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カラフルな立方体が踊る。BlenderとPythonによる3Dモデリングの魅力

このブログでは、BlenderとPythonを組み合わせた3Dモデリングの探求に焦点を当てています。基本的なPythonプログラム操作を用いて、25個の立方体を斜めにして色をつける方法を解説します。また、BlenderとPythonの組み合わせがもたらす3Dモデリングの新しい可能性や、その背景、最近の動向、そして未来の展望についても述べます。過去の取り組みや今回の試みを通じて、プログラムとビジュアルアートがどのように融合し、新しい表現を生み出すかについて述べてみました。


背景 BlenderとPythonによる3Dモデリングの可能性

Blenderは、3Dコンテンツ作成のための強力なオープンソースプラットフォームであり、アニメーション、レンダリング、ポストプロダクション、対話式3Dアプリケーションの作成をサポートしています。一方で、Pythonは、Blender内で多くのタスクを自動化し、カスタムツールを作成するための言語として利用されています。BlenderとPythonを組み合わせることで、3Dモデリングのプロセスを自動化し、複雑な3Dアニメーションやモデリングタスクを効率的に実行することが可能になります。

私の過去のブログでは、BlenderとPythonを使用して、基本的な3Dモデリングのテクニックや、オブジェクトの動的な生成とレンダリングについて探求してきました。これらのテクニックは、3Dビジュアルコンテンツの作成や、ビジュアルエフェクト、ゲームデザインなど、多岐にわたるアプリケーションに利用することができます。

最近の世の中の動向 3Dモデリングとプログラミングの融合

近年、3Dモデリングとプログラミングの融合は、VR/ARコンテンツ、ゲーム開発、アニメーション映画、建築ビジュアライゼーションなど、多くの分野で新しい可能性を切り開いています。特に、Pythonを使用したBlenderの操作は、デザイナーやアーティストが複雑なモデリングやアニメーションタスクを効率的に、かつ精密に実行する手段として注目を集めています。これにより、ユーザーは、手作業でのモデリングが困難または時間がかかるタスクを自動化し、よりクリエイティブな作業に集中することができます。

これまでやってきたこと 5x5の立方体とPythonの冒険

私はこれまで、Pythonを用いてBlender内で3Dオブジェクトを操作し、特定のパターンや形状を作成する方法を探求してきました。特に、5x5=25個の立方体を整然と並べ、それらを一定のルールに基づいて動かす実験を行いました。これにより、Pythonスクリプトを使用して、3D空間上でオブジェクトをどのように制御できるか、またそれがビジュアルアートやアニメーションにどのように応用できるかを学びました。

今回やってみたこと。色付き立方体のダンス

今回の冒険では、私はBlenderの3D空間において、25個の立方体をプログラムでコントロールし、それぞれにユニークな色を付ける試みを行いました。Pythonを使用して立方体を生成し、それぞれを特定の位置に配置し、さらにランダムな色を割り当てました。具体的なプログラムのコードは以下の通りです。

import bpy
import random

colors = [(random.random(), random.random(), random.random()) for _ in range(25)]

for i in range(5):
    for j in range(5):
        bpy.ops.mesh.primitive_cube_add(size=1, enter_editmode=False, align='WORLD', location=(i,j,0))
        bpy.context.active_object.rotation_euler = (0.7, 0.7, 0.7)

        mat = bpy.data.materials.new(name=f"Material_{i}_{j}")
        mat.use_nodes = True
        
        nodes = mat.node_tree.nodes
        nodes.clear()

        prim_node = nodes.new(type='ShaderNodeBsdfPrincipled')
        prim_node.location = (0,0)
        prim_node.inputs[0].default_value = (colors[i*5+j][0],colors[i*5+j][1],colors[i*5+j][2], 1)
        
        mat_output_node = nodes.new(type='ShaderNodeOutputMaterial')
        mat_output_node.location = (200,0)
        mat.node_tree.links.new(prim_node.outputs["BSDF"], mat_output_node.inputs["Surface"])
        
        current_obj = bpy.context.active_object
        current_obj.data.materials.append(mat)

このコードは、BlenderのPython APIを使用して、立方体を生成し、それぞれを指定した位置に配置し、それぞれに異なる色を割り当てるものです。立方体は5x5のグリッド上に配置され、それぞれがx, y, z軸を中心に約40度回転しています。また、それぞれの立方体には、ランダムに生成された色が割り当てられています。

今後について。自動化とクリエイティビティの進展

BlenderとPythonの組み合わせは、3Dコンテンツ作成の未来において、自動化とクリエイティビティの新しいフロンティアを開く可能性があります。AIと機械学習の進化により、更なる自動化と最適化が期待され、アーティストはより高度な表現を追求することができるようになるでしょう。また、クラウドベースのレンダリングテクノロジーやリアルタイムレンダリングの進化も、BlenderとPythonを利用した3Dコンテンツ制作の新しい可能性を広げる要素となります。

美しい色の秘密、Principled BSDFの探求

Blenderでオブジェクトに色を付ける際、私たちは"Principled BSDF"という特殊なシェーダーに出会います。この名前は一見、複雑そうに感じるかもしれませんね。しかし、このシェーダーは、私たちがBlenderでリアルなマテリアルを作成する際の強力な味方となります。

なぜPrincipled BSDFなのか?

"Principled BSDF"は、Disneyによって開発され、Pixarによって実装されたシェーダーで、その名も"Disney Principled Shader"とも呼ばれています。"Principled"とは「原理に基づいた」を意味し、"BSDF"は"Bi-directional Scattering Distribution Function"(双方向散乱分布関数)を指します。このシェーダーは、物理ベースのレンダリングを簡単かつリアルに行うことができるため、3Dアーティストたちに広く愛用されています。

Principled BSDFの特徴

  1. 物理ベース: 現実世界の材料と光の相互作用をシミュレートし、リアルなレンダリングを実現します。

  2. ユーザーフレンドリー: 複雑な物理的なパラメータを自動で計算し、基本的なパラメータだけを調整することで、美しいマテリアルを作成できます。

  3. 多様性: 金属、ガラス、皮、布など、多くの種類の材料を一つのシェーダーで表現できます。

Principled BSDFの活用方法

  • 色の設定: Base Colorでオブジェクトの色を設定します。

  • 金属感の調整: Metallicパラメータで材料が金属か非金属かを定義します。

  • 透明度と反射の調整: Transmissionで透明度を、Specularで反射の強さを調整します。

  • テクスチャマッピング: リアルなバリエーションやディテールを追加するために、テクスチャを各パラメータにマッピングします。

このシェーダーを理解し、適切に活用することで、私たちはBlender内で非常にリアルなビジュアル表現を実現することができます。

次回について

次回は、BlenderとPythonを用いて、動的なアニメーションエフェクト(例えば、爆発や水の流れなど)を作成するプロセスに焦点を当てたいと思います。具体的には、物理シミュレーションとプログラムによるオブジェクトコントロールを組み合わせて、リアリスティックなシーンを作り上げる方法について考えてみたいです。

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