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手紙 第一話「高木南と申します」(仮想現実)

私の名前は高木南(たかぎ・みなみ)。
・・・などと自己紹介しては、
誤解を招きそうなので、
改めて申し上げます。

私は昭和初期生まれの
おばあさんです。
本名は、みなみ、でした。

大正時代の異母姉妹が、
「あさを」だったり、
「みさを」だったり、
結構今風なわけで、
私も面白半分に「みなみ」と
名付けられたようです。

何回か結婚して、
結局、夫との相性の
いい姓名判断だかで、
「南」と漢字になりました。

その後、元の姓に戻ってからも、
出戻りだとわかりにくくするため、
南の名を名乗って幾星霜。

別段、「みなみ」でも
よかったのですが、
麻雀仲間に呼ばれたくて、
南の名を残した次第です。

そんな私が突然、
なぜ現れたかというと、
私もなんらかの「終活」をしなければ、
と思ったのでございます。

いろんな方に、
お手紙を差し上げたいのですが、
既にお亡くなりになってる方も多く、
漠然と、ここに記すことにしました。

高木南の、簡単な生涯をここに記します。

前記の通り、昭和初期に
生まれた私の父は、神戸の商家を継ぐ、
やり手の旦那さんでありました。

私の母は、父が最後に
出会ったいわゆる遊女であります。

時は、大正の末、頃でありましょうか。
だから、私は異母姉兄が多くいました。

そして、私自身も、
当時の女性としては珍しく、
自由に恋をし、何度か結婚しました。

今となっては、
遠い昔の話でございますが。
あれ、年のせいでしょうか、
ここまで、パソコンなるものに
触れているうちに疲れてきました。

せめて、第一章では、
父と娘のことについて語り、
父への手紙としたかったのですが、
ご勘弁を。

では、また、後日、
お会いできるのを楽しみにしております。

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