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【友人のボール】 あなたの周りの人を幸せにしよう

5つのボールのお話しの4日目です。

私がアメリカに住んでいた頃のお話です。
その頃、私はLYCOSと言うボストンのサーチエンジンの会社に勤めていました。一時はYahoo!につぐ世界第2位のトラフィックを持ちボルボの企業価値を抜いたこともあった初期のネット企業です。入社した当時31歳だった私は仕事が楽しくて仕方がありませんでした。同僚も同じような年齢で仕事というよりもサークル活動のようなノリさえありました。今のTrip Japanとちょと似てるかもしれませんね。めちゃくちゃ仕事してめちゃくちゃ遊んだこの会社には5年ほど在籍しましが、ネットバブルが崩壊。LYCOSはスペインのTelefonicaに買収され大幅に事業を縮小し、その結果私はレイオフされることになりました。(この時の話は面白い経験でしたのでまた別の機会に話します)。整理解雇という最悪の退職方法でしたが私はこの会社にとても感謝しています。それは私の仕事人生においてLYCOSほど生涯の友を得た会社はなかったからです。その中でも一緒にプロジェクトを担当しシンガポールに赴任したマイケル・リップスとは特に気が合い、多くの時間を共に過ごしました。

Lycosを退いてから15年ほどたったある日、私は当時住んでいたノースカロライナ州のローリーと言う町から、ジョージア州のアセンズと言う大学町に住むマイケルを訪ねるために車を運転していました。車で走る距離は600キロ弱。高速道路を休みなしで走っても6時間近くかかります。長距離を走るときは退屈なのでNPRと言うトークラジオの番組を聞くことにしていました。その日私はFreshAirと言う番組を聴いていました。

その日のFreshAirは「幸せ」について取り上げており、1930年から75年間続いているハーバード大学医学部のアダルトデベロップメントのスタディに基づいた「人間はどのような状態な時に幸せになるのか」について識者が語ると言うプログラムでした。番組の冒頭にレポーターがこのような質問をします。

「仕事」「結婚」「子供」「健康」「富」「友人」この中で最もあなたを幸せにするものは何でしょう?

1930年代後半から75年にわたって268人のハーバード大学卒業生、そしてボストン市出身の同世代の若者456人を追跡調査したこの研究は同種の研究で最長のものです。そしてその結論はこのようなものでした。

まさに友人であるマイケルを訪ねる際に聞いたこの研究結果は私の記憶に強く残りました。そしてそれから友人を、近くの人を、同僚にいかに幸せにするかと言うことを考えるようになりました。

私たちは社会的動物です。幸福は自分の中にあるのではなく、他者との関係性に住んでいます。親しい友人を幸せにすると あなたも幸せになります、勤勉な人々は勤勉な人々を友人とすることが好きです。 健康な人は健康な人と付き合うのが好きです。 成功した人々は成功した人々と付き合うのが好きです。 幸せな人は幸せな人と付き合うのが好きです。 そして幸せ効果は相関しているだけではありません。 調査によると、これも因果関係があります。

 友人が幸せであるとき、あなたは幸せを感じるのです 

友人が幸せを感じる時に自分も幸せになれるって最高のWin-Winでじゃないですか! 私たちは親しい友人が幸せに感じるよう行動すると幸せになれるという素晴らしい資質を産まれながらにして持っている素敵な生き物らしいのです。友人に、隣人に、同僚にちょっとした親切をしてみませんか? 

与えることは幸福へのショートカットです。受け取る人と同じように与える人にとっても。ハーバード医学部の75年の研究はそれを明らかにしています。

この研究からTRIPにいる私たちが学んで実行できることはなんでしょう? もちろん会社にいる同僚の全員があなたの友人になるわけではありません。それでも先に進んで、仕事仲間を近くに置いてください。マイケルと私のように生涯の親友になるかもしれない人はもしかしたらこの職場にいるかもしれません。

そしてこの職場にはいないあなたの大事な友達もできる限り大事にしてください。あなたの友人とお話しできる時間を確保してください。そうすればあなたもあなたの友達も幸せで健康な人生を送ることができるはずです。

「友人のボール」はあなたとあなたの友達を幸せにすることができる「幸せのボール」でもあるのです。何度も言いますが仕事のボールはゴムでできています。落としても大丈夫です。仕事と友達のボールが同時に落ちてきたら、両手で友達のボールを受け止めてください。TRIPは友達を大事にするあなたを友達のように大事にします。

余談:私と私の妻の葉子さん、そしてマイケルは2021年9月に株式会社DOGFULと言う会社を作りました。INUCOFFEEはこの会社のプロジェクトの一つです。マイケルはINUCOFFEEをアメリカ側から店舗展開をしてくれています。この会社のミッションは「犬社会の幸せに貢献する」です。日本からは同じく私の友人の坪井健さん、渡邊大佑弁護士も加わってくれました。彼らも私の大事な大事な友人です。全員ワンちゃんと一緒に暮らし、犬と人の共生社会を作ることに希望を持っています。この活動をすることでワンちゃんも救われそして私たちも全員幸せを感じることができるはずです。友達はぜひ近くに。そして大事にしましょう。言うだけではなく私も実践することを心がけます。

わんわん、またね

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