生きてない・死んでない(仮想現実)
なんか死んでないけど
生きているわけでもない。
こんな感覚、わかる人がいるだろうか。
たぶん体は死んでないけど、
心が、精神が死んでる。
意識不明の無体とか
透明の霊とかの類い。
ちょっと表現が違うだけで、
冬弓はたいてい、この状態にある。
厄介だなー。
でも、まわりの人のほうが
もっと厄介に思ってると思う。
なんで冬弓の体は滅びないのに
精神だけ滅びていくのだ?
精神は滅びないけど
体が滅びていくのが
正しい「老い」だと思う。
今に始まったことではない、
たぶん、冬弓は、子供の頃から
この、精神の滅びを進化させている。
だから、子供の頃よりは
体の滅びのゴールが見えていて
マシなのかもしれない。
思春期くらいの頃の冬弓は
成長していく体と、
滅びていく精神との間で、
もっと苦しかったはず。
でも、何か信じられるものが
あったから、若い頃は過ごせた
のだと思う。
何を信じていたのか。
自分の将来?
夢が叶うこと?
それは滑稽な「信仰」だったなぁ。
要するに、大した根拠もないものを
信じていたから、今になって
こんな滅びを痛感している。
早く、体も滅びてほしい。
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