商品の値段はあなたに任せます!...ってうまくいくの?
とうとうブランドサイトをリリースすることができました。
長かった...。
いや、本当に長かった...。
昨年のクラウドファンディングから4カ月もかかってしまったよ...。
今回ブランドを立ち上げると同時に取り組んでみたかったことがあります。
そう、商品の価格をユーザーが決めるあと値決めです。
商品の価値を見出してくれるお客の存在
そもそも商品の価値を決める主体って誰なんでしょうか。
生産者?売り手?ではなく買い手。(ですよね?)
どれだけ我々売り手が「これは○○の価値がある!」と言ってもそれは我々の主張であって、買い手がその通りに受け止めてくれるとは限らない。
我々が主張する価値、またそれを裏付ける内容、これらは判断材料にはなっても、最終的には買い手(利用者)がこれまでの購買体験を踏まえて、また消費に対する価値観など、様々な経験に基づきジャッジされるもの。
各々が持つ固有の価値基準に照らし合わされ、その商品価値を決めるのは買い手であるのに、その対価としての価格は売り手によって決められている。
ん??いや、ちょっと待てと。
これって、売り手から一方的に提示された、「この商品の価値は○○である。」というお題に「YES or NO」の択一での回答を迫られている状況であって、それ以外の回答をする余地がなくなってしまってやしないだろうか。
YESとNOの間にグラデーションのように滞留している潜在顧客に、限りなく広くアプローチするためには、価値も価格も決定する主体を買い手に委ね、「この商品に対する価値はいくらか?」というオープンクエッションのかたちを取るのが実はいいんじゃないのかな。
「買うか、買わないか」から「買った上で、私は○○の価値があると思います」という、価格を通じた本音のフィードバックをもらうことこそ我々売り手にとってとっても重要な気がするんですよね。
とある先輩起業家から、「仮説検証時のインタビューにおいて参考にすべきは意見ではなくどれだけ身銭を切ったかどうかである」ということを教わり、「なるほど!」と衝撃を受けた記憶があります。
感想を述べるだけに終わらない、身銭を切っての評価は商品を改善させていく上ではなくてはならない大事な意見なんだと。
化粧品を利用するきっかけを後押ししたい
事業者としてはもちろん、高い価格をつけてくれたら嬉しいです。
でもできる限り安価に提供することができたらいいなという思いがあるのも事実。
男性化粧品の市場は年々拡大していき、ブランドの数もだいぶ増えてきました。
しかし、新規で立ち上がるブランドは高価格帯のものが多く、若い世代ほど利用者が多い現在のメンズコスメ市場ではなかなか普段使いするには躊躇してしまう金額。かつ初心者には結構なハードル。。
女性向けのコーナーは価格帯もバリエーションも豊富ですがやはりそちらに足を向けるのには勇気がいるという声もよく聞きます。
市場の拡大をけん引する若年層にもっと利用が広がって欲しいと思ってるから、彼らのお小遣いで購入できるものを提供したい。
そしてコスメ初心者の若者にこそ安全な化粧品を選んで欲しい(だってこの先死ぬまで毎日の習慣になるものなわけだし)。
結果として値段を自ら決められる決済手段を導入することで、メンズコスメを始めたいなーという若者の背中を後押しするきっかけになるんじゃないかと思ったんです(「値段を気にするあまり安いものを買って後悔した...」という経験をさせたくないという想いもある)。
懸念点は商材との相性
ここまで綴ってきておいて難なんですが、これがベストな売り方なのかと言われると課題があるのも事実。
というのも実際の使用と価値を感じるまでの間には時間差があるから。
風邪薬のように即効性のあるものではない化粧品は、購入後すぐにその効果を感じるということはなく、それが1カ月後かもしれないし1年後かもしれないし、はたまた感じられずにほかのブランドに浮気しちゃうかもしれない。
「昨日届いて今日値段決めてくださいって言われても無理ですよ!」
ま、当然といえば当然なんですけどね。。。
.........ただそう思っちゃうのは、割と「商品自体の価値」にフォーカスして考える場合の例なのかなと。
つまり、「モノ」に対する消費という意識が強い人たちの例。
一方でその進化版として「イミ」消費という言葉が出てきたように、実体があるもののみならず、前後のコンテクストやそれが実現する世界やビジョンに共感し、そこに価値を見出す人たちが増えてきているのも事実。
この考え方の広まりとシンクロするように今急激に増えているのがD2Cブランドですね。
いずれの考え方に基づいて値決めがされるか、それによっても結果は大きく変わってきそうです。
まぁやってみないとわからないわけで、だから今回のリリースに踏み切りました。
起業家は常に不確実性との闘い。多くの起業家が常に新しい市場を開拓しようと様々なサービスを世に放っているのと同様、新たな購買体験のモデルを試してみることもまた一つの市場開拓の在り方だと思っています。
結果は1か月半後に
赤字覚悟、とはよく言いますが、最低価格を0円にしてしまうと、赤字どころか倒産覚悟になってしまうので(笑)、さすがにそれはリスクが大きすぎるわけで、原価に相当する800円を最低価格として設定いたしました。
(とはいえ、あくまで製造原価なので、人件費やオフィス代等を考慮すれば十分赤字になりえるのですが...。)
今回ブランドサイトオープンのプレスリリースを配信するのと同時にnoteを投稿いたしました。
購入から決済までの流れを示すと、
購入(0日目)
↓
発送(2~3日目)
↓
商品到着(4~5日目)
↓(1週間前後)
値決め期間(12~17日目)
↓
決済完了(18~20日目)
となり、1か月後では報告できるほどに購入者数も多くないことが予想されるため、1カ月半後を目途に取り組みの結果を報告できたらと考えています。
コンセプトは「Keep anything, Protect somthing.」
人前でも堂々としていたい、ポジティブでありたい、常に自信を持っていたい、健康でありたい、...といったユーザー自身がそれぞれに抱える理想や希望を守ってあげられるブランドとなる。
そしてそれを叶えるためにも、健康な肌を保つという実利を伴った商品であり、環境を配慮した作りで地球の未来と次世代を担う若者の将来を守っていく役割を果たすブランドにする。
そんな想いを込めてIYVOを立ち上げました。
どうか肌トラブルに悩む男子に我々IYVOの商品が届きますように。
そしてこの投稿を見てくださった皆さん、「スキンケアしてます!」とか「スキンケア始めようかなー」っていう男子が周りにいたらぜひ紹介していただけるととても嬉しいです。