用意しますので・・・」
やっぱり、お金っていざとなったら、本当に大切で、この後も、たくさんの方に支援していただいたことで、なんとか、ここまで気持ちを切らさずにやってこれたのだと思う。
本当に、感謝している。
・・・
「あの、あの、本当にたくさんお世話になりました。」
そう言ったとたん、一瞬泣きそうになって、自分でも驚いた。
「ロスやわぁ・・・。」
お仕事というものは、決して自分一人で頑張っているのではなく
たくさんの人達とかかわり、助け合って成り立っているのだ。
この人と仕事ができたことに対し、感謝するとともに、
大切なことを、忘れないでいようと思う。
2021年5月21日(金)ModernTimesヒロ

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