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手紙 第七話「妙な夢」(仮想現実)

前回、亡き娘の話を
したからでしょうか、
その後、何度か、
娘が夢に現れて
私をじっと見つめているのです。

「私を呼んでいるの?」
と聞いても答えは
返ってきません。

もちろん、呼ばれても、
あの子の元には
行くつもりはありませんが。

何かのご縁で、今生、
母娘の役を演じましたが、
他の肉親同様、
この舞台を降りたら、
もう会いたいとは
思いません。

私が、この人生を終えて、
会いたいのはただ一人、
私の実父だけなのです。

結婚相手でもなく、
娘でもなく、
母でもなく、
異母兄弟たちとでもなく。

不思議なものですね。

だから、妙な夢を見た朝は
父の写真に手を合わせます。

どうか間違いなく、みなみを
迎えにきてください、と。
これ以上、妙な夢を
見せないでください、と。



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