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80Km歩くピクニック~2021年 5月に読んだ本から


読んだ本を忘れないため、毎月、読んだ本の中から 印象に残った本 を 記事にしていく5回目。

5月に読んだ本の中から、印象に残った本4冊。

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1 春や春  森谷明子

俳句が趣味の茜は、「俳句甲子園」出場を目指し 同好会を結成する。音楽の得意な子、書道がうまい子・・と、仲間を増やし、いざ予選出場へ・・。

自分の趣味(特にあまりメジャーではない趣味なら なおさら)を理解してくれる人に出会えるって なかなかないこと。そんな友人に 出会えた茜の嬉しさがよくわかる。
一人一人仲間を増やしながら、ひとつのことに挑戦する姿に心ひかれた。


2 ハリネズミは 月を見上げる  あさのあつこ

電車内で 痴漢にあった鈴美を 助けてくれたのは、同じ高校の比呂。引っ込み思案な鈴美は、凜とした比呂の背中を 追い始める。しかし、比呂も大きな悩みをかかえていた。

「バッテリー」「NO.6」 「The MANZAI」など、あさのあつこさんの児童書は大好きで、よく読んでいたので、なじみ深い作家さんの一人。

最近、あさのさんの一般書も読むようになったのだが、「とても読みやすい」と感じる作品が多い。

このお話は、すべてが解決して「めでたし めでたし」で終わる作品ではない。それでも「前に進もうとする」鈴美と比呂が素敵だと思った。



3 夜のピクニック 恩田陸

高校生活最後のイベント「北高鍛錬(たんれん)歩行祭」。夜を徹して80kmを歩き通すそのイベントに、貴子はひとつの賭けをした。同じクラスの融(とおる)に「あることを提案する」賭けである。実は貴子と融は・・・。

舞台は、「歩行祭」当日、出発の朝8時から、ゴールの次の日の朝8時まで。

話し手がけっこう変わる、回想シーンが多い、 登場人物も少なくはない。
それでも、なんのひっかかりもなく、引き込まれ読めてしまう。

歩いている時の会話、しだいに疲れ切って、しゃべることも ままならい場面、体中が痛くなってくる様子、ほんのささいなことで、気持ちが がらっとかわってしまうことなど「ああ、こういうことあるよなあ」と何度も思った。

さすが恩田陸さん。
2005年の本屋大賞受賞作というのもうなずけた。



4 スイカのタネはなぜ散らばっているのか 稲垣栄洋

タンポポが 風で種子を 飛ばしたり、オナモミが 動物の毛や 人の衣服に くっつけて 種子を運ばせるように、さまざまな植物が 様々な工夫で、未知なる土地を求めて 冒険を繰り返している。本書では、植物が 知恵と工夫の粋を極めた、そんな種子の姿を 紹介していきたいと思う。 前書きより

先月読んだ「生き物の死にざま」がとてもおもしろかったので、今度は「植物」と思って、手にとった一冊。植物も、動物に負けず劣らず、「子孫を残すため」に様々な工夫をしている。

アサガオ
 そのままでは なかなか芽が出ないような固い殻に おおわれている。なぜ 固い殻に おおわれているのか。 

タネができるのは、秋。そのまま すぐ芽を出してしまうと 冬の寒さで すべて枯れてしまう。そのため 落ちても すぐ芽を出さないように なっている。

ラッカセイ
 タネは土の中にできる。そうすると、いつまでたっても 分布を広げることができない。ラッカセイの原産地は アンデス山脈のふもと。ときどき降る大雨と濁流が そのタネを流してくれて 分布を広げていたと考えられている。ラッカセイは 水に浮かびやすい。

「スイカのタネはなぜ散らばって入っているのか」「なぜ柿は渋いのか」「どんぐりはコロコロと転がらない」など、身近な植物にそなわっている「子孫を残すため」の 工夫に驚くばかりだった。

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いつも利用している図書館、2館とも緊急事態宣言のため閉館になって1ヶ月弱。

さびしい。

本を返さなくて良い となると、何だか 読書のスピードもあがらない。
いつまでも 借りていられるから、この原稿にも なかなか 手をつけられなかった。

借りている本を 読み切ったら、「『もう一度読みたい本』を 読むことにしよう」と思っている。
読んでいないのは あと一冊(それも半分)となった。この記事を アップしたら、さっそく「守人」シリーズを 読む準備をしよう。



読んでいただき ありがとうございました。