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神社に興味を持って、散歩がより充実するようになった話(2024/7/29 #78)

タイトルがスピリチュアルな感じかもしれないですが(笑)、まあタイトル通りの内容です。

散歩中に緑豊かな場所を見かけると、思わずそちらの方に足を運んでみるのですが、悩ましかったのが「神社」という存在。

「お参りする訳でも無いのに、散歩感覚で境内をぶらついて良いものかしら?」とか。

「お参りするにしても、あっちの神様にもこっちの神様にもお参りしたら節操ないのでは?」とか。

結局面倒だから、気になる存在だけどスルーしちゃおう、ってのが半年前時点の結論でした。

そんな私の中の論争(?)に決着をつけた1冊がありまして、今回はそれについて書いてみます。


神社には宗教的な決まりが無い

その1冊とは『成功するビジネスパーソンはなぜ忙しくても神社に行くのか?』という本。

著者の八木さんは「知識科学」という分野の研究者。

「知識科学」とはあまり聞いたことのない言葉なので、Chatgptさんに聞いてみると次のように回答がありました。

知識の生成、共有、活用、保存、評価などを体系的に研究する学問分野です。この分野は情報科学、認知科学、社会科学、工学などの多様な領域と交差しており、人々が知識をどのように扱うかを理解し、改善することを目的としています。

つまり八木さんは「人々が、神社というテーマをどのように扱っているか理解する」研究を行った、ということです。

こちらの本も、様々なデータや、インタビューなども用いながら神社参拝がもたらす効用等について解説されています。

で、本を読んでみての結論としては「散歩で神社を見かけて気になったなら、特に細かいことを気にせず出向き、参拝してくればイイ」ということでした。

本書によれば、神社は「教祖がいない、体系的な思想がない、独特の禁止事項やルールがない、勧誘されない」など、「宗教的なものがない」のが特徴なのだそう。

神社そのものは、神道という宗教団体が運営していることがほとんどなので、「宗教的なものがない」という主張は意外な気がします。
でも確かに、あっちの神社に行っちゃダメ、とかあったら御朱印帳とか成り立たないですね・・・。
こういった事も関心を持ってみて初めて気づくものです。

そもそも神社の神様とは何なのか?

さて、そんな「宗教的な決まりが無い」という神社がまつる神様とは、そもそも何なのか?

何となく正月だから初詣のため神社に行ってみる。
旅行先で有名なスポットだから行ってみる。

神社に行く動機ってそんな感じだったものですから、実はこういった「そもそも論」にも関心が薄かったです。

本書によると日本の神様には大きく2パターンあり「大自然」と「日本人のご先祖さま」なのだそう。

確かに、学生時代登山をしていましたので、山に祠があるのを見かけたことがあります。山岳も信仰の対象になっていた訳です。

20年近く前に登った奥穂高岳の山頂の写真を見てみると
「神社」の文字が

都心でありながら豊かな緑のある「明治神宮」は明治天皇が祀られている訳で、まさに「日本人のご先祖さま」パターンの神社ですね。

去年の春に行った明治神宮

そして神様の名前は「スサノオノミコト」など「ミコト」がついていることが多く、これは「命」という漢字で表記され、「使命」を意味しているとのこと。

例えば「スサノオノミコト」の使命は、治水などの災害対策だと推測されるそうです(スサノオは、神話でヤマタノオロチを退治した人物とされているが、実際には暴れ川の治水を行ったことが神話の基になった説がある)。

よって、神社参拝のご利益とは、神様の命(みこと)、すなわちご先祖さまから託された使命やメッセージを授かること。

そのため、よく神社に参拝し、願い事をする人は、よく使命を授かる、すなわち「多くの仕事がくる」と、本書では述べられています。

たまたま目についた社寺を参拝するのもイイ

さて、本書で述べられている神社参拝に関する効用の中で、私が気になったのが(定期・継続参拝が、まずおすすめであるけれど)「たまたま目についた社寺やお地蔵さんを参拝するのもいいものです」という点。

八木さんがおすすめする理由の1つが「キャリアの8割は偶然で決まる」という理論から。この理論については本書で下記のように説明されています。

スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授らの調査によると、ビジネスで成功をおさめた人の8割が、成功の要因は予期せぬ偶然だったと回答しています。
(中略)
スタンフォード大学の研究者はこの「たまたま」にフォーカスをあて、「計画された偶発性理論」という成功法を編み出しました。計画を固定せず、偶然起こった出来事を受け入れ、偶然の出来事を自ら積極的に起こして「いい偶然」を計画するのです。

出典:成功するビジネスパーソンはなぜ忙しくても神社に行くのか?

もう1つの理由として「つながりの弱くて関係の遠い人達の方が、つながりが強く関係の近い人達より優れた情報や機会をもたらす」ことを挙げています。

これと、先ほどの「ご利益」を掛け合わせて考えてみると「たまたま見かけた神社で参拝してみると、思いがけず使命を授かって、その後何かが変わるかもしれない」という理解に私は至りました。

まあ別にそんじょそこらで使命を授かりたい訳ではないですが、ともかく行った先々で気になる神社があれば、参拝してみればイイ、という理解をしました。

行先に神社が加わったことで、散歩がより充実! だけどお賽銭には気をつかおう!

ということで、この本に出会って以降、行く先々で良い雰囲気の神社を見つければ気軽に行ってみるようにしています。
(あくまでも散歩がメインで、参拝することが目的ではない)

例えば先日行った「渋沢史料館」のある王子。
ランチで入った中華そば屋さんを出て、飛鳥山を目指して何となく歩いてみると、たまたま王子神社を見かけたので入ってみると、とても良い雰囲気でした。

境内にある大イチョウの木

神社にまつわるmy論争(なんの根拠も無い思い込み)が1つ解決したことで、ますます散歩が充実するようになりました。

最後に余談的ではありますが、本書を読んで「言われてみれば確かに」と思ったことをシェアして終わりたいと思います。

それは「銀行の硬貨取扱い手数料により、小銭の賽銭は迷惑になりかねない」ということ。本書から引用します。

ゆうちょ銀行では、2022年1月17日以降、硬貨の預入に、枚数に応じた手数料がかかるようになりました。もちろん他の銀行や信金も同様です。そのため硬貨の取り扱いが多い社寺や駄菓子屋では、経営に影響を大きく及ぼすと課題になっています。場合によっては入金額より手数料の方が多くなるほどです。

出典:成功するビジネスパーソンはなぜ忙しくても神社に行くのか?

私も以前は「ご縁」とかけて5円をお賽銭にするなんてことをしていました。下手すると5円玉がなく1円×5枚なんてこともしていたかもしれません。神社に手数料負けさせといて「ご縁」だなんて、なかなか厚かましいやつでした・・・。

これを読んでからというもの、せめて50円以上の硬貨をお賽銭として投げ込むようにしています。八木さんも最低50円からにしているそうです。

では今回は以上です。どなたかの参考になりましたら幸いです!





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