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「幼年期の終り」 Childhood’s End      アーサー・C・クラーク (読書感想文)(*ネタばれ注意)

☆かーなり若い頃に書いたものです☆

とっても頭のいい科学者の、
想像力あふれる
頭脳が作り出したストーリー。

情緒的というよりは、
実写的で無駄のない、
筋の通ったストーリー展開と、
疑問提起。
天才、なんだろうね。

他のクラーク作品に比べて、
すっごい濃密な感じがした。
とても勉強になる・・・
でも、やっぱり、ハインラインの
「夏の扉」的懐かしさが
ないんだよなぁ。
そりゃ、そうよね、
この話じゃ、
たぶん戦後30年、
つまり、1975年くらいから
オーバーロードの支配下に
置かれてしまうわけで、
現在の地球とは、
また別な地球なわけで、
当然、郷愁はわかないわけだ。

でも、すごいねぇ、
宇宙意識みたいなん、しっかり描いていて、
宇宙人のオーバーロードにさえ、
天下を取らさない、ストーリーの深み。

オーバーマインドって言うものの
正体は、まぁ、いつの時代も謎だけど、
その宇宙の意思と、人類の間に、
「産婆」的存在のオーバーロードを
挟んだのは、とっても面白い。

オーバーロードは、産婆であり、
同時に石女(うまずめ)って
いうのも、すごい。

人類は愚かだけど、
まだ成長過程なのよね。

SFってたいがい、宇宙人が来て、
人類パニックのイメージだけど、
本来、こういったものなんだろう。

人類はどこから来たのか、どこへ行くのか。
何のために。
ほとんど新興宗教に近い。


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