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上野公園を歩き、ダイバーシティの大事さを感じ取る(2024/05/30 #59)

先日上野公園を散歩しました。
私にとって上野公園というと「子どもと動物園に行く」等、そこに集積してる施設を訪れる目的で行くイメージがあります。

しかし散歩するなかで「ダイバーシティって重要だな」と思う発見があったので、そんなことを書いてみます。

上野公園×散歩×ダイバーシティってなんのこっちゃという感じですがお付き合い頂けると幸いです(ちなみにインバウンド観光客の話ではありません)。


23区内で7番目に大きく、かつ駅と直結した公園

JR上野駅の公園口は2020年の改良工事により、歩行空間が整備されました。駅から出てすぐ、信号待ちすることもなく公園に入ることができます。

上野駅公園口の広場
駅前を横切る道路がないので歩きやすい

公園自体ができたのは1873年。昨年150周年を迎えています。
面積は約54ha、東京23区内の公園では7番目に広いそうで、よく広さの例えで使われる「東京ドーム何個分」てやつで表現すると11.5個分になるようです(54ha÷東京ドーム4.7haで計算)。それでもイマイチよく分からない気がします笑

最寄りの駅は上野のほか、山手線の鶯谷、御徒町からもアプローチ可能で「3駅にまたがる公園」というと広さがイメージできそうでしょうか。

上野公園の案内図

豊かな緑と、様々な像が設置されている

それだけの歴史と広さがありますから、園内は緑ゆたかです。

園内は各種施設を目当てにした観光客(外国人も多いです)で賑わっていますが、少し脇に入ると人通りの少ない園路もあり、散歩するのにとても良いと感じます。

緑の多い遊歩道

そして園内の随所に、様々な銅像が配置されています。西郷さんの銅像は有名だと思いますが、このほかにも野口英世像、ラジオ体操のブロンズ像なんてのもありました。

西郷隆盛の銅像の周りも緑がキレイです
野口英世像
「ラジオ体操ひろば」の像

さてここでクイズです、次の像は、何をした人の物か、わかりますでしょうか??

???
(名前は見えてしまっている)


(シンキングタイム)

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この人は「ボードワン博士」という方で、上野公園建設に大きく影響を与えた人なのだそうです。
(そんな人でありながら、噴水広場近くの林のなかにひっそりと銅像が存在しています)

上野公園が日本初の公園になるまで

上野公園のある場所は江戸時代までは寛永寺の敷地で、緑豊かな山でした。

しかし幕末、幕府側勢力の「彰義隊」(しょうぎたい)が寛永寺に立てこもり、新政府軍と戦います(上野戦争)。その結果寛永寺は荒れ果ててしまったのでした。

(彰義隊というと、渋沢栄一のいとこである渋沢成一郎が参加しており大河ドラマにも出てきていますが、上野戦争時には脱退していたそうです)

西郷さんの銅像近くに「彰義隊の墓」もあります

その後、荒れ果てた寛永寺の敷地に、新政府の兵部省は「陸軍病院」等を建設する計画を立てます。

これに反対したのが先程のボードワン博士だったそうです。
博士はオランダ人軍医ですが、自然豊かな上野の山が失われるのを惜しみ、政府に公園建設を提言しました。

結果日本初の公園として、上野公園ができあがります。
その後、上野公園は文化施設が集積するだけでなく、関東大震災や、東京大空襲の際には延焼を免れる避難場所としても活躍し、都市の中の防災空地の重要性を認識させました。

上野の山も、姫路城も残ったのには「◯◯◯」が影響している

さてここで、これに近い話をどこかで見たなと感じました。

それは姫路城です。

姫路城が明治初期に取り壊されず保存されたのも、外国人公使の影響があったとされています。

「上野の山」と「姫路城」、いずれの保存にも外国人が関わっていると知ると「中にいる人が気づかない価値を外の人が教えてくれる」ということが往々にしてあるのだなと感じます。

木下斉さんの配信などを見ていると、地方のまちづくりにおいて「東京にあるものをつくる」というパターンで「墓標」となるケースが多々あるように思いますが、これもその土地の人達がその地域ならではの価値に気づかず、他と同じようなものをつくってしまうということではないでしょうか?

上野公園と姫路城の話は、企業など組織の活動についても示唆を与えています。
それは「同質的な意見」の集団では、その集団の外の価値観や、生じている変化に気づかないリスクがあるということです。ゆえにダイバーシティは、組織のリスクコントロールとしても大事なのだと。

ここであえて「同質的な意見」という表現にしており、それについても触れておきます。

岡島悦子さんの『40歳が社長になる日』という書籍に「チャック女子」という言葉が出てくるのですが、「見た目はの属性は女性だが、ビジネス上の頭の中身、視点、行動は完全に男性」という人物像を指すそうです。

一方「ダイバーシティ」というと多くの企業では「女性の管理職何%」など、外形的に測れるモノゴトのみを指標にしている印象です。

しかし「チャック女子」の管理職ばかりであれば、いかに比率が高まろうと意見の多様性は少ないのでは?と思い先述のような言葉を選択しました。

つまり本当に大事なのは、外形的に判断できる指標のみでなく、多様な意見が出てくる集団なのか?ということです。

かくいう私も、割と同質的な集団のなかで仕事をしている自覚があります。
それゆえ、集団の外を出歩き、歴史を学び、多様な発信者の方との接点も持ちつつ、多様性を取り込んでいかねばと感じます。

都民であっても、意外と知らない都内の事が多い

ということで、上野公園を散歩してダイバーシティの大事さに気づいた、という話をしてきました。

私は東京都に移り住んで10数年が経過しているのですが、ここ最近になるまで東京23区内の自然や歴史に関心を持つことはあまり無かったと感じています。
(都内の山とか、離島などは学生時代などに割とよく行ってました)

こういった都民であっても意外と知らない事が多いと気づき、ほかの公園・庭園・歴史スポットにも足を運んでみたいと思わせる散歩になったのでした。

今回は以上です。

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