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ニンジャの話 その34 Coffee

以前記事で書いた私の友人のマイケルはアメリカのジョージア州でコーヒー事業をしています。以前働いていた会社で同僚だった彼とはかれこれ30年にわたる友人です。ストックオプションでそれなりの利益を得た彼はジョージア大学の大学町アセンズに引っ越します。次に何をしようかと勘案していた彼。毎朝近くのカフェでコーヒーを飲むのが日課でした。大学生に愛され地元のブランドに育っていたそのカフェは音楽に囲まれ雰囲気が良く素敵でした。あまりにも気に入ったので彼はそのカフェ+ロースターの運営権利を買ってカフェ事業に乗り出しました。そのカフェは Jittery Joe‘s Coffee Roasters といいます。

彼の住む街にはアーチストが多く住んでいます。REMを輩出したライブハウスなどもあります。そのライブハウスの隣にあり多くのアーティストが訪れたカフェがJittery Joe’sでした。ちなみにJittery Joe’s 店内で録音されたライブ音源のCDなども販売されています。アセンズに住むアーチストの1人に KishiBashi という方がいました。日本のテレビCMで彼の音楽を耳にした方もいらっしゃるかもしれません。マイケルは彼と仲がよく、彼の新作CDのプロモーションのために Kishibashi Coffee ブレンドというのを作り売り出しました。そのKishibashi さん。プロモーションのために来日することになりました。六本木ミッドタウンのビルボードトウキョウでライブです。東京のライブでKishibashiブレンドのコーヒーをアイテムとして販売したいとマイケルから相談を受けた私は日本でKishibashiさんのプロデュースをしている会社に打ち合わせにいきます。そこでベイビーさんことAtsuko さんと出逢います。音楽産業には全く知識のない私ですが、彼女から伺う新しい世界の話はとても面白くしばらく話し込んでいました。雑談の中でAtsukoさんのご親戚にルイくんという10代の若者がいて彼がコーヒーで身を立てようとしているお話を聞きました。埼玉の出身ですがなぜか名古屋でカフェを開業しようとしているとのこと。名古屋まで頻繁に来ているのならば一度Ninjaにも遊びに来てくださいとお伝えしました。

これがきっかけで TheNinja MansionにはWorkbench Coffee Roaster
がつくられることとなりました。Ninjaにはとても素敵な蔵がありそれを改装してルイくんにお貸し出しすることにしたのです。ルイくんは蔵のロースター兼カフェを作ることにとても興味を持ってくれました。蔵の改装は秋田でとても素敵なクリニックを作ってくれた仙田満先生にお願いしました。コーヒー豆は現地で焙煎するだけではなくマイケルのJittery Joe’sからも仕入れJittery Joe’sの豆が日本で唯一購入できる日本一号店となりました。このようにして知り合いから輪が広がり古民家はとうとうカフェにまでなってしまいました。2016年9月のことです。

この話は別の私の友人を通じで日経新聞の知ることとなりました。開業の日、米こだわりコーヒー店、豊田市に日本1号店 「ジッタリージョー」との見出しで日経本紙に掲載されることとなりました。これを見て驚いたのが豊田市役所です。豊田市の人口30人ほどしかいない村にいきなりアメリカのコーヒーチェーンの一号店ができることを日経から知るわけです。担当の方は寝耳に水だったようです。開店翌日には市長が直々に視察にいらっしゃるほどの事件になりました笑

この後テレビなどの媒体の取材も入りカフェも順調に滑り出します。民泊+カフェ効果で人口30人の村は大賑わいとなっていきました。

続く


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