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定時出社する人がいまだに多いのは何故かを考えてみた

昨日聞いた木下斉さんのvoicyではGWというものができた経緯と、まだそれを続けていく必要があるのか?(祝日をみんなで一気に休むのではなく、有給取得率を上げ、分散して休むのがよいのでは)といったお話でした。

私が抱いている似たような違和感に「なぜ定時に出社する人がいまだに多いのだろう?」というものがあります。

私自身はフレックスタイムを使うことが多いのですが、時々やむを得ず定時出社することがあると、電車は混雑し1本見送ることがあるのはもちろん、オフィスの最寄り駅は出口で渋滞、オフィスのエレベータも2~3回見送って乗れるといった具合。

コロナ禍(2020年~23年初めころまで)のさなかは、まだマシだった気がしますが、すっかりそれ以前に戻った感があります。

実際のところ通勤する人は戻っているのか?

実際のところどうなのか、首都圏の多くを担うJR東日本の決算資料には旅客輸送量という指標が掲載しており、それを2019年~23年まで拾ってみました。

JR東日本の決算説明会資料をもとに筆者作成

こちらを見ると、2023年時点で定期を使うお客さんの輸送人員は、2019年に対して85%程度。コロナ前の水準には戻っていないようです。
(一方定期以外の輸送人員はコロナ前の水準に戻ってます)
それでも感覚値としては冒頭に述べたような状況なので、コロナ前はさらに状況は酷かった、ということかもしれません。

JRも混雑緩和のインセンティブを打っているが・・・

JRもオフピーク定期(ピーク時間帯は使えない代わりに割安な定期)の導入など、混雑緩和に向けた施策を打っています。
2023年度の導入で、購入率は8.3%。まだ全体に占める割合は大きくなさそうです。

引用元:JR東日本ニュース

これをさらに伸ばそうと、JR東日本はオフピーク定期の割引率を増やす予定です。
ただ実際これを導入する人が増えるかどうかは、企業側がこれを使えるような制度を整えているかに左右されます。

企業の時差通勤に対する取り組みは?

では企業側が、ピークを避けた通勤ができる状況になっているのか。
少し前の情報になりますが、東京商工会議所が「通勤混雑緩和に向けた実態把握調査」を行っており、それによれば半数の企業が時差出勤制度を導入しているそうです。

引用元:東京商工会議所「通勤混雑緩和に向けた実態把握調査

では、その制度を利用している人はどれだけいるのか?

引用元:東京商工会議所「通勤混雑緩和に向けた実態把握調査

同じ調査によれば、1日あたりのオフピーク通勤率が0〜20%という企業が半数を超えてます。
ざっくり言ってしまうと、調査対象の企業の半分が制度を使っているものの、そのうち半分はほぼ使われていない状況なので、時差通勤を使っていたのは全体の25%程度かな、ということです。
(しかも、2021年だと、まだまだ三密回避とか言われていた頃だと思うので、その時ですらこうだった、という言い方もできそうです)

何故時差通勤は導入できないのか?

ではなぜ時差通勤を導入しない企業がまだまだ多いのか?また同じ調査から引用します。

引用元:東京商工会議所「通勤混雑緩和に向けた実態把握調査

フレックス制度を使っているとか、業務上時差出勤ができないといった理由も見られますが、4割近くは「業務の生産性低下」という理由が挙がっています

これが実際どういった事象を指しているのか、同調査に言及が無いので分かりませんが、全員が同じ時間に揃っていないことによる生産性の低下を指しているのでしょうか?

製造ラインを動かす、店舗のオペレーションがある等、業種によってはメンバー全員揃わないと成り立たないこともあると思いますが、オフィスワーカーについてはそうでは無いのでは?という気がします。

フレックスタイム通勤で支障が出ているか?

実際私もフレックス通勤、あるいはテレワークをすることも多く、定時にオフィスにいることはあまり無いのですが、あまり支障が出ていると感じたことはありません。

チームのメンバーからの相談はチャット・メールが基本なので、そもそもオフィスにいなくとも対応できます。

お客さん・取引先から電話が来ることもありますが(それでも電話連絡自体、この5年で相当減りました)、それも社用スマホを持ち歩いているのでオフィスでなくても対応できます。

もしかすると「始業時間から会議を始めたい人」には、時間を合わせにくい、と思われているかもしれませんが、満員電車に揺られてストレスフルな状態で会議に臨む方が生産性低くなる気がしてなりません。

(もちろん、どうしても必要そうな案件であれば、調整のうえ早く出社することもあります)

これまた木下斉さんのvoicyで紹介されているものですが、生産性を上げるためにリモート・リアル、同期・非同期の組み合わせが重要ですし、これが使い分けられると定時出社にこだわらずにいけるようになるかと思います。

私が就職した20年近く前は、スマホの支給は無く、チャットツールもWEB会議も無く、メールすらまともに打てない人もそれなりにいて(!)、内線外線問わず電話が多かったので、定時に連絡取れる場所にいろよ、という向きもあったかもしれないですが、ツールは進化しているので、制度の見直しがあっても良いのでは、と思います。

今回は以上です。皆さまの通勤事情など、なにかありましたら教えてください!

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