見出し画像

3〜30人、管理する人数ごとのチームマネジメント #68

どこの若造が偉そうに。というタイトルですね(笑)すみません。

まず、何よりも先に言いたいのは、「管理者と呼ばれる役職は、決してメンバーより偉い立場ではない」ということです。

管理者というのは、ただの役割であって、メンバーとは対等です。
ただ、判断するためには経験とスキルが必要ですし、失敗の責任を取らないといけない分、メンバーより高い給料をもらっているだけです。
これを勘違いして、偉そうにしている管理者は失格だと思います。

この記事では、私が仕事やイベント企画で経験した3〜30人のリーダー経験を人数ごとにご紹介したいと思います。

完全に状況が把握できる人数は3人まで

これは持論ですが、性格、体調、プライベートの状況まで、完全に把握できるのは、3人くらいが限度かと思います。

自分の仕事もしつつ、限られた時間で、メンバーとコミュニケーションを取るには物理的限界があります。
なので、右腕となる3人と信頼関係を築き、どういう役割に置くのかが最重要になると考えます。

3人の場合

自分を含み3人のチームを持つ場合、いわゆるプレイングマネージャーという立場になります。

初めてこの規模のチームを持つ場合、「作業を分担して管理するより、雑用だけさせて俺一人でやった方が早い」と考えがちな人が多い気がします。
私自身もそうでした。
スーパーマンだったらそれも可能かもしれませんが、初めから1人で3人分の成果を出そうと思ったらすぐ余裕が無くなりますし、チームが成長しません。

トラブルが起きたときや、もう一人増えたときなどに対応できず、周りもリーダーの状況がわからないため、助けようがありません。 

私が、この規模で、経験の浅いメンバーを持つなら、むしろ4人分の生産性を出す覚悟をします。
というのも、2人には通常通り(給料に応じた生産性)仕事を振ります。
この時、メンバーからノルマ通りの成果が出ることは期待しませんが、ノルマを達成できなかったときは一人前の人と同様に指導します。
そして、最悪の状態は全員分の尻拭いをする覚悟をしておきます。

自分の仕事プラス、二人の進捗管理ですので、うまく行っても1.5倍近くの生産性が必要です。
そして、二人ともコケた場合、さらにその作業もやることになるので、4倍近い生産性が必要になるということです。

これは覚悟の問題であり、最悪の状況に陥っても想定内と落ち着いて対応するためです。
実際にはしっかりと指導時間を作っている分、メンバーの生産性は上がるため、4倍の生産性が必要になることはありません。

何より、「責任は俺が取るからやれるだけやってみろ」という覚悟を示すことがメンバーからの信頼を得るきっかけになりますし、自分自身もサボらずスキルアップに取り組めます。
そして、次のステップのチャンスを掴みやすくなります。

4〜10人の場合

この規模では、トラブル時にリーダー1人の生産性でリカバリすることができなくなります。
なので、成果物をしっかりと作り上げられる人が自分以外に1,2人必要になります。
3人チームでできていた、気合と覚悟で何とかするということができなくなるわけです。

まず大切なのは、言われた通りのメンバー構成にしないことです。
「このチーム任せるよ」という上司からの指示がきっかけになると思うのですが、これを鵜呑みにしてはいけません。

配置されるメンバーによくあるのが、
・スキルが想定より低かったor求められるものとずれていた。
・実は他のリーダーからも作業を頼まれている。
・近々プロジェクトに異動する予定(希望)がある。
などです。

ちゃんとメンバーを選べということではありません。メンバーのことをよく知る必要があるということです。

小さい会社では人的リソースに余裕がないことは多々あります。
これ自体に文句を言っても始まりません。

例えば、社内では「技術力がある」という評判があるメンバーでも、本プロジェクトで技術系の仕事を振った方がいいとは限りません。
実は本人がマネジメントの仕事を覚えたがっていたり、そもそも技術よりの作業が少ない場合もあります。
この特性をしっかり読み取らずに、初期のメンバー配置を間違えると、プロジェクト後半になるほど軌道修正がしにくくなります。

11~20人の場合

この人数になると、小手先のマネジメント手法というよりは、プロジェクトの目的や本質を抑えることが重要になってきます。
お客様が求めているものをはき違えると、金額的にも大打撃をくらいます。

目的をはっきりさせたら、次に体制図です。
前述している通り、一人で完全に把握できる人数は3人までです。
スタート時に必要性を感じなくても、必ず2,3チームに分けます。
万が一、全メンバーがリーダーに確認をしようとすると、そのコミュニケーションだけで1日が終わってしまいます。
そのクッションとなるサブリーダーを明確にする必要があります。
プロジェクトピーク時に急にサブリーダーを立てようにもうまくいきません。ちなみに、小規模チームの時の動き方次第で優秀なサブリーダーが入ってくれることも多いので、当たり前ですが日頃から真面目にやっておいた方がいいです。

あと、一気にアナログな話になりますが、雰囲気作りは生産性に直結します。
プロジェクト開始時のキックオフは重要です。この時ばかりは、全メンバーとの時間を作り、プロジェクトの目的やそのメンバーの職責などをしっかり説明します。
課長など、この規模で成長が止まってしまう人は、マネジメント手法や上からの評価にこだわりすぎて、根本的なチームの雰囲気作りが下手なことが多い気がしています。

ちなみに、この体制図が効力を発揮するのは、利害関係がはっきりしたビジネスにおいてです。
ボランティアで行うイベント企画では、「これだけお金もらってるんだから、ここまではやってもらうよ」の調整ができません。
より、やりがいのある雰囲気作りが必要です。
ポジティブな言葉をかける、一人のミスをチームの課題とする、本人がやりたいと思う仕事を尊重するなど。
これは、私自身、未だに全く足りていない部分です。。。

21~30人の場合

ここまでメンバーが増えてくると、ちょっとしたことの積み重ねが全体の業務効率に大きく関わってきます。
例えば、5人チームくらいであれば、何か問題があればすぐにミーティングをして、柔軟に対応することが多いかもしれません。
しかし、30人チームでは、全員で30分の朝会をするだけで、膨大なコストがかかります。

どこに課題があるか、作業のムダ・ムラが起こっているか、その分析ができるかどうかがキーになります。
ちょっとベテランだと、この辺の作業を感覚的にできてしまう人もいるのですが、私はなるべく数値化する方が合っています。
というのは、みんなに好かれるタイプのリーダーであれば、「この人が言うなら大丈夫」という安心感のもと、みんながその作業指示に従ってくれます。
しかし、私のような求心力が弱いタイプはそれができません。数字で納得してもらう仕組み作りが必要です。
それと、お客様など外部に説明する際は、どうせ数字が必要になってくるで、内部の課題解決と外部評価を上げるための作業は一回でやってしまった方が楽だと思っています。

では、数字を取るために単純に「じゃ日報書かせるか」という安直な発想をするとメンバーに嫌われます。
「数字を取る」という作業は、一言でいうとシンプルですが、リーダー業務の集大成だと思っています。
数字の分析どころか、数字を取ること自体、膨大なコストがかかります。
なので、何の数字を何のために取るのか整理しなければなりません。

<数字を取るまでの考え方>
1.そもそもプロジェクトの目的は何なのか。
2.目的達成のために何の数字を取るべきか。
3.その数字を何に使うのか。
4.その数字をどう変えていきたいのか。
5.その結果何が得られるのか。

忘年会を例にすると、
1.忘年会の目的は、社員満足度を上げること。
2.マイナス理由での離職率や部署異動希望、費用。
3.忘年会の実施効果を測る。
4.社内満足度を上げて離職率を下げたい。
5.費用をかけて忘年会を実施することで、離職率を下げ、採用コストや教育コストを下げる。

こう考えていくと、若者が「忘年会なんてやらなくていいじゃん」という考え方をオジサン社員に伝えることができそうですね(笑)

31人~の場合

この人数だと、リーダーはプロジェクト内部きより外向きの動きが主体的になってくるはずです。実際に現場を回すのはここまでで説明したようなサブリーダーの役目になっているはずです。
会社規模によっては役員として会社全体の経営管理を行うかもしれません。

どうすれば次の仕事に繋げることができるか、自分のプロジェクト以外に協力できるプロジェクトはないか、など。
組織全体としての広い視野を持つことだけでなく、社内外に慕われる高い人間性も必要となってくるでしょう。

正直、私自身がこのポジションになったことがないので、この章で終わります(笑)

まとめ

1~3人:覚悟と自分の生産性で何とかする。
4~10人:メンバーをよく知る。
11~20人:明確な体制作り。雰囲気作り。
21~30人:数値化。業務効率改善。
31人~:より高い人間性。

個人的な経験から書いてみました。
もちろん、コールセンターと企画部では管理人数の意味は変わってきますし、全ての組織に当てはまるとは限りません。
少しでも、これからリーダーとしてステップアップされる方の参考になればうれしいです。

20代のころは、管理人数が増えるほどすごいんだっていう感覚がありましたが、最近はあまり関係ないなと思ってきました。

これからは、個の力が重要になってくると思います。
自分の得意なこと、苦手なことを把握したうえで、それを周りにうまく伝える力が求められてきます。
一昔前のように勝手にチームが作られて、勝手に配属されて、希望を出せば他に異動できて、みたいなことは減っていくでしょう。数人で数億稼ぐなんてビジネスもザラに出てきています。
上記で書いたマネジメントも一部は既に古いのかもしれません。

上場するのも、正社員は20人くらいいれば十分という状況になるんではないかと思っています。
私もその時代を想定して、自分にしかできないことを磨いていきたいと考えています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?