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組織人こそ、本業以外の場所も出歩いてみよう(2024/6/30 #71)

私は会社勤めをしています。
いわゆるサラリーマンというやつです。

サラリーマンは多くの場合、収入の大部分を会社に依存する形になっています。
「副業・複業」というキーワードを聞くのが珍しくなくなってもなお、副業をしている人は少数派のようです。
(Dodaが社会人13,000人にとったアンケートのうち、副業している人は8.4%とのこと。)

出典:doda 副業の実態調査

もちろん副業せずとも本業で経済的に充足しているから、副業していないという人も多いでしょう。

また、そもそも所属している会社で副業が認められていないケースも多いでしょう。

ではあるものの、あえて「本業以外の場所でジブンの力を試してみる」経験は、どんな境遇の社会人にとって大事なことだと思います。

私自身「金銭的対価をもらう形」での副業経験はないものの、社外プロジェクトを体験し、そのように感じています。


本業以外の場所① 社会人インターンシップ

私が過去体験したのは、リクルートエージェントが展開している「サンカク」というサービス。

概要をざっくり書くと、企業側が「ディスカッションしてもらいたいテーマ」を設定し、参加者がそれを見て応募。当日集まった異業種の人たちでディスカッションを実施するもの。

私はコロナ禍に入る少し前に、このサービスを使い、とある法人向けのサブスクを展開するベンチャー企業の「カスタマーサクセス(サブスクを継続してもらうためのアフターフォロー的なもの)」についてディスカッションしました。
半日のディスカッションと、終了後に懇親会もありました。

商材は違えど法人営業をしている経験も踏まえ、テーマに沿った意見だしをして、企業側からもフィードバックがあり「全然知らない会社の課題解決にも貢献できるかも」という実感を得ました。

インターンシップと銘打っているので無報酬ですが、ベンチャー企業の成長過程で発生する課題にリアルに触れることができ、多くの気づきを得たのは個人的に大きかったです。

ちなみにベンチャー企業側がこれに参加するメリットは何なのかと言えば、私の感覚にはなりますが、①「テーマに据えた課題の解決」のみならず、②人材採用(良い人材がいれば、スカウトする)、③自社商材の認知度向上、といったことがありそうです。

なお、こちらの「サンカク」、現在は地方企業と副業人材のマッチングである「ふるさと副業」なるものに力を入れているようで、「社会人のインターンシップ」は相対的に数が少なめになっている感じです。

本業以外の場所② プロボノ

もう1つは、サービスグラントというNPO団体が展開している「プロボノ」への参加。

プロボノとは、「社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや経験を活かして取り組む社会貢献活動」のこと。

コロナ禍に突入した2020年、夏に地方を旅行した際、閑散とした観光地を見て「こういった場所に貢献できることはないか?」と思い、もともと知っていた「プロボノ」というキーワードに「地方」を組み合わせて検索。

その結果出てきたのが「ふるさとプロボノ」というプロジェクト。
全国各地のNPO団体が抱える課題を、全国の社会人が支援していくもの。

それまで懇親会などで埋まりがちだった夜の時間が空いたこともあり、家族の同意を得たうえで、参加することにしました。

先述のサンカクと違い、こちらは約半年のプロジェクト。
集まったメンバーは国家公務員、大企業、ベンチャー企業、年代も20~50代と様々。
しかし時代はコロナ禍真っ只中。ミーティングはすべてオンライン
(そもそもクライアントとなるNPOの皆さんも地方住まいなので細かなリアルミーティングは元々困難だった)。

2週間に1回程度の頻度でZoomミーティングを設定しつつ、合間に各自に割り当てられたタスクをこなし、Slackでやり取り。

結局、1度NPOの皆さんの活動現場に分散して足を運んだほかは、全てオンラインでプロジェクトを完遂(いまだにリアルで会ったことのないメンバーも多数・・・)。

私が訪問した岩手・遠野での農作業現場

不思議なもので、10人程度のチームの中で、各自がチームに貢献できるポイントを見出し、プロジェクトにコミットしていきます。私自身はここで「相手の話を聴き、課題を整理する」という営業現場では当たり前にやっている事が、別の社会人集団の中でも役に立つという実感を得ます。

(それとこの経験で「リモートで仕事は完結できる」という実感を得たことも大きかったのですが、それは今回の本題とはちょっと外れるので掘り下げません)

自立とは、依存先の数が多いこと

「本業以外の場所でジブンの力を試してみる」経験について振り返ってみました。

これによって「本業以外の場所でも、仕事ができそう」という実感が得られます(収入のレベル感は置いといて)。

この実感を持った状態であれば、本業の場で自分のポリシーにそぐわない事態に遭遇した際、「無理してここにいなくて良いのだ」というメンタリティーになれます。

そうすると「それはちょっと違うよね」みたいな指揮命令が下ってきたときに、ジブンの意見を出しやすくなると思うのです(これ言ったら嫌われるかな?と変に忖度しなくてよくなる)。

小児科医の熊谷晋一郎さんの言葉に「自立とは依存先の数が多いこと」というものがあります。

サラリーマンは「一見安定していそう」なのですが、会社にしか依存先が無い状態は、会社に何かあれば共に倒れるわけで、実は安定していると言えなそうです。

ゆえにサラリーマンこそ「本業以外の場所に出ていきジブンの力を試す」、さらには「依存先を増やす」ことが必要になります。

ここでnoteを書くことも、ある種の「力試し」でもあり「依存先を増やす」ことにつながるかもしれません。

では今回は以上です、どなたかの参考になっていれば幸いです!

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