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旅する本屋~ZOOMで読書会 その28

28回目の「ZOOM読書会」。
学生時代の友人「🐰さわ」と 私「🐻くば」がそれぞれ 自分で決めたテーマに沿って 本を紹介しあいます。

過去の読書会はこちら 


☆🐰さわ☆

<テーマ>橘 春香さんの本

先日、橘春香さんの講演会に行ってきました。それをきっかけに橘さんの本を何冊か読みました。どれもとても良かったので、今回は橘春香さんの本を紹介します。

1 ポンぼうや はじめて見る世界 橘春香

ポンぼうやは、ポプラに木の家にチミばあさんと二人で住んでいます。ポンぼうやの両親は、外に出て行ったきり戻ってきませんでした。そのため、チミばあさんはポンぼうやが家から外に出ることを許しませんでした。
でも、好奇心旺盛なポンぼうやは、ついにある日、燕の背に乗って家を飛び出します。

ぽわーんとしたポンぼうやのキャラクターがいい感じ。

2 銀杏堂 橘 春香

小学生の女の子レンちゃんが、骨董屋「銀杏堂」で、店主の高田さんからお店にある骨董品にまつわる話を聞くというスタイルのお話。

高田さんの不思議な体験と不思議な品々が魅力的。

高田さんが けっして完璧な人じゃないところも好感が持てる。こういうお話に出てくる高田さんのような立場の人物は、何もかもお見通しっていう感じが多い気がする。若い時は気にならなかったけど、自分がその年齢に近くなっても、けっして完璧なおばあさんには なれていないし これからも なれないだろうからかな。

作者がイラストレーターなので、見開き全部のカラー挿絵もあって、お話の世界にどっぷりつかることができる。お話に出てくる骨董品も もちろん描かれていて、よりリアルにイメージできる。

先日行った原画展では、銀杏堂の骨董品の実物(?)がいくつか展示されていて、わくわくした。

3 おしゃれなサリちゃん   たちばな はるか

サリちゃんはおしゃれな女の子。
ママと一緒に公園に行くために、自分で身支度を始めます。とびきりのおしゃれをして。

小さな女の子の あるある。
でも、このお母さんのような対応(おしゃれかもしれないが、とんでもない格好。それでも そのまま公園に出かけた)は なかなかできないんじゃないかな。少なくとも私はできなかった。家の中でなら、笑って「おしゃれだねー」ってほめてあげられたけど。

保育士の娘に見せたら、やっぱり、「このおかあさんすごい!」

昔、次女が保育園で、お姫様ごっこの衣装を着てお散歩に行ったことがあった。保育士さんには 謝まられたけど、私は嬉しかった。保育士さんに ご迷惑をかけたこと(すごく頑張って説得したけど 次女は頑としてゆずらなかったとのこと。時間が迫る中で その苦労は 想像がついたから)をおわびしたけど、「ありがとうございます」って言ったのを覚えてる。

でも、今、この本は、紙の本では入手困難。
もったいない!
おとうさんおかあさんをはじめ、子どもに関わる全ての人に読んでもらいたい絵本。


🐻銀杏堂はおもしろかったよ。
🐰今、3冊目を作成中だって。楽しみだよね
🐻イラストを自分でかけるっていうのもいいよね。他の本も図書館で探してみるよ。
🐰原画展っていうの久しぶりに行ったけど、やっぱりいいね。


☆🐻くば☆

<テーマ>本を売り歩く人たち

「本の行商」していた人たちのお話です。
「行商」と言えば、田舎育ちの私。小学生のころ住んでいた家には、週に1回くらい、大きな荷物を背負ったおばさんが 食料品を売りに来ていました。
何を売っていたか・・・鯨のベーコンしか覚えていないのですが、おばさんがくると わくわくしていました。

今回は、「本の行商」・・・本を 背負って売り歩いていた人たちの物語です。
本なんてあんな重いものをどうやって運んだのだろう、買う人はいたんだろか、どこから仕入れたのだろう・・・と多くの疑問がわいてきました。

1 本売る日々  青山文平

時代は江戸。主人公・松月平助は城下に店を持っているが、毎月1回、行商に回る。
だいたい4日をかけて20あまりの村を訪ねる。寄るのは、寺と手習所。それになんていっても名主の家だ。

平助が出会った本にかかわる3つの物語。

1 71才のおとくいさまの惣兵衛が、最近17才の後妻をもらったとのこと。惣兵衛に乞われて妻に本を見せたが、なぜか本が無くなっていた。

2 自分を裏切った男ではなく、その息子に復讐をする話。和歌と八百比丘尼伝説がからまったちょっと不思議でちょっと恐ろしい話。

3 「名医なのか?偽医者なのか?」判断のつかない医者の秘密を知った平助。それが、めぐりめぐって、平助の本の出版につながる。

最初は、読み慣れない時代小説ということもあってか、なかなか本に入り込めなかった。
2つめの話から、面白くなる。
時代は違えど、本を愛する人々が出てくること、本の知識が豊富なことは読んでいて嬉しい。 

2 モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語  内田洋子

イタリア在住の著者によるノンフィクション。
はじまりは、ヴェネツィアのとても居心地の良い古書店。
寡黙で穏やか店主はまだ若いのに、客たちの小難しい注文をうとまずに聞き、頼まれた本は必ず見つけ出してくる。

(ただ者ではないな)と感じた著者は、店主に修業先を訪ねる。

すると「代々、本の行商人でしたので」との答え。
トスカーナ州のモンテレッジォという山村に原点があるという。

村に特産物がないため、男たちは本を売りによそを回った? 
印刷所もない村の稼業がなぜ、本売りなのか。どこから仕入れて、誰に売ったのだろう・・

たくさんの疑問がわいた著者は、現地に行ってみることにする。
しかし、現地で見たものは・・・・

正直を言えば、なかなか頭に入ってこないところも多く、全編を通して「よくわかった」作品にはならなかった。
しかし、かなりの時間と手間をかけて調べた著者の情熱には脱帽。

そして、最初の古書店の店主のように、本への思い、情熱が、現代にまで受け継がれているというのは、すごいことだと思った。


🐰知らなかった、本の行商があるなんて! 重たいし、好みなんかあるだろうに。
🐻実は、もう一冊 「貸本屋おせん」 というのも読んだの。江戸時代に貸本屋の行商をしていた話。このおせんは、"あちこちを回ることによってその人の好みがわかる" と 言っていたよ。

🐰貸本屋と言えば、宮部みゆきさんの「三島屋シリーズ」の最初の主人公が結婚した相手も貸本屋だったよね。
🐻ああ、そうだそうだ。・・・・名前出てこないけど、あの子も、家とつきあいがあった貸本屋さんと結婚したんだよね。
(主人公は「おちか」でした)
🐰貸本屋だったら、「今回は、いいのなかった」で、いいけど、これは、売るんだからすごいよね。それも江戸の街っていうのではなくイタリア中だからね。
🐻子どものころ、移動図書館のバスがくるとわくわくしたよ。向こうから「本がやってくる」って幸せだよね。残念ながらその移動図書館はかなり前に廃止されてるんだけどね。


普段、近隣のまちを含め合計3つの図書館を利用している。

それぞれが、その造りや蔵書に特徴があり、この種類の本はこっちの図書館が充実している、ベストセラーは、こっちの図書館はリクエストが多くてなかなか借りられないけど、こっちは比較的すぐ借りられる、など利用しわけている。

noteを含め、ネットで面白そうな本を探すことが多いのだが、「さて図書館にはあるかしら」と調べる時、便利なのがこのサイト。 


ここを知るまでは、図書館ひとつずつのサイトを開き調べていた。
しかし、「カーリル」に普段利用している図書館を登録しておけば、どこの図書館に蔵書しているか、していないかが、いっぺんでわかる。
初めて使った時は、「世の中はすすんでいるものだ」と大いに感心した。

冬は車の運転はしない私。
今、一番近い図書館1つだけにバスで通っている。

読みたい本が見つかったら、「春になったら借りてこよう」と図書館別にせっせとメモをとっている最中である。


読んでいただき ありがとうございました。